高松市中心部でちょっとした非日常感が味わるホテルステイを楽しむなら、「ロイヤルパークホテル高松」は真っ先に候補に挙がってくるホテルのひとつ。
1989年開業の高松を代表するシティホテルのひとつで、2016年のリニューアルにより、従来のアールデコ調を生かしつつも、モダンなデザインを取り入れたスタイリッシュな空間に生まれ変わりました。
さらに、ティータイムからバータイムまで、多彩なフードプレゼンテーションを楽しめるラウンジも魅力。実際に宿泊してわかった、「ロイヤルパークホテル高松」の魅力をレポートします。
デザインが光るシティホテル「ロイヤルパークホテル高松」
高松市内中心部にある「ロイヤルパークホテル高松」は、1989年開業のシティホテル。2016年には、一級建築士で数多くのホテルデザインを手がけている寶田陵氏監修のもと、四国初のオールクラブフロアとして大々的なリニューアルを行い、クラシカルな中にもモダンな感性が光るホテルに生まれ変わりました。
ホテルコンセプトは「コンパクトラグジュアリー」。正直、外観だけを見るとあまり特徴が感じられませんが、館内に一歩足を踏み入れた瞬間、別世界の空間が広がっていて、外観と内部の印象にかなりギャップがあるホテルといえるかもしれません。
ちなみに「ロイヤルパークホテル」というと、東京や大阪、京都など各主要都市にあるロイヤルパークホテルを思い出す方も多いと思います。「ザ ロイヤルパークホテル」「ザ ロイヤルパークホテル キャンバス」など、さまざまなブランドを展開している三菱地所グループのホテルブランドですね。
名前が同じなのでてっきり「ロイヤルパークホテル高松」も同じ系列だと思ってしまうところですが、チェックイン時に尋ねたところ東京や大阪、京都などにあるロイヤルパークホテルズと「ロイヤルパークホテル高松」はまったくの別物だそう。どおりで、ホームページもロゴも違うわけです。
2016年のリニューアルで「アールデコ×和モダン」に
「ロイヤルパークホテル高松」のデザインの特徴が、開業時から受け継がれたNYアールデコ。2016年のリニューアル時に、アールデコ調に「和モダン」の要素をプラスし、独特の世界観を感じさせる空間になっています。
2016年にリニューアルをしたとはいえ、内装すべてをそっくりそのまま新しいものに取り換えたわけではありません。お部屋は全面的に刷新されている様子ですが、ロビー壁面の装飾など、以前からのデザインが残っている箇所もあります。
だからこそ、5年やそこらのでは醸し出されない、歳月に裏打ちされたクラシカルな雰囲気が館内の随所に漂っているんです。個人的にはそこがとても魅力で、「以前からのデザインで生かすべきものは生かした」形でのリニューアルがとても素敵だと感じました。
同行した夫も着いてすぐ、「このホテルのデザイン好き」と感想を漏らしていました。「ロイヤルパークホテル高松」はシックで落ち着いたデザインなので、男性にも好まれると思います。
クラシックかつモダンな雰囲気の客室
今回宿泊したのは約22平米の「スペリオダブル」。ちなみに「ダブル」という名称ですが、ベッド幅は160cmあるので、ベッドサイズだけでいえば「クイーン」ですね。
予約の際、「もうちょっと広い部屋がいいな」とも思ったのですが、デラックス以上になると宿泊料金もけっこう上がってくるので、総合的なコスパを考えて「スペリオダブル」を選びました。
お部屋に入ったときの感想としては「意外とコンパクトだな」というのが第一印象。22平米とそもそもそれほど広くないので仕方ないところですが、最近は30平米以上の広い部屋に泊まる機会が多かったので、やや狭いように感じてしまいました。
ただ、お部屋は広いとはいえないものの、インテリアや調度品はこだわりが詰まったものばかり。
「ロイヤルパークホテル高松」の客室インテリアで最も特徴的なもののひとつが、鏡台と収納が一体になった木製のテレビボード。部屋のランクによってサイズやデザインは多少異なりますが、温かみとクラシカルな雰囲気を醸し出すしつらえがとても素敵じゃないですか。
ベッドのヘッドボードやソファの重厚感も印象的。「クラシカルなのにモダン、落ち着きがあるけれども重々しすぎない」― そんなバランス感覚を感じさせる空間づくりに感性を刺激されました。
香川県特産の盆栽をモチーフにしたカーペットや、高松特産の「庵治石(あじいし)」のペン立てなど、細かいところまでこだわりが感じられます。
広々としたバスルーム
バス・トイレはセパレートではありませんが、一般的なビジネスホテルのバスルームに比べるとかなり広々とした印象。トイレとバスタブの間のスペースにゆとりがあるので、バス・トイレが一緒でも特に気になりませんでした。
客室案内を見る限り、「ロイヤルパークホテル高松」でバス・トイレセパレートなのは「ラグジュアリーツイン」と「スイートルーム」だけのようです。
客室面積のわりにバスルームが広いだけあって、バスタブも一般的な民家のものより広いのではないでしょうか。特に縦の長さがかなりあったので、身長が高い方でもゆったりお風呂に浸かれそうです。
バスアメニティはラグジュアリーホテル向けのアメニティブランド「TAYIV(タイヴ)」のもの。シャンプー&コンディショナー、ボティ―ソープだけでなく、ボティローションも揃っているのが嬉しいですよね。このほか、基本的なアメニティはひと通り用意されており、バスソルトもありました。
「ロイヤルパークホテル高松」の売りは「ラウンジ」
「ロイヤルパークホテル高松」の最大の特長のひとつが、「オールクラブフロア」であること。高級ホテルには宿泊客が利用できるラウンジがあることも多いですが、「ラウンジ利用ができる部屋タイプ(クラブフロア)に泊まらないとラウンジが使えない」というシステムが主流です。
しかし、「ロイヤルパークホテル高松」の場合、泊まっている部屋タイプに関係なくラウンジが使えるんです。これは嬉しいサービスですよね。ただし、宿泊プランによってはラウンジアクセス権がないものもあるので要注意!ラウンジを利用したい場合は「ラウンジアクセス付き」と明記してあるプランを選んでください。
ライブラリーラウンジ「シルク」利用時間
4階にあるライブラリーラウンジ「シルク」は、その名の通り壁面に本が配置された大人な空間。利用時間は以下のようになっています。
※「カクテルタイム」は小学生未満利用不可、「バータイム」は未成年利用不可なので、年齢制限にはご注意ください。
・カクテルタイム:18~20:00
・バータイム:20:00~22:00
・朝食:7:00~9:30
チェックイン後、22:00までずっと利用可能で、チェックアウト当日は朝食時間のみ利用できるという感じですね。ラウンジアクセス付きのプランにした場合、朝食もこのラウンジでいただくことになります。
私たちはチェックイン後16:00頃のティータイムに軽く利用し、20:00前から21:00過ぎまで再度利用しました。時間帯はあまり意識していませんでしたが、2回目に利用したときはカクテルタイムの終盤~バータイムを過ごしたことになります。
ライブラリーラウンジシルク「ティータイム」
ティータイムの目玉は自家製プリンのようなのですが、私が利用した際に出ていたのは「さぬき味噌プリン」。プリン自体は甘さ控えめでとろけるような舌触りでとてもクオリティが高かったのですが、個人的には「味噌は余計だったかな」という印象。好きな人は好きだと思いますが、好みが分かれると思います。
個人的には抹茶のガトーショコラが一番おいしかったです。
ドリンクは紅茶や(リプトン)、コーヒーに加え、オレンジジュースやアップルジュース、マンゴージュースなど。珍しいところではアサイーのジュースもありました。
ライブラリーラウンジシルク「カクテルタイム&バータイム」
私たちが夜のラウンジを訪れたのは20:00前のカクテルタイム終盤。そのため、カクテルタイムのフードはあまり残っていませんでしたが、ナッツやクラッカーに加え、テリーヌやサーモン、ローストビーフなどがありました。ローストビーフを食べた夫は「おいしかった」とのこと。
20:00以降のバータイムになると、21:00からのお茶漬けタイムを除き、クラッカーやチーズ、ナッツなど乾きものしか出てこなくなるため、ラウンジである程度ボリュームのあるものを食べたい方は、カクテルタイムを狙ったほうが良さそうです。
ローストビーフのような人気のあるものは補充されてもあっという間になくなってしまい、減りの早さに驚きました…。
お酒はワイン(赤・白)、スパークリングワイン、日本酒、芋焼酎、ウイスキーなど。ティータイムのジュースも引き続きあるので、試しにスパークリングワインとオレンジジュースを混ぜてみたらおいしくいただけました(ドイツ人夫いわく、スパークリングジュースとフルーツジュースをブレンドするのは、ドイツでは普通だそう)。
こんな実験ができるのもセルフサービスのラウンジならではなので、興味がある人はぜひ試してみてください。
21:00から登場する名物の「お茶漬け」は見逃せない
ある種、ライブラリーラウンジシルクの“名物”のようになっているのが、21:00から提供される「お茶漬け」。当初私たちはお茶漬けを食べるつもりはなかったのですが、周りの人がみんな「おいしいおいしい」と食べているのを見てどうしても気になってしまい、食べてみることに。
すると、ご飯にお茶をかけただけのお茶漬けとは全然違うんです。ご飯にかけるのは、館内にある「日本料理 錦」自家製の和風だしを玄米茶とブレンドしたお茶だし。それに、鮭や塩昆布、しらす、梅干しなど好きな具材をトッピングします。
日本料理店の自家製だしを使ったというだけあって、これがめちゃくちゃおいしい!これまでの人生で一番おいしい「お茶漬け」でした。
ライブラリーラウンジシルク「朝食」
朝食はハーフビュッフェスタイル。和洋いずれかの選べるセットメニューに加え、ビュッフェ台に並ぶサラダ、パン、フルーツ、ヨーグルトなどライトな食べ物を好きなだけ自由にとって食べられるという形式です。変わったところでは、香川の郷土料理だという「しっぽくうどん」もありました。
私たちが選んだ洋食は、選べる卵料理+ソーセージやベーコンなどの付け合わせ+トースト+コーンスープという組み合わせ。シンプルですが、いずれもおいしかったです。
総合的にみるとラウンジには満足ですが、ひとつ残念だったのが古い宴会場から引っ張ってきたかのような、赤いテーブルクロスがかかったテーブルとイスがあったこと。ホテルの公式サイトに掲載されている写真には写っていないもので、それらがラウンジ全体のデザイン性と雰囲気を損ねている気がしてしまいました…。
総評:「ロイヤルパークホテル高松」に泊まった感想
最後にひとつ残念な点も挙げましたが、総括するなら「ロイヤルパークホテル高松」は高松市内中心部でワンランク上のホテルステイを楽しみたいときにおすすめのホテル。夫婦2人での宿泊だったので、ラウンジで普段よりゆっくり話す時間が取れたのも良かったです。
時間帯によってラウンジの利用に年齢制限があることもあってか、客層は30代以上の落ち着いた男女が多い印象でした。小さな子どものいるファミリーよりは、カップル・夫婦での利用が向いていそうです。
特に、アールデコのような海外を感じさせるクラシカルデザインが好きという方は、好みにハマるはず。ぜひ「ロイヤルパークホテル高松」特有のデザインの魅力を体感してみてください。