引っ越しする際、どの業者のどんなサービスを使うか、迷いますよね。
会社によって値段やサービスが違いますし、一般的な引っ越しサービスは繁忙期になると一気に値上がりすることが多いのも困りものです…
大きな家具や家電がない(衣類や本・食器など段ボール等のケースに梱包できる)場合の引っ越しサービスとしておすすめなのが「ヤマト便」。普通、ヤマト運輸の宅配サービスといえば「宅急便」を思い浮かべますが、それとはまた別のサービスです。
「宅急便」に比べると、いくつかの制約がありますが、和歌山から福岡に引っ越した私たちの場合は「ヤマト便」を利用することで「宅急便」の半額以下で引っ越しができてしまいました!
ヤマト運輸の「ヤマト便」
ヤマト運輸の「ヤマト便」ってご存じですか?ヤマト運輸といえば、日本を代表する運送会社ですが、ヤマト運輸といえば「宅急便」。そう、「宅急便」と「ヤマト便」は同じヤマト運輸のサービスであっても、別物なのです。
では何が違うのか。簡単にいえば、「ヤマト便」なら「宅急便」では規格外とされてしまう荷物を送ることが可能です。
「宅急便」は文字通り早く届くことに加え、配達日時指定などの充実したサービスが魅力。その一方で、必ずしも大きな荷物や大量の荷物を送るには適しておらず、一箱の大きさは3辺(縦・横・高さ)の合計が160㎝まで、一箱の大きさは25kgまでと決まっています。
その一方、「ヤマト便」は「宅急便」より一日多くかかるうえ、配達日時の指定はできないというデメリットがあるものの、3辺の合計が160㎝を超える大きな荷物を送ることができます。しかも料金は箱単位ではなく、総容積に対してかかってくるので、いくつもの箱に分かれるような大量の荷物なら、宅急便より断然お得なのです。
宅急便の半額以下も
私自身、ヤマト運輸といえば「宅急便」とクール便、引っ越しサービス(ヤマトホームコンビニエンス)くらいしか知らなかったのですが、「荷物を安く送る方法はないかな」と、ネット検索して見つけたのが「ヤマト便」でした。
その料金表を見てびっくり!「ヤマト便」は箱単位ではなく、総容積に対して料金がかかる仕組み(「容積換算重量」という考え方を導入)なので、いくつも箱がある場合には、一箱単位で料金がかかる宅急便よりも圧倒的に安く済むことがわかりました。
宅急便にも複数個口割引がありますが、1個あたりわずか100円引き。関西から九州まで140サイズの荷物を一箱送る料金が1922円ですから、100円引いたとしても1822円。10箱送れば2万円近い料金がかかることに変わりはありません。
一方のヤマト便はというと、私たちが送ったのは140サイズ相当の段ボール箱10箱とギターケース1個の合計11個口。それらの関西から九州までの配送料が、保険料も含めなんと8404円でした。宅急便を使っていたら2万円はかかっていたので、配送方法を見直しただけで1万円以上の節約ができたことになります。
荷物が少量であれば「宅急便」と大差ありませんが、送る荷物が多ければ多いほど、「ヤマト便」の節約効果は大。便利な「ヤマト便」の存在、もっと早く知りたかった!
細かいことですが、「ヤマト便」で同一の送り先に複数個口で荷物を送るとき、伝票は一枚で済むのも嬉しいところ。何枚も伝票を書くのは大変なので、これも「ヤマト便」のメリットでしょうか。
続いて、「ヤマト便」を利用するうえでの留意事項をお伝えしたいと思います。
箱に梱包されている必要がある
「ヤマト便」としての配送を依頼するには、段ボール箱やスーツケース、ギターケースなど、何らかの箱に梱包されていなければなりません。つまり、裸の自転車や家具などの配送を依頼することはできないということです。
この点は、宅急便と同様ですね。宅急便の規格外の荷物を送れるヤマト便とはいえ、家具や家電などもそのまま運んでくれる引っ越し業者と同じように使うことはできません。
ヤマト便は配達日時の指定ができない
配達日時が指定できる「宅急便」とは違って、「ヤマト便」は配達日時の指定ができません。それに加え、「ヤマト便」は、「宅急便」に比べ配達までの期間が1日長くかかるため、一日でも早く届けたい荷物を送るのには適していません。
私も配達日時の指定ができないことを懸念したので、引っ越し当日に確実に手元に欲しいものは、「ヤマト便」ではなく「宅急便」扱いにして、配達日時を指定して送りました。
すると、結局「宅急便」として送った1箱と「ヤマト便」として送った12個口がすべて同じタイミングで到着(関西から九州まで、所要2日)。配達日時の指定はできませんが、希望を伝えることはできますし、荷物が多い場合は事前に確認の電話が入るので、結果的にこの点に関しては特に不自由に感じませんでした。
料金の計算方法が独特
「ヤマト便」は料金の計算方法が独特。複数の箱に分かれていたとしても、荷物全体の容積に基づいて決まるので、個人が料金を予想するのはなかなか難しいんです。だいたいの料金を知りたいなら、ヤマト運輸のサービスセンターに問い合わせて、箱の大きさや数を伝えるのが一番。
なかには、「ヤマト便は、集荷時にドライバーが計算する手間を省くため、事前に計算しておいてあげましょう」などと記載している個人ブログもあるのですが、お客さん側で計算することに意味はありません。そもそも計算の細かなロジックがわからないので計算のしようがないですし、集荷の際はいつどうやって計算したのかわからないほど、一瞬で計算が終わっていました。
サービスセンターに問い合わせてだいたいの料金を把握したら、後は余計なことをせずにドライバーに任せるのが一番です。
ヤマト便は別途保険加入費用がかかる
「宅急便」の料金には、あらかじめ30万円までの保険が含まれていますが、「ヤマト便」の場合、保険料は別途支払う必要があります。といっても保険料は補償金額1万円あたり10円と、とても安いので、気にするほどのことでもありません。私たちの場合は、荷物の価格を40万円と申告して追加で400円を支払いました。
品物が破損したらどうなる?
品物の破損などがあった場合どうなるのでしょう。今回の引っ越しでは、お皿が一枚割れてしまっていました。その旨をヤマト運輸に連絡したところ、「同じものをお探しします」。基本的には同品交換になるようですね。
ただし、今回割れてしまったお皿はベトナムの小さな雑貨店で購入したものだったので、同じものを手配してもらうのはほぼ不可能。購入したときのレシートを見せ、現金で返金してもらいました。その際、レシートの確認も、返金も、ヤマト運輸のドライバーさんがやってきてくれたので、こちらから何かを送ったり、口座番号を伝えたりする手間は一切なし。さすがの人海戦術ですね。
結論:ヤマト便は安くて便利
当初は、「ヤマト便」は日時指定ができないなど、「宅急便」よりもサービス面で劣ることを懸念していましたが、どうしても配達日時を指定したいものがあれば、それだけ別口で「宅急便」で送ればいいですし、荷物が多いときは配達前に電話が来るので、「宅急便」とのサービスの差はそれほど感じませんでした。
なのに料金は半額以下(今回の私たちのケース)!荷物を一度にたくさん送るなら、使わない手はないですね。