ドイツでは結婚指輪を右手薬指にはめます。それはなぜ?

日本では「結婚指輪は左手にはめるもの」というのが常識ですが、ドイツではどうなのでしょう?

実は、ドイツでは結婚指輪は右手薬指にはめることが多いんです。

ドイツ人が右手に結婚指輪をはめる理由と、ドイツで主流の結婚指輪のデザインなど、ドイツの「結婚指輪事情」についてご紹介します。

ドイツでは結婚指輪は右手薬指に

日本に一時帰国した際に婚姻届を出した日独夫婦の私たち。

一足遅れてドイツに戻った私を空港まで迎えに来てくれたドイツ人ダーリンの手元を見ると、右手の薬指に結婚指輪が!ずっと左手の薬指にはめていたのを、ドイツに帰ってきてから着け替えたみたいです。

先月、やっとこさ日本で婚姻届を出したときに「これでやっと右手に指輪ができる」とダーリンが言っていたのを思い出しました。

そう、ドイツでは結婚指輪を右手にはめます。日本では「結婚指輪は左手薬指」が常識ですが、そうではない国もあるんですね。左手に結婚指輪をはめる国は、ドイツのほかに、オーストリア、ロシア、ポーランド、ブルガリアといった国々があるそうです。東ヨーロッパの国が多いんですね。

ダーリンと反対の手に結婚指輪をするというのも違和感がありますし、ここはドイツなので、私も右手に着け替えました。すっかり左手になじんでいた指輪は、右手にはまだなじんでくれません・・・(笑)

ちなみに、「日本に行ったら、また左手に着け替える」そう。ダーリンって、フレキシブルというか、合理的。

婚約指輪は左手、結婚指輪は右手

ドイツには、婚約指輪を左手薬指に、結婚指輪を右手薬指にはめる伝統があります

結婚手続きに一年もかかるとは思わなかったため、私たちは2015年の6月に日本で結婚指輪を購入しました。日本で買った理由は、日本のほうがサイズやデザインの面から、自分に合うものが見つかるだろうと思ったからです。

その後ドイツにたどり着くまでに5ヵ月ほどアジアを旅していたこともあって、紛失するのが怖かったので、購入直後から結婚指輪をはめていました。実に21ヵ月ものあいだ、結婚していない状態で結婚指輪を着けていたことになります。

その間指輪をはめていたのは左手。私は「結婚指輪だから左手」と思っていたのですが、ダーリンからすれば「まだ結婚していないから左手」という認識だったのですね。

ドイツで結婚指輪を右手にはめるのはなぜ?

日本人の「常識」とは違う、右手薬指に結婚指輪をはめるドイツ。なぜ右手なんでしょう?

そもそも、日本を含む多くの国で結婚指輪を左手に着けるのは、左手が心とつながっているとされているため。2人の絆と愛の象徴として、左手に指輪をはめるんですね。

一方で、聖書によると、右手は「正義」や「権力」などを意味するのだとか。そこから、右手に結婚指輪をはめることは「幸運の象徴」と考えられるようになり、その習慣がドイツや東ヨーロッパ諸国に残っているようです。

ただし、これはあくまでも習慣であってルールではないので、「利き手に指輪をするのが煩わしい」などの理由で、ドイツ人でも左手に指輪を着けている人もいないわけではありません。

日本で結婚指輪を左手薬指にはめる理由は?

ドイツや東ヨーロッパ諸国で結婚指輪を右手にはめる理由がわかったところで、日本では結婚指輪を左手薬指にはめる理由が気になりませんか?

その由来は古代ギリシアにさかのぼります。古代ギリシアでは、「心臓は人間の感情を司る器官であり、心臓につながる血管が左手の薬指にある」と信じられていたといいます。そこから「相手のハートをつかみ、愛をいっそう強くする」という意味を込めて、左手薬指に結婚指輪をはめる習慣が生まれたと言われています

日本と同様、左手の薬指に結婚指輪をはめる習慣のある国は、アメリカ、イギリス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、フランス、イタリアなどがあります。

ドイツの結婚指輪の素材・デザイン

ここでドイツの話に戻って、ドイツで主流の結婚指輪の素材とデザインの話もしておきましょう。日本では、結婚指輪の定番はプラチナ。近年では若い夫婦を中心に、ゴールドの指輪を選ぶカップルが増えてきていますが、やはりプラチナのほうがまだまだ一般的です。ちなみに、私たちの結婚指輪もプラチナ。

ところが、ドイツではプラチナの結婚指輪は日本ほど一般的ではないそう。ゴールドだったり、場合によってはシルバーだったりと、素材はさまざまです。ドイツでは、日本のものよりも幅の広い結婚指輪が主流のため、プラチナになるとかなり高額になってしまうという事情もあるのかもしれません。

といっても、もちろんプラチナの結婚指輪がないわけではなく、ダーリンのご両親はもともとゴールドの指輪を着けていましたが、痛んでしまったため近年プラチナに買い替えたそうです。

2人の絆と愛を象徴する結婚指輪ですから、常識やトレンドにとらわれず、予算が許す範囲で、2人が好きな素材とデザインの指輪を自由に選ぶのが一番ですね。

おわりに

「ところ変われば・・・」の結婚指輪事情。「これから、ドイツと日本を行き来するたびに、毎回結婚指輪を着け替えることになるんだろうか」なんて、想像してしまいます。

はるぼぼ
ドイツの文化や恋愛事情に興味のある方に。