こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。
3月に日本に一時帰国し、ドイツ人ダーリンと初来日の義父母とともに関西を2週間ほど旅しました。
その際のプランは、以前「ドイツ人夫の両親が初来日、喜ばれた2週間の日本旅行プランの内容とは」でご紹介しましたが、旅行プランを立てる際には、日本をさまざまな角度から楽しめることを重視しました。
この旅行で訪れた場所はどこも義父母に気に入ってもらえましたが、普通の観光とは違う、京都での田舎暮らし体験が特に印象に残ったようでした。
外国人にも人気、日本の田舎体験
外国人の訪日旅行プランといえば、ひと昔前までは、東京、京都・奈良、広島が定番中の定番でした。
今でも初めての日本旅行にはそれらの都市を選ぶ外国人が多いですが、単なる観光旅行とは違う日本の楽しみ方をしたいという外国人も増えています。
そんな中で人気が高まっているのが、田舎暮らし体験。
周囲にいわゆる「観光スポット」はほとんどない田舎に滞在し、ハイキングをしたり、農作業をしたり、あるいはなにもせずにリラックスしたり・・・
宿泊場所は古い民家を改装したゲストハウスなどが中心で、旅行者でありながら、一時そこに暮らしているかのような気分が味わえる滞在スタイルです。
京都・綾部の「里山ゲストハウス クチュール」にステイ
今回、ドイツ人義父母は日本自体が初めてだったので、京都市内や姫路などのベタな観光地にも案内しましたが、素朴な日本を見てもらおうと、田舎体験も取り入れました。
普段、一般的な日本人とはかなり違う旅行スタイルをとっているドイツ人義父母にとって、観光一辺倒の旅行ではつまらないし、疲れるだろうと思ったからです。
そこでお邪魔したのが、京都北部の綾部市にある「里山ゲストハウス クチュール」。大阪から移住した工忠(くちゅう)さんご夫婦が営んでいるゲストハウスで、ゲストの半分は外国人なんだそうです。
周囲を田んぼに囲まれた綾部市・上林地区の集落にたたずむ一軒家のゲストハウスで、まるまる一棟借り切ることも可能です。私たちは、4人で一軒家を借り切って、のんびりと滞在しました。
「外国人の義父母を連れていく」という機会がなければ泊まることはなかったであろう場所なので、日本人の私にとっても非常に新鮮な経験になりました。
ミツマタの群生地を訪ねる
クチュールでは、季節ごとにさまざまなアクティビティが用意されていて、私たちが滞在したときには、ちょうど近郊のミツマタが見ごろを迎えていました。
ミツマタなんて、私自身も直前まで知らなかった花。中国のヒマラヤ地方が原産なんだそうです。黄色い絨毯のようにミツマタが広がる光景は幻想的でした。
よもぎ摘みからよもぎ餅作り
義父母2人はハイキングに出かけていたのですが、ダーリンと私は地元のおばちゃに教わりながら、よもぎ餅作り体験にトライ。
よもぎを摘むところから始まり、餅は昔ながらの杵と臼でつきました。私もちょっとやってみましたが、杵で餅をつくのってなかなか難しい・・・日本に生まれ育っても、餅つきなんてする機会はめったにありませんよね。
工忠さんたちは、綾部市で100のアクティビティを作ろうと取り組んでいるところなんだそうです。
田舎暮らし体験初心者は、「田舎に来たのはいいけど何をしていいかわからない」ということになりがちなので、さまざまな体験プログラムが用意されているとありがたいですね。
より「リアルな日本」に触れる
ホテルに泊まってメジャーな観光地を周るだけでなく、日本全国にあるような田舎のゲストハウスに泊まることで、ドイツ人の義父母にとっても日本人の暮らしがより身近に感じられたのではないかと思います。
一歩踏み込んで、よりリアルな日本に触れるには、田舎暮らし体験はぴったりの方法。
義父にとっては、「大きな町(舞鶴のこと)のすぐ近くにこんな田舎があるのもびっくり」だったそうです。
日本人とは違うドイツ人の旅行スタイル
冒頭で、「日本人とドイツ人の旅行スタイルは違う」とお話しましたが、ドイツ人の旅行スタイルに興味がある方に向けて少し。当然のことながら個人差があるので、一般的な傾向としてご理解ください。
日本人が海外旅行をするとき、観光をメインに据えて、あわせてグルメやショッピングを楽しむという人が多いです。日本人の場合、限られた期間で色々な観光地を周りたいという気持ちが強いので、週単位の旅行であれば移動しながらいくつかの町に宿をとる人が多いでしょう。
ところが、ドイツ人の場合、アウトドアとリラックスを旅行の中心に据える人の割合が多くなります。
そのため、南フランスなど、自然が豊かで太陽が降り注ぐ場所を1ヵ所選び、2週間同じ場所に滞在しながら、ハイキングやマウンテンバイク、ビーチライフなどを楽しむという人が少なくありません。
ドイツ的休日は、日本人からするとある種ストイック。泊まる場所はゴージャスなホテルではなくコテージのような場所だったり、旅行中も自炊をしたりするので、ドイツ人の旅行はあまりお金がかからないのが特徴です。
ドイツ人でもせっせと観光したり高級ホテルに泊まったりするのが好きな人もいますが、私の義父母は典型的なアウトドア派のドイツ人。普段の旅行では、観光よりも自然との触れあいに重きを置いていますし、人気の観光地をめぐることにはあまり興味がないようです。
外国人を案内するとき、「あれもこれも見せたい」という気持ちになりがちですが、押し付けになりすぎないよう、相手の国の文化や、その人の好みも考えて、旅行プランを立てるようにしたいものです。
こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。前回の記事で、コートダジュールで過ごした「ドイツ的休暇」をご紹介しました。改めて「日本人とドイツ人の休暇スタイルって違うなぁ」と思ったので、今回は、日本人とドイツ人の休暇ス[…]
おわりに
今回、滅多に機会のない日本の田舎暮らし体験をしてみて、私自身「日本の田舎っていいな」と思いました。地元のレストランに行くと、私たちの姿が見えなくなるまで外に出て見送ってくれるなど、地域の人がとても温かく、そんな田舎がある日本を誇らしく思ったほどです。
私自身は、ある程度の都会でなければどうしても住むことはできないと思いますが、日本の田舎を見直す良い機会になりました。