日本とドイツの食文化はかなり違います。
ドイツ人に料理を振る舞うことになった場合、「どんな日本食が喜ばれるのかなぁ」と、悩みませんか?そこで、今回はドイツ人に作って喜ばれる、ハズさない日本食7選をご紹介します。
なお、ここではもともと日本発祥ではないものの、日本流にアレンジして日本人が日常的に食べている料理も含みます。
カレーライス
とにかく誰にでも喜ばれるテッパンメニューが日本式カレー!私はドイツでだけでなく、中学生の時にホームステイしたカナダのホストファミリーにも振る舞ったことがありますが、そのときも大好評でした。
日本に行ったことがない限り、日本式カレーは食べたことがないというドイツ人がほとんどですが、それでも「カレー」という料理自体はインド料理やタイ料理などで、ある程度なじみがある人が多いので、あまり奇異に映らず受け入れられやすいです。
味つけがはっきりしていることや、さまざまな具材が入っていてボリュームがあることも人気の理由です。
お好み焼き
思いのほか受けがいいのがお好み焼きです。世界一周をしていた人から「ホステルでシェアして喜ばれた日本食はお好み焼き」という話も聞いたことがあり、ドイツ人のみならず世界各国の人々に受けがいいようです。
お好み焼きが好まれるのは、世界の多くの人々にとって身近な食材である小麦粉を使用しているからというのが理由のひとつなのかもしれません。加えて、はっきりした味のソースがかかっているのもポイント。日本式のソースは海外でも「Teriyaki」味として人気があり、なじみがある人が少なくありません。
お好み焼きは、作る側にとっても海外でも手に入りやすい材料で作れる嬉しいメニューです。唯一の難点がソースですが、以前ドイツでお好み焼きを作ったときは、お好み焼きソースがなかったので、照り焼きソースに醤油などを混ぜて代用しました。
肉じゃが
ドイツ人になじみのある材料が詰まった肉じゃがもハズしません。肉、じゃがいも、にんじん、たまねぎ・・・ドイツでもよく使われる材料ばかりです。肉じゃがは日本の煮物のなかでも比較的味がはっきりしているので、ドイツ人にもおいしさが伝わりやすいのでしょうね。
豚肉のしょうが焼き
これもわかりやすい味付けなので、ドイツ人に好まれやすいです。
日本人にとってはとてもシンプルな料理ですが、ドイツ人では薄切り肉自体が珍しいです。というのも、ドイツでは肉といえばブロック肉かひき肉が基本で、しょうが焼きに使われるような薄切り肉は普通には売っていません。肉屋もしくは係員のいるスーパーの肉コーナーで、薄く切ってくれるよう頼む必要があります。
親子丼
甘辛いダシのきいた親子丼もいいですね。ダーリンのご両親に作ったときは、おいしく食べてくれたのですが「名前がちょっと残酷」と言われました。
日本人の私にとってはあまりにも当たり前すぎて、深く考えたことはなかったのですが・・・そういう意味でもネタになる料理かもしれません。
鶏の唐揚げ
鶏の唐揚げもヨーロッパの日本料理店でよく出てくる人気メニューです。ただ、普通の唐揚げだとフライドチキンと見た目があまり変わらないので、ネギソースを添えてみたり、タルタルソースを使った鶏南蛮にして珍しさを出すともっと喜ばれると思います。
ちなみにドイツ人のダーリンは、日本で初めてタルタルソースを食べたとき、「おいしい!」と感動していました。
オムライス
「それって日本食か?」という疑問を持たれる方もいるかもしれませんが、オムレツとご飯を組み合わせたオムライスはヨーロッパではまず見かけません。私自身、海外でオムライスを見た経験は、日本式オムライスの店がある台湾くらいです。
しっかりした味のケチャップライスと、とろ~り卵。この組合せはドイツ人にも受けるでしょう。ダーリンはデミグラスソースやハヤシソースも好きです。ドイツにも似たようなブラウンソースはありますが、日本のデミグラスソースやハヤシソースのように濃厚かつ繊細で奥行きのある味のソースにはなかなか出会えません。
ドイツ人に好まれやすいのははっきりした味つけ
ここまで「はっきりした味」、「わかりやすい味」と繰り返してきたように、ドイツ人に受け入れられやすいのは、しっかりした味つけの料理です。語弊があるかもしれませんが、日本人の子どもが好きな料理を思い浮かべればだいたい間違いないように思います。
反対に、うどんやお吸い物など、薄い味つけでダシが勝負の料理は食べる人を選びます。ヨーロッパ人のなかには遺伝的に「うまみ」を感じない人がいるらしく、そういう人にとってはうどんやお吸い物は「味がない」ということになってしまうからです。
また、ドイツでも寿司は人気ですが、やはり「生魚が苦手」「酢飯が苦手」という人がいるので、万人に好まれるとはいえません。
今回ご紹介した料理は、味つけや食材の観点からいえば、あまり日本食に慣れていないドイツ人でも比較的なじみやすいものばかりですが、なかにはベジタリアンやヴィーガン(動物性の食材を食べない)の人もいるので、できれば事前に相手の食の志向や好みがリサーチできるといいですね。
日本に行ったことがあって、日本食が好きというドイツ人にはあえて薄味のダシが決め手の日本食を振る舞ってみるのもいいかもしれません。ちなみにダーリンは切り干し大根や高野豆腐の卵とじといった地味な料理も大好きだったりします。