海外旅行や海外生活で経験する人種差別、ドイツで暮らす私の場合は?

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。

本日のテーマは人種差別。あまり楽しい話題ではありませんが、海外で、特にアジアを離れて暮らす人は一度は自分事として考える問題なのではないでしょうか。海外で生活しなくても、海外旅行先で人種差別を経験する場合もあります。

海外での人種差別、私の経験

私の経験からいえば、海外で「日本人だから」という理由で差別されることはほとんどありません。ただし、中国人あるいはアジア人として差別されることは残念ながらたまにあります

例えばインドとトルコ。あまり高い教育を受けていなさそうな若い男の子(10代半ば~後半ぐらい)のグループに遭遇すると、「チャイナ、チャイナー!」と挑発するように言われることがあります。腹立たしいですが、ちゃんとした教育を受けている人はそんな言動はしないので無視しています。

ちなみに、インドもトルコも基本的には親日国なので、日本人だとわかっていればそんな態度はとらない可能性が高いです。

もはや世界では「アジアの代表は中国」なので、世界的にあまり好かれているとはいえない中国人と間違えられると不快な経験が増えます。中国をよく思わない人たちの気持ちも理解はできますが、教養やマナーのある中国人もいるのに一括りにしてバカにされたりするのは気の毒だと感じます。

また、先日フランスのストラスブールに行ったとき、バス停で高校生ぐらいの男の子グループ(修学旅行中?)にバカにするように笑われたこともありました。理由はわかりませんが、私がアジア人だからでしょうか。

思い違いの可能性もありますが、私のいた方向に他に誰もいなかったことを考えると、何らかの人種差別であった可能性が高いと思います。

国や地域によって差はありますが、色々な国(特に非アジア地域)で暮らしたり旅したことがあれば、「人種差別だ」と感じるような経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

アジア人への人種差別、ドイツはどう?

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現在私が暮らしている国ドイツではどうかというと、今のところドイツ人から差別と感じるような言動をされたことはまったくありません

北アフリカ系(おそらくモロッコ)に見える男性から「ニーハオ」と言われたことはありますが、それは単なる挨拶なのか、からかいなのか判断がつきません。いずれにしても私は日本人なのであまりいい気はしないのですが…アジアの外に出ると良くも悪くも中国や中国人の存在の大きさを感じます。

ドイツは、ホロコーストという過去の過ちを重く反省する教育がなされてきたので、一般的には人権意識の高い国です。

過去の罪と決別するため、国籍や人種、宗教などを理由に「差別をしないこと」を国是としていて、個人レベルでも「人種差別」と受け取られないよう言動にも注意を払うのが普通です。過去の世代が犯した過ちとはいえ、いまだに「やっぱりドイツ人はレイシストだ」と言われるのを恐れる人が多いように感じます。

また、単純に「外国人がそこらじゅうにいるのに慣れている」というのもあるので、外国人の存在をいちいち気にしません。(異文化出身の「ドイツ人」もたくさんいるので、誰が「外国人」か、一見判断がつかないという事情もあります)

日常生活において「人種差別を受けるのではないか」と構える必要がないので、そういう意味では気楽に過ごせてありがたいです。

ただしこれは私が暮らすドイツ南西部での話。この地域は旧西ドイツだったので反ナチス教育が徹底されてきましたが、ドイツが東西に分断されていた期間、旧東ドイツでは十分な反ナチス教育が行われなかったといいます。そのため、旧東ドイツ圏では旧西ドイツ圏に比べて人種差別が多いのだとか。

私はまだ旧東ドイツに行ったことがないので実感としてはわかりませんが、ベルリン在住の方のブログで時々人種差別を受けると読んだことがありますし、ドレスデンがあるザクセン州などでは「人種差別が問題になっている」とダーリンからも聞きました。難民施設への放火といった難民排斥の動きも東部が中心のようです。



なぜ人種差別が起こるのか

やはり自分事として人種差別の問題に直面すると、「なぜ人間は差別をするのか」「それにどう対処すればいいのか」と考えるようになります。差別はそもそも、「異なるものに違和感や恐怖を覚える」という人間の防衛本能から来ていて、そう感じること自体はある程度はしょうがないと思います。

でも教育と、文化や人種の異なる人々と交流した経験があれば「相手も同じ人間であって、尊重すべき人格をもっている」ということが身をもってわかるようになります。

人種差別にどう対応すべきか、これは正直言ってまだわかりません。今のところは無視していますが、「無視=差別を容認する」というメッセージになりかねませんし、かといって何か言い返すとかえって相手を楽しませるような結果になったり、場合によっては自分の身に危害が及びかねません。

人種差別に対してどのような態度をとるべきか、答えはまだ出ませんがこれからもこの問題には意識を向けていきたいと思います。

ひとつ確かなことは、人種差別に遭ったからといって自分の価値が変わるわけではないし、劣等感を覚えたりする必要もないということですね。