私はこれまで世界35か国を旅してドイツに移住しました。ドイツで暮らし始めてつくづく感じるのは、いかに毎日の「食」が心身に影響するかということ。
グルメな日本で生まれ育った日本人には、特に精神的な影響が大きいと思います。
(関連:「日本とドイツの食文化は悲劇的に違う」)
そこで、私が今まで行った国のうち、30ヵ国を食べ物がイケる国と無理な国、まぁまぁの国に分類してみました!
これはあくまで私個人の感想なので、皆さんが同じように感じるかはわかりませんし、「無理」というのはあくまでも私には合わないという意味であって、決して「マズイ」と言う意味ではないことをおことわりしておきます。
とはいえ、平均的な日本人の食生活を送っている方にはある程度参考になるかも!?
食べ物がイケる国
台湾
さすがに「グルメ」と言われているだけあってハズさないし、日本人の味覚にも合います。
香港
香港といえば飲茶!小籠包おいしかったです。
ベトナム
ハノイはそれほどではありませんが、ホーチミンはとにかく何を食べてもおいしかったです。
食べ物のためだけでも行く価値があるくらい!
タイ
「味にうるさい」と言われるだけあって、屋台メシでもクオリティ高し。高級レストランはもちろん、屋台や庶民的な食堂でもおいしいのがタイのいいところですね。
カンボジア
タイとベトナムのミックスに近い食文化ですが、フランスの植民地だったこともあってか、バラエティ豊富。シェムリアップ(アンコールワットのある街)にしか行ったことありませんが、いい意味で期待を裏切るレベルの食でした。
マレーシア
他民族国家なのでバラエティ豊か。ショッピングセンターのフードコートで何気なく食べた麺が絶品だったりします。
シンガポール
マレーシアと似た感じです。マレー系、インド系、中華系などさまざまな民族が住む他民族国家なので、選択肢には困りません。
ネパール
インドに近いカレー文化ですが、日本食レストランのレベル高し。日本以外で、最も安くておいしい日本食を食べられる国はネパールだと思います。
トルコ
「世界三大料理」とも言われるトルコ料理。トルコ人は食いしん坊なだけあっておいしいです。
「エキメッキ」とも呼ばれるトルコのバゲットは「世界一おいしい」とも言われてるんですよ。トルコのレストランに入ると、無料でパンがたくさん出てくるので、トルコを旅するとついついパンを食べすぎてしまいます。
ハンガリー
ハンガリーといえばパプリカと牛肉を使った煮込み料理「グヤージュ」。優しい味わいでおいしかったです。
イタリア
「平均すると日本のイタリアンのほうがおいしいのでは?」と思ったりもしましたが、ヨーロッパの中では日本人の期待に応えてくれる国。
トマトのパスタ「ポモドーロ」など、素材をいかしたシンプルな料理が絶品でした。
「食べ物がイケる国」は、やっぱりアジアの国々が中心になってしまいました。アジアのほうが使う食材も、料理の仕方も日本人の好みや体質に合っているからだと思います。
ヨーロッパの食事は一時的にはおいしくても、長期間となると厳しいものがあります。「食べ物がイケる国」に分類したハンガリーやイタリアの料理ですら、毎日のように食べるのはちょっと無理かなぁと思ってしまいます…
食べ物がまぁまぁの国
韓国
韓国料理好きの日本人も多いですが、私はキムチの味が苦手なのであまり好きになれない料理が多いです。韓国料理はキムチの味が好きかどうかでかなり評価が分かれますね。
マカオ
味は悪くはないのですが、値段のわりに「?」と思うことがありました。
フィリピン
食文化自体は豊かだと思いますが、私の苦手な香草系が多かったので、好き嫌いは分かれそうです。
インドネシア
バリのご飯はとてもおいしいのですが、ジャワ島はバリエーションも限られていて味も微妙…地域差があるかもしれません。
ラオス
マイルドな料理が多かったような気がしますが、あまり印象に残っていません。
インド
店によって差が激しいです。とてもおいしいお店もある一方、油っこすぎるカレーが出てくることも結構あり、それがつらかったです。
スリランカ
悪くはなかったのですが、とにかくカレー(汁がほぼない)ばかりなのと、辛いものが多くて胃が驚いてしまいました。
ベルギー
「美食の国」と言われているベルギー。おいしかったと記憶していますが、ちょっと重かったような気もします。
料理よりも、「ピエールマルコリーニ」のチョコレートなど、スイーツのほうが印象に残っています。
モロッコ
モロッコといえばタジンやクスクスが有名ですが、それほどバリエーションがあるわけではないので、すぐに飽きてしまいました。
食べ物が無理な国
ミャンマー
ミャンマー料理というとカレー。しかしミャンマーのカレーは日本やインドのカレーとも違ってかなり独特で、油の中にカレーと具が浮いているかのよう…
ミャンマー料理が食べられず、ミャンマーでは中華料理ばかり食べていました。
ウズベキスタン、カザフスタン、キルギスタン
乱暴にいってしまえば、3ヵ国ともだいたい似たような食文化です。
砂漠地帯なので野菜料理が少なく、超肉食系。しかも羊肉中心なので、肉をあまり食べないうえ、羊肉を受け付けない私にはかなりつらかったです。野菜は乏しく、スーパーでありえないほどしなしなの野菜が平気で売られていてびっくりしました。
アメリカ
言うまでもなく、ジャンキーで大味です。
エジプト
肉と豆ばかりで味気なかった記憶があります。
ドイツ
肉、ジャガイモ、生クリーム、バター…大量に摂ると日本人の体にはキツイ食材が多いし、しょっぱい味付けが多いです。
オランダ、チェコ、オーストリア
これらの国もドイツに似て、あまり多様な食文化が発達しているようには感じられませんでした。
「食べ物が無理な国」に分類した国の料理に共通しているのは、新鮮な野菜の料理が少ないことでしょうか。
ウズベキスタンなどの中央アジアでは、野菜というとトマトときゅうりのサラダだし、ドイツではじゃがいもやマッシュルームなど、わりと決まったパターンがあります。
それと油っこい、あるいは、チーズやバターを多用するなど、日本人にとっては「重い」料理が多いということもいえそうです。
とはいえ、これらの国においしいものがないかというとそんなことはないし、私が「合わない」と言っているドイツの料理を「おいしい」と言う日本人もいます。むしろドイツは肉好き、酒好きには嬉しい国かもしれません。
実際のところどうなのかは、みなさんご自身の舌で確かめてみては?