「今日はギフト」!大学時代の恩師から教わった「一生モノ」の言葉

あなたにはずっと大切にし続けたい「一生モノ」の言葉はありますか?

私にとっては、それが大学時代にアイルランド人教授(神父)から教えてもらった言葉です。

その言葉は、「今この瞬間」の大切さをいつも思い出させてくれる言葉

残念ながらその教授は数年前に亡くなりましたが、大学卒業から何年も経っているのに彼の訃報は卒業生のあいだで大きなニュースとなり、大勢の人が哀悼と感謝の念を示しました。

今回は、学生たちに愛されていた教授からもらった「一生モノ」の言葉を紹介したいと思います。

「一生モノ」にしたい大切な言葉

私がずっと心に刻み続けたい、「一生モノ」の言葉とは…

“Yesterday is  history. Tomorrow is a mystery.
Today is a gift. That’s why it’s called the present.”

直訳すると『昨日は歴史。明日はミステリー。今日はギフト。だから「プレゼント」と呼ばれるのだ。』という意味になります。

私が大学生だったときに、その講義の担当だった教授、Father Deelyが授業中に教えてくれた言葉です。(ここでの”Father”は神父の意味で、その教授は本物の神父さんでした)Father Deelyの口からその言葉が出た瞬間、クラス中が「おおっ」と感嘆の声を漏らしたことを今でもはっきり覚えています。

もともと、アメリカの歴史家で作家でもある、アリス・モース・アール(Alice Morse Earle) という女性の言葉だそうです。原文は以下のように「今を大切に生きる」ことの大切さを説いています。

“The clock is running. Make the most of today. Time waits for no man.”
(時計の針は進んでいる。今日を精一杯生きよ。歳月人を待たず。)

Yesterday is  history. Tomorrow is a mystery.
Today is a gift. That’s why it is called the present.

この言葉を聞いたとき、私は「この教えを一生忘れるまい」と思いました。一時は手帳にも書き留めていたほどです。

しかし、最近本を読んでこの言葉を思い出すまで、しばらくこの言葉を頭に浮かべることはありませんでした。この言葉を忘れてしまっていた自分にショックを受けましたが、ひょっとしたら、この言葉はいつも私が必要なときに降りてきてくれるのかもしれません。

私たちはしょっちゅう、過去や未来を生きている

現代に生きる私たちは、しょっちゅう過去や未来を生きています。過ぎたことにくよくよしたり、先のことを心配したり・・・過去のことも未来のことも一切考えず、今この瞬間だけを目いっぱい生きている時間がいったいどれだけあるでしょうか

私だってそうです。最近は「来月たくさんお金を遣うから、今のうちにたくさん仕事をして稼いでおかないと」と、先のことばかり考えて必要以上にストレスを感じてしまっていたような気がします。

もちろん、過去に学んだり、未来のことを考えて準備したりすることは大切ですが、あまりにも過去や未来に縛られすぎてしまうと、人生がもったいない。いつも過去や未来のことばかり考えて、今を生きないまま一生を終えてしまうかもしれません

「今を生きる時間」をつくろう

意識しないと、どうしても過去や未来のことに目がいきがちになります。時々立ち止まって、「今の自分をないがしろにしていないか、今を大切に生きているか」自分自身に問いかけてみる必要があります。

私の例でいえば、仕事を頑張ることも大切ですが、体を壊さないようにリラックスする時間を確保したり、身体をメンテナンスしたりしてあげなければなりません。行ってみたいカフェにランチをしに行ったり、興味のある本を読むのもいいでしょう。

今やりたいと思ったことをする、大切な人に自分の想いを伝える、自分の身体をいたわってあげる・・・「夢に向かって挑戦する」などという大きなことだけでなく、今を生きる方法はたくさんあります。もっと小さなことでいえば、「空がキレイだな」とか「風が気持ちいい」、「美味しいご飯が食べられて幸せだな」など、小さな幸せや感動を噛みしめることも今を生きることなのではないでしょうか。

「そうはいっても具体的に何をしたらいいかわからない」という人におすすめなのはヨガ。私は、「ヨガの里」として有名なインドのリシケシに2週間ほど滞在してヨガを習ったことがあります。

そのとき、「ヨガとは今を生きることなのだ」とわかったのです。ヨガというと、柔軟やエクササイズのイメージが強いかもしれませんが、ヨガで本当に大切なことは、呼吸と身体の動き、精神に意識を向け、それらを一体化することです。(これはヨギーの受け売りですが)

たかが2週間でヨガの何たるかを理解したとは思いませんが、ヨガをやっていると、自分の呼吸や身体、精神に意識が向いて、余計なことを考えなくなります。そしてそれは、「今を生きる」ことに他ならないと思うのです。

おわりに

私たちに与えられた命の時間は刻一刻と過ぎ去っています。今があることは当たり前じゃないんですよね。「今があることに感謝し、精一杯生きる。」。忘れてはならないメッセージです。

Father Deelyは近年亡くなりました。確かに高齢ではありましたが、あんなに明るく元気な人が亡くなっただなんて信じられない思いでした。彼の死を知った多くの教え子が悲しみました。あれだけ学生から慕われていた教授はそうはいません。

彼の命の灯が消えてしまったことを思うと今も寂しいですが、彼は今も私たちの心の中で生き続けているはずです。

With gratitude and respect for Father Deely. You continue to live in our hearts.