プレゼントは安くてOK、でもカードは必須なドイツ流のお祝い

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。

3月に日本で結婚し、ドイツに戻ってきてから、ダーリンのご両親の親友(ダーリンの親友の両親でもある)のご夫婦や、私たちが暮らすアパートの大家さん、ダーリンの実家のご近所さんなどから結婚祝いをいただきました。

正式な結婚パーティーはまだ先なので、今までもらったのはごく一部かもしれませんが、それでもそんな経験から気づいたことがありました。

ドイツ人からのお祝いには必ずメッセージカード

私たちとの関係性によって、家庭用品のお店で使えるプリペイドカード(金券)やお花、現金、メッセージカードのみなど、お祝いの中身はさまざま。ひとつ共通していえるのが、必ずメッセージカードが添えられていたことです。

日本人の場合、郵送や宅配で送る場合なら一筆添えるのが普通ですが、直接会ってお祝いの言葉とともに渡すなら、あえてメッセージカードを用意しないことはよくあります。

ところが、ドイツ人の場合は、会ってお祝いしてくれる場合であっても、やっぱりメッセージカードが入っているのです。ドイツにおいて、メッセージカードはとても重要な意味をもつものなのだと改めて実感しました。

真心を表す「ひと手間」を大切にするドイツ人

それは、ドイツ人が「あなたのことを想っています」という気持ちを、言葉にして、形にして表すことを大切にし、実践しているからなのだと思います。

直接会ってお祝いの言葉を伝える場合でも、「メッセージカードという方法でその気持ちを形にすることで、より気持ちが伝わるだろう」という感覚でしょうか。メッセージカードはもちろん手書きです。

結婚祝いに限りませんが、ドイツでは日本の年賀状のように儀礼的に大量の挨拶状を送ることは少ないかわりに、一つひとつ素敵なカードを選んで、心を込めて手書きのメッセージをしたためる人が多いです。

毎年クリスマスの時期には、ダーリンの実家に、ご両親の友人たちから凝った手書きのメッセージカードが届きます。そしてダーリンママはそんなカードをとても幸せそうに眺めています。

ドイツでは、日本ほど高価なプレゼントを贈り合う習慣はありません。プレゼントの値段はさほど問題ではなく、小さな花束やチョコレートなど、安価なものでも十分。手づくりのものをプレゼントする人も多く、「気持ちがこもっていること」が重視されます。

「気持ち」を都度言語化するドイツ

手書きのメッセージカードに象徴されるように、ドイツには「あなたのことを想っています」「気にかけています」という気持ちを常に言語化する文化があります

ダーリンがご両親と電話したとき、友達と会ったときにはいつも「ぼぼによろしく」という伝言を預かっています。友達はともかく、私たち2人はダーリンの実家の近くに住んでいるので、ご両親とは最低でも月に2回は会うにもかかわらずです。

「〇〇によろしく」なんて、日本ではいちいち言葉にしないことも多いですが、ドイツは「思っているなら言葉にして伝えるのが当然」という文化なのですね。

「あなたのことを想っています」と、いちいち言葉や形にして伝えるドイツの文化にも、「言わなくてもわかる」、日本の察する文化にもどちらにもいいところがあって、どちらが優れているというものではありません。

ただ、真心を表す手間を惜しまないドイツ人の気持ちの伝え方は、単純に「素敵だな」と思いますし、それを見ていると、「自分も見習わなければ」という気持ちになってくるのです。

おわりに

もちろん日本でも、直接手渡されたプレゼントにメッセージカードが添えられていることがあります。皆がそうするわけではないからこそ、そうした経験は印象に残りますし、その相手のことがもっと好きになります。

「言わなくてもわかる」という、日本の甘えの文化が悪いわけではありませんし、それが心地よかったりもするのですが、やはり大切なことは言葉にして、形にして伝えていきたいですね。