「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」宿泊記~ラウンジが光るおしゃれライフスタイルホテル

ここ数年で新しいホテルが次々に開業した京都。とりわけ最近では、デザインにこだわっていたり、共用スペースに力を入れていたりと、「ただ泊まるだけ」に終わらない個性あるホテルが増えている傾向にあります。

京都に新規開業したホテルのなかでも、手頃な値段で泊まれるライフスタイルホテルとして注目を浴びているのが、「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」。無料でドリンクが楽しめるスタイリッシュなラウンジや、コンパクトながら上質感ある客室など、リアルな魅力をレポートします。

スタイリッシュなライフスタイルホテル「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」

「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」は、2021年6月に二条駅前にオープンしたスタイリッシュなデザインホテル。京都エリアでは4軒目となるロイヤルパークホテルズのホテルで、「ザ ロイヤルパークキャンバス」ブランドとしては京都初となります

「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」はJR二条駅の目の前にあり、JR二条駅からは道路を渡っただけであっという間に到着します。地下鉄二条駅からも徒歩5分くらいでしょうか。マリオット系列の「モクシー京都二条」と同じ通りにあります。

ブランドフィロソフィーは、「FUN(楽しむ)」「LOCAL(地元に根差す)」「CONNECT(つながる)」。ミレニアル世代をターゲットとしたライフスタイルホテルの位置づけです。

ワンフロアで「過去」と「未来」、「伝統」と「革新」を表現

外観は余計な装飾がなく非常にシンプル。ですが、フロントまでのアプローチにひと工夫があります。正面の自動ドアをくぐるといきなりフロントエリアがあるのではなく、1度館内に入った後、道路と並行する通路を通ってフロントエリアに入るのです。

特筆すべきが、この通路が緩やかなスロープになっていて、表の道路よりも一段下がっていること。それによって、大通りに面したホテルでありながら、ちょっとした隠れ家チックな雰囲気を醸し出しているのです

通路を抜けてフロントエリアに足を踏み入れると、フロアの奥まで続くバイカラーの空間がお目見え。町家が並ぶ古い路地を思わせる黒と、明るくナチュラルな雰囲気の木目が鮮烈なコントラストを演出しています

木と無機物、白と黒、明と暗の対比を取り入れることで、「過去」と「未来」、「伝統」と「革新」を表現しているのだとか。一瞬、「合成写真!?」と思ってしまうような大胆なデザインがとても面白いですよね。

PC作業もバッチリの広々としたラウンジ

「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」の最大の特徴といえば、1階のフロントエリアの奥にある「CANVASラウンジ」。75席の広々とした空間で、Wi-Fiはもちろん、ほとんどすべての席にコンセントがあるのでPC作業もバッチリです

しかも、コーヒーや紅茶のフリードリンクサービスもあり、無料のドリンクを片手にじっくりと作業ができます

ドリンクのラインナップはコーヒー、カフェラテ、モカ、抹茶ラテ、紅茶、緑茶など。コーヒーは、京都では有名な小川珈琲の国際フェアトレード認証コーヒーなんだとか。これはコーヒー好きには嬉しいですね。

無料のドリンクとは別に、有料のアルコールやジュースもあります。

ラウンジの中央部には、バイカラーの卓球台も。日中は普通のテーブルとして使われていますが、夜になると卓球台に変身するんです。

スタッフの方に尋ねたところ、卓球ができるのは18:00~深夜までとのこと。私は1人旅だったので利用しませんでしたが、複数人での宿泊なら卓球もやってみたいところです。

シックな雰囲気の客室

「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」の客室は、遊び心が感じられるデザインながらも全体的にシックな雰囲気

「ザ ロイヤルパークキャンバス」ブランドは立地によってデザインの印象が大きく異なります。例えば、大阪にある「ザ ロイヤルパーク キャンバス 大阪北浜」はもっとカラフルでポップな印象なのですが、京都という土地柄を考慮してなのでしょう。「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」の空間デザインは、派手な装飾を抑えたつくりになっています。

「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」で最もお手頃な客室タイプの「コンフォートダブル」や「スタンダードツイン」はバスタブがなく、レインシャワーのみのお部屋。自分の部屋で湯船に浸かりたい方は、「モデレート」「スーペリア」「デラックス」のいずれかを選ぶといいでしょう

ちなみに、「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」には大浴場もあるので、お部屋にバスタブがなくても大浴場に行けば湯船に浸かることができます。

「モデレートダブル」の客室をレビュー

今回宿泊したのは、22.1~22.8㎡の「モデレートダブル」のお部屋。「コンフォートダブル」より少し広めのバスタブ付きの客室です。

入室したときの印象は、特段広くもなく狭くもなくといったところ。比較的落ち着いた空間ですが、壁面の「京うちわ」アートや天井の丸いランプなど、ところどころにデザインホテルらしいこだわりが感じられ、味気ないビジネスホテルに泊まるより、はるかに楽しい気分になれます。施設自体が新しいので、すべてがキレイでめちゃくちゃ快適!

私が泊まったお部屋の「京うちわ」のイラストは牛さんでした。部屋タイプによって差し色が異なり、「モデレートダブル」は青がアクセントになっています。これすっごく可愛いですよね。

居室部分で特に良かったのが、全室シモンズを採用しているというベッド。広さも申し分なく、マットレスの感触も適度な硬さがあり、もっちりとしていてとても気持ちがよかったです。ベッドのヘッドボードにクッションが付いているので、ベッドに座っての読書なども快適です

反対に、居室部分で良くなかったところを挙げるとすると、壁面に変なでっぱりのある箇所があり、そのせいで若干圧迫感があったことでしょうか。そのせいで、ソファに座るとテレビ画面が見切れてしまいます。

ただ、これは私が泊まった部屋固有の問題である可能性が高いため、気になる人は事前に問い合わせてみてください。

お部屋でもPC作業はできる?

「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」は、基本的に「PC作業などは1階のラウンジでどうぞ」というスタンスなので、客室内はあまり作業を想定したつくりになっていません

とはいえ、あまり人に聞かれたくない内容のオンラインミーティングをする人もいるかもしれませんし、そうでなくても自分だけの空間でゆっくりと作業をしたい気分のときもありますよね。

客室の窓際にあるテーブルはかなり低いため、これで作業をしようと思うと床に直接座るしかありません。ただし、ベッドサイドにあった丸テーブルはそこそこ高さがあったので、これをソファ前に動かすことによって、部屋の中でもPC作業ができました

ウェットエリアが思いのほか上質感あり

「ザ ロイヤルパークキャンバス」ブランドは、「10代後半~30代前半ぐらいをターゲットにした若年層向けのカジュアルホテル」というイメージが強かったので、バスルームは一般的なビジネスホテルのような感じだろうと想像していました。

しかし、洗面所の台は人工大理石と木材、バスルームの壁面も人工大理石のワンランク上のもの。バスルームの扉もプラスチックではなくガラスですし、ウェットエリアの扉も木の重厚なものでした。

正直、客室の内装がおしゃれでもバスルームがしょぼいと途端に生活臭が出てしまいますが、「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」のウェットエリアは思った以上に上質感のあるつくりで、いい意味で期待を裏切ってくれました

客室アメニティは最小限

「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」の客室に備わっているアメニティは歯ブラシとシャンプー・コンディショナー・ボティソープのみ。シャワーキャップやヘアブラシ、ティーバッグといったこまごましたものは、フロント前のアメニティバー「CANVAS PICK UP」から必要なものをピックアップするスタイルになっています。

チェックイン時はお部屋に行く前に「CANVAS PICK UP」をチェックしましょう。今後、こういったムダを省いたホテルはますます増えていくんだろうなと思います。

ビュッフェスタイルの朝食

宿泊前に「朝食はプレート」との情報を得ていたのですが、いざ泊まってみると朝食はビュッフェスタイルでの提供となっていました。素泊まりプランで予約して、当日朝食を追加する場合、朝食の料金は1,500円です。

ビュッフェのラインナップは、パン、サラダ、卵料理、ベーコン、チーズ、スープ、フルーツなど。変わったところでは、しば漬けと厚焼き玉子のサンドイッチやスパイスチキンカレー、フォー(ベトナムのスープ麺)などもありました。

率直な感想としては、「可もなく不可もなく」といったところ。感動するほどおいしいものもありませんが、1,500円という値段なので「文句は言えないな」という感じです。値段が手頃なので、朝からたくさん食べる方ならそこそこ満足できるのではないでしょうか。

個人的に残念だったのは、フォーのスープがおいしくなかったこと。ダシの奥行きが感じられず、やけに酸味が強いだけのスープでした。フォーのように朝食としてはちょっと珍しいメニューがあると自然と期待が高まってしまうので、その期待を裏切られるとがっかりしてしまいます。

※あくまでも個人の感想です。

今回は、この宿泊記を書くために朝食付きプランにしましたが、それがなければ「朝食付けなくてもいいかな」というのが正直なところ。ホテルの目と鼻の先に「コメダ珈琲」もあるので、もし再度「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」に泊まることがあれば、今度は素泊まりにしようと思います。

サービスはカジュアルながら空間は上質

実際に泊まってみてわかったのは、「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」は簡素化できるサービスは簡素化しながらも、上質な空間づくりを大切にしているホテルだということ

私は同じロイヤルパークホテルズの「ザ ロイヤルパークホテル」や「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック」にも泊まったことがあります。「ザ ロイヤルパークホテル アイコニック」は、ワンランク上の位置づけですが、「ザ ロイヤルパークホテル」と「ザ ロイヤルパークキャンバス」に関しては、ランクの上下の区別はないように感じました。

「ザ ロイヤルパークキャンバス」はサービスこそカジュアルダウンしているものの、ラウンジに力を入れている分、空間そのものはむしろ「ザ ロイヤルパークホテル」より贅沢といえるかもしれません

おわりに

朝食に関してはやや残念な点もありましたが、総合的に今回の「ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条」での宿泊は大満足。「やっぱりデザインにこだわりやストーリーがあったり、共用スペースが充実していたりするライフスタイルホテルって楽しいな」と再確認した旅でした。

ザ ロイヤルパークキャンバス京都二条
所在地:京都府京都市中京区西ノ京職司町22−7
https://www.the-royalpark.jp/canvas/kyotonijo/