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ヨーロッパに亀裂!?ドイツの難民政策の危うさ

time 2016/01/31

ヨーロッパに亀裂!?ドイツの難民政策の危うさ

私がドイツにやってきたのは2015年11月半ば。

それ以前からヨーロッパに押し寄せる難民は大きなニュースとなっていました。
それが大晦日のケルンの事件で「難民ショック」と呼ばれる事態にまで発展しています。

ドイツに来たばかりで、ドイツの政治体制や難民を取り巻く状況に詳しくもない私がこのトピックについて書くのはいかがなものかという思いもありましたが、色々思うところがあるので、私なりの考えや思いを書きたいと思います。
皆さまには「こんな意見もある」くらいの感覚で受け止めていただければと思います。

ドイツの現状

まずはじめに、事実を簡単に整理しておきたいと思います。

シリア難民の増加にともなって、ドイツのメルケル首相は「EUは難民を歓迎する」「政治難民はすべて受け入れる」などと発言し、難民の受け入れに寛大な姿勢を示してきました。
その結果、2015年には100万人を超える難民がドイツに流入しています。

難民申請

メルケル政権は、「道義的責任」の名のもとに国民に難民受け入れへの理解と協力を呼びかけてきました。
仮に政府の難民政策に疑問や不満があったとしても、「難民受け入れ反対」を表明すると「非人道的」というレッテルを貼られるような空気がありました。
ナチスという恥ずべき過去をもつドイツでは、「レイシスト」と呼ばれるのを恐れる傾向が強いからです。

しかし、大晦日にケルンで起こった事件を機に、難民への反感が一気に噴出し、難民反対デモが起こるようになりました。
メルケル政権も、難民の国外追放の基準を厳しくする方針を示すなど、方向転換を迫られています。

 

ケルンで何が起こったのか

ここで、ケルンで何が起こったのか。ご存知の方も多いかもしれませんが念のため記しておきます。
大晦日、年越しを祝うためにケルンの中央駅付近にたくさんの人が集まっていた中、事件は起こりました。

100人以上ものドイツ人女性が1000人以上の男に囲まれ、体を触られたり、強盗されたり、なかには強姦されたりといった衝撃的な事件が発生したのです。
現場には警備のための警察官もいたようですが、男たちの人数があまりにも多く沈静できなかったとのこと。

まさに無法地帯と呼べるような状況が想像てきます。
先進国、しかも「ヨーロッパでは比較的安全」といわれていたドイツでこのような事件が発生するとは、衝撃以外の何物でもありません。

ケルン駅

1月10日時点で、この事件の被害届は516件。
容疑者のほぼ全員が、アラブや北アフリカを中心とする外国出身者だとの発表がなされています。

なお、同じ日にハンブルクやシュツットガルトでも規模は小さいものの、類似の事件が起きており、スイスなどヨーロッパの他の国でも難民による犯罪が発生しています。

難民政策に対して私が思うこと

難民受け入れ全般に関する私の考えは

「特定の国に生まれたのが理由で身を危険にさらされる人がいるならば、安全で豊かな国には彼らを助ける責任がある。
そして、積極的に難民を受け入れる国は称賛されるべき。どこかが受け入れなければならないのだから。」
というものです。

決してアンチ難民やアンチイスラムではありません。

単に人道的見地から見ると、難民の積極的受け入れは称賛に値しますが、あくまでこれは理想論です。
しかし、現在のメルケル政権の難民政策は常軌を逸しているように感じます。
私がそう感じるのは次の理由からです。

 

1.無秩序な難民受け入れによる治安の悪化は予想できたはず

私が住んでいる近所でも難民らしき人を毎日何人も見かけます。
なぜ難民とわかるかというと、借り物のような服を着ていて(実際貰い物なので当然なのですが)、平日の昼間から仲間同士でつるみ、自分たちの言語で大声で話していたりするからです。
ドイツに来てすぐはわかりませんでしたが、だんだんその「周囲から浮いている感じ」を見分けられるようになりました。

通常、「難民」と聞くと、「庇護される対象」であって「危険な人達」というイメージはないと思います。
私もそうでした。

しかし、彼らの中にはまともな教育を受けていない人たちも少なくありません。
貧困や戦災などで教育が受けられない。それ自体は不幸なことであり、必ずしも彼らに非があるわけではありません。

しかし、教育を受けていないだけでなく、内戦状態にある国では治安維持機能すら麻痺していることも珍しくありません。
つまり犯罪を犯しても警察に逮捕されることがない状況。
もちろん、難民の中には高度な教育を受けていて英語が話せる人もいるようですが、現実にはそういう人はあまり多いようには見受けられません。

先進国、法治国家の論理や倫理が通用しない人たちを大量に受け入れていたら、そのうちの一定数が犯罪者と化しても何ら不思議はありません。
もっと数が少なければ一人ひとりのサポートももっとしっかりできるかもしれませんが、こう数が多いと目が届かないので非常に危険な状態だと思います。

現に、先進国・法治国家であるドイツでそういう事件を起こしたらどうなるかという想像力、あるいは想像するための知識を持ち合わせていない人々がこれだけいたということです。
法治国家の論理をわかっている人なら「ドイツで犯罪を起こしたら国外追放や強制送還されるかもしれない」と考えて慎重な行動をとるはずです。

 

2.そもそも、彼らは本当に難民なのか

難民は「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受ける恐れがあるために他国に逃れた」人々と定義されています。

しかし、ドイツで見かける難民らしき人々を見ていて不自然に感じるのは、20代30代くらいの若い男性が圧倒的に多いこと。
家族連れや女性を見ないわけではありませんが、とても少ないです。
国が内戦に陥ったら真っ先に危険にさらされるのは弱い立場にある女性や子どものはず。

もちろん、本当に命の危険にさらされいる人々がいるのはわかっていますし、中にはヨーロッパに渡る途中で命を落とす人がいるのも知っています。

でも、そうではない人も相当数紛れこんでいるのではと疑問を感じてしまいます。

 

3.難民受け入れの理由として、メルケル政権は「道義的責任」と労働力不足を挙げているが、難民がドイツ社会や経済に貢献するようになるのか

メルケル首相は、ドイツが難民を積極的に受け入れる理由として「道義的責任」と労働力不足を挙げています。
経済が好調で、かつ日本に次いで少子高齢化が進んでいるドイツでは労働力不足の懸念があり、すでに大工など人手不足の職業もあります。

とはいえ、果たして本当に難民が労働力不足を埋めることができるのでしょうか。
彼らが働けるようになるにはドイツの社会の常識を学び、言語教育を受け、職業訓練を受ける必要があるでしょう。

そのコストを一体誰が負担するのでしょうか。
難民を労働力不足の解消に充てるには、相当な時間やお金、彼らを教育する人材といったコストがかかります。。
医療費なども含めると、難民一人あたり一ヵ月1000ユーロほどのコストがかかるそうです。

「道義責任」を持ち出すとドイツ国民が反対しずらくなる状況をいいことに、難民を受け入れた後どうするかについての議論や社会的コンセンサスの形成ができていなかったことに非常に危うさを感じます。
治安悪化の可能性にせよ、金銭的負担にせよ、国民が負担するコストに対する十分な説明がなされていたのでしょうか。

 

4.国家の第一義的な役割はその国民を守ることではないか

人道的見地からいうと、難民の積極的な受け入れは尊敬に値することです。
今のところ、日本にはそんな真似はできません。

ただ、国家の役割を考えたとき、難民を受け入れることが、ドイツ国民が危険にさらされたり、過大な経済的負担を強いられたりすることにつながるとしたら、国家の運営としては失策といえるのではないでしょうか。

国家のアイデンティティの問題もあります。
ここでは外国人である私でさえ、「ただでさえ移民が多いのにこんなに大量に難民を受け入れてドイツの国家としてのアイデンティティはどうなるんだろう」と思ってしまうくらいです。

ケルンでの事件を機に、いまドイツでは難民への反発や嫌悪感が高まっています。
それまで、「レイシスト」と呼ばれることを恐れて「難民受け入れ反対」を声高に言えなかった人たちも、今回の事件で「難民反対」を表明するきっかけ、いわば免罪符を手にいれたようなものです。

 

今後ドイツとヨーロッパはどこに向かうのか

「難民反対」に反対するグループや運動もあり、ドイツ社会全体が難民や移民の排斥に傾くことはないと思いますが、「移民大国ドイツ」の世論は真っ二つに割れています。

日本人にはなかなか理解しづらいところですが、戦後「人道主義」を掲げてきたドイツでは、人道的な行いをすることを絶対善として信じて、自己陶酔気味な理想を掲げる人達が思いのほかたくさんいます。
それがいくら極端で非現実的なことであったとしても、今だに「難民は無条件に受け入れるべきだ」と考える人もいるのです。

そして、ギリシャ危機への対応や難民政策が原因で、EU各国のドイツに対する感情も悪化しています。
そもそもドイツが「難民の歓迎」を表明したことで大量の難民がヨーロッパに押し寄せることになり、苦境に陥っている国が少なくありません。
ギリシャやイタリア、ハンガリーなど、そもそも自国の財政が厳しい国は難民のケアどころではありません。

ドイツ以外のヨーロッパ諸国はもはやおしなべて難民受け入れに消極的といっていいでしょう。
ヨーロッパに広がる不安と不信。

現在シェンゲン諸国のあいだでは国境検査なしに行き来ができていますが、国境復活の日も現実味を帯びてきています。
ケルンの事件を機にドイツ国内でも難民政策に関する現実的な議論が活発になってきていることを契機として、少しでもこの混乱の出口が見えることを願います。

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はるぼぼ

はるぼぼ

旅するライター&ブロガー。 会社員時代にドイツ人のダーリンと恋に落ち、ドイツ移住を決意。退職、5ヵ月のアジア横断旅行を経て、2015年11月ドイツ生活をスタート。ドイツを拠点に各国を飛び回り執筆中。 お問い合わせはharubobonikki@gmail.comまで! [詳細]

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