木組みの建物にキュン!世界遺産の町・ストラスブール観光の5つの魅力

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。

ドイツ南西部に住んでいる私にとって、フランスのアルザス地方はとても身近な存在。なんたって、自宅から車で20分も走ればフランスとの国境にたどり着くのですから。

これまでにも何度か訪れているフランスのストラスブールは、ヨーロッパの町の中でもお気に入りの町のひとつ。フランス旅行の神髄は地方にあり。ストラスブールの5つの魅力をご紹介しましょう。

世界遺産の街・ストラスブール

フランス北東部に位置するストラスブールは、ドイツと国境を接するアルザス地方の中心都市。かつてはフランスとドイツがその領有権をめぐって激しい争いを繰り広げてきた複雑な歴史をもつ地方で、ドイツ領とフランス領のあいだを揺れ動いてきました。

地理的にも文化的にもドイツの影響が強いストラスブールは、「フランスのなかのドイツ」と呼ばれることもあるほど、首都のパリとはまったく違った雰囲気。

ドイツ的なかわいらしい木組みの家々が立ち並ぶ美しい風景を残す旧市街は「ストラスブールのグランディル」として世界遺産にも登録されています。

美しすぎるストラスブール大聖堂

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世界遺産のストラスブール旧市街のランドマークといえば、ストラスブール大聖堂。これまでにヨーロッパ各地を旅し、さまざまな大聖堂や教会を見てきましたが、このストラスブール大聖堂は私がもっとも好きな教会建築のひとつです。

1015年に着工されたストラスブール大聖堂は、2015年に着工から1000周年を迎えました。まず目を奪われるのが、外壁をびっしり覆うレースのように精緻な彫刻。これには、文豪ゲーテも「荘厳な神の木」と惜しみない賛辞を送ったといいます。

ストラスブール大聖堂の外観をさらに特別なものにしているのが、その色。ストラスブール大聖堂は、ヴォージュ山脈から切り出した赤色砂岩で造られたために、ほかの多くの教会とは異なる赤みがかった姿をしています。

極めつきは、天に向かってまっすぐに伸びる高さ142メートルの塔。これほど荘厳かつ優雅な教会は、ヨーロッパ広しといえどもそうたくさんあるものではありません。優雅な気品漂うノートルダム大聖堂の姿は、いつまでも眺めていたくなってしまいます。

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ストラスブール大聖堂の素晴らしさは、外観だけにとどまりません。まばゆい光を放つ色とりどりのステンドグラス、天井や柱などに施された美しい装飾など、内部も見どころ満載。

とりわけ有名なのが、人形が動き出すしかけをもつ高さ18メートルの天文時計。からくりがいっせいに動き出すお昼の12時半には、その光景を見ようと大勢の観光客が詰めかけます。

さらには、高さ66メートル地点にある展望台からはストラスブール市街はもちろんのこと、ドイツの黒い森までをも見渡すことができます。

外から、中から、上からと楽しみ方も多彩なストラスブール大聖堂。これを見るためだけでもストラスブールを訪れる価値があるといっても過言ではありません

胸キュンせずにはいられない木組みの町並み

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ドイツとの国境に近く、過去にはドイツ領だったこともあるストラスブールにはドイツ風の木組みの家々がたくさん残っています

特にかわいらしい木組みの建物が集中するのが、「プティト・フランス」と呼ばれる運河に囲まれた地区。中世の時代、この辺りには革なめし職人の館が並んでいたといいます。

ひとつひとつが個性豊かでカラフルな木組みの家々と、その脇を流れる運河・・・まさにメルヘンの世界。絵本から飛び出してきたような風景の数々に囲まれて、歩くだけで幸な気分になれる場所です。

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晴れた日に、運河にそって並ぶカラフルな建物を見ながらお散歩すれば、気分は最高。私の大好きな場所です。雰囲気のいいカフェやレストランも多く、ランチやティータイムにもぴったりです。

ストラスブールの街並みを最大限に楽しむならイル川の遊覧船がおすすめ。ただボートに乗って景色を眺めるというだけでなく、オーディオガイド(日本語あり)を聞きながらストラスブールの主要スポットを一通りめぐることができます。ストラスブールの歴史や各みどころに対する理解が深まり、ストラスブールの町がもっと好きになれること請け合いです。

目にも美味しいスイーツ天国

アルザス地方は、パリで活躍するピエール・エルメ氏などを輩出した「お菓子の土地」として有名。

特には焼き菓子に定評があり、王冠型をした「ググロフ」や、スパイスがきいたパウンドケーキのような「パン・デピス」など、郷土菓子の種類も豊富です。

アルザス地方の中心都市であるストラスブールには、地元で長く愛される老舗パティスリーから、洗練された新進気鋭のパティスリーまで、狭い範囲に数多くのパティスリーがひしめき合っています。

特にストラスブール大聖堂にほど近いオルフェーヴル通りは、有名老舗パティスリー「Naegel(ネゲル)」をはじめ、数々のグルメショップが並ぶ美食通りです。

ストラスブールでケーキを食べるなら「Christian(クリスチャン)」

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私が特におすすめしたいパティスリーが、ネゲルと人気を2分するストラスブールの老舗パティスリー「Christian(クリスチャン)」ネゲルがテイクアクト中心なのに対し、クリスチャンは高級感あふれる店内でゆっくりとお茶とお菓子が楽しめます。ストラスブール大聖堂の目の前にもお店がありますが、そこから少し離れた本店がおすすめ。

ひとつひとつ丁寧に作られたクリスチャンの繊細なケーキは絶品で、過去に食べたフルーツタルトやフランボワーズムースを思い出しただけで、もうたまりません。

ストラスブールで焼き菓子を買うなら「MAISON ALSACIENNE DE BISCUITERIE」

お土産におすすめなのがクッキーやアルザス風マカロンで、私は特に 「MAISON ALSACIENNE DE BISCUITERIE」 のものが気に入っています。

「 MAISON ALSACIENNE DE BISCUITERIE」はアルザス地方に10店舗以上を展開する焼菓子の専門店で、「料理上手なアルザスのおばあちゃんが作ったクッキー」といった雰囲気の素朴で優しい味わいのクッキーは、食べ始めると止まらなくなるおいしさです。

フランス文化とドイツ文化の融合がおもしろい

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ストラスブールがあるフランスのアルザス地方は地理的にも文化的にもドイツの影響が色濃いエリア。ドイツ的な建物が並んでいるだけでなく、ドイツ名物と思われているハート型のパン「プレッツェル」もよく見かけます。

けれども、ドイツで見かけるプレッツェルとアルザスで見かけるプレッツェルには違いがあって、アルザスは甘いお菓子系のプレッツェルの種類が豊富。なかにはクッキー生地で作ったプレッツェルもあり、ドイツではなかなか見かけないプレッツェルのバリエーションが楽しめます。

さらに、ストラスブールにはフランスらしい感性のおしゃれな雑貨ショップなどもたくさんあって、フランスならではのエスプリが感じられます。いくらドイツから目と鼻の先で、町並みが似ているとはいっても、「ドイツとは何かが決定的に違う」と思わせられます。

いくらドイツっぽいと言われていても、やっぱりここは紛れもなくフランス。島国育ちの日本人にとっては、陸続きの隣国の文化の混じり具合というのはとても興味深いものです。

一日で満喫できるほどよいサイズ感

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ストラスブールはそれほど大きな町ではないので、丸一日あれば満喫できる規模です。かといって「数時間で見終わってしまって物足りない」というほど小さいわけでもありません。

ストラスブールの町は、一泊など短期間の観光にもぴったりの手頃なサイズです。パリからTGVで2時間半弱で行けるほか、ドイツと組み合わせても周りやすい場所にあるストラスブール。機会があればぜひ訪れてみてください。

アルザス地方は素敵な風景にあふれています。時間が許せば「ハウルの動く城の舞台」といわれるコルマール、その近郊のリクヴィルやエギスハイムなど、美しい村々もあわせてどうぞ