日本と違うドイツの賃貸システム、引っ越すときは「掃除」が大変!

つい先日、日本への本帰国に向けて、ドイツで暮らしていたアパートを引き払いました。

住んでみて、大家さんが入居者を選ぶなど、日本とドイツの賃貸システムはかなり違うことがわかりました。

そして、今回の退去の際も、やはり日本との違いが浮き彫りになったのです。

ドイツでの退去は掃除が大変!

ドイツで賃貸物件の退去を伴う引っ越しをする場合、大変なのが「掃除」です

日本で賃貸アパートを退去する場合、問答無用で一律の清掃費用を取られますが、ドイツでは不動産業者を通さずに、貸主と借主が直接契約を結ぶ賃貸契約が多いため、一律で清掃費用を取られる仕組みはありません。(物件によってそういった契約になっていることもあるかもしれませんが)

そのかわりに、退去時には借主が責任をもって部屋を掃除するのが基本です。法改正がされる前は、壁の塗り替えなども借主の負担だったそう。そこまでせずに済んで本当によかったです。

とはいえ、冷蔵庫の中や、水回りの配管、窓や窓枠、部屋の配線カバーのふちなど、普段あまり掃除をしない細かい部分まで一度に掃除するのは思った以上に大変でした

新しい物件なら掃除も楽だとは思いますが、私たちが住んでいた部屋は古く、ただでさえ手入れがしにくい物件だったので、すべてをきれいにするのはなかなか骨の折れる作業・・・

万単位の清掃費用を払わなくて済むというのは嬉しいことですが、「引っ越し前のただでさえ忙しい時期に掃除にエネルギーと時間を取られるのは困る。お金を払って住むならそうしたい。」という人は少なくないと思います。

事実、私も退去する部屋の掃除にエネルギーと時間を費やすうち、そのような心境になりました。

どうせ掃除をしなければならないのなら、普段からもっときれいにしておけばよかったと反省

今回、ダーリンは卒業論文執筆中で掃除には一切ノータッチだったので、近くに住んでいる義母に少し手伝ってもらいながら掃除を完了させました。

日本式、ドイツ式、どっちがいい?

一律に清掃金を取られる日本と、借主が自分で清掃するのが原則のドイツ。今回は退去時の話をしましたが、入居時に自分たちで掃除をしたという体験談も聞いたことがあります。

対称的な両国のシステムを前にして考えたのは、日本式とドイツ式、どちらのシステムが良いかということです。

借主の使い方によって部屋の汚れ方には差が出ると思うので、「一律3万円」などと、決まった金額をみんなが強制的に払わされる日本のシステムには不公平な部分があると思います。本来なら、清掃費を取るのなら汚れ具合を見て、見積もりを出すのがフェアですよね。

一方、お金は払わなくて済むけれど、自分で責任をもって掃除をしなければならないドイツ式も大変です

自分で掃除をしたくないなら、掃除をしてくれる人を雇うという手もありますが、ドイツでは、地域や時期によってはそういったサービスが見つかるとは限らないのが困りものです。

事実、義母は今回かわりに掃除をしてくれる人を探そうとしたけれど、見つけられなかったそうです。日本であれば、よほどの僻地でもない限り、清掃や家事代行のサービスなんていくらでもありそうですが。

ということで、私が理想とするのは、ドイツのように一律で清掃費用を取られることはないけれど、自分で掃除をしたくない場合は日本のように手軽に代行サービスが利用できるという環境でしょうか

それなら、時間とエネルギーに余裕があれば自分で掃除をすればいいですし、余裕がなければ料金が手ごろな業者を選んで掃除を依頼できますからね。

結局、日本とドイツのハイブリッドが理想的という結論になりましたが、ドイツに住んでみて、不動産業者が儲かるシステムになっている日本の賃貸システムはちょっとおかしいんじゃないかと思うようになりました

日本で賃貸物件を借りる場合、敷金・礼金、仲介手数料など、家賃以外のコストが大きすぎますよね。

国際引っ越しは断捨離が大変!

今回の引っ越しに際しては、掃除以外にももうひとつ大変なことがありました。それは、荷物を最小限にしなければならないということ

今回の引っ越しは、ドイツから日本への国際引っ越し。

日本からドイツに引っ越したときは安上がりな船便で段ボールを送ったので、今回のドイツから日本への引っ越しも同じようにしようと考えていたのですが、ドイツからは船便という選択肢がないことが判明

船便もあることはあるのですが、コンテナ単位などの大量輸送向けで、ドイツの郵便局に段ボールを2、3個持っていって、「船便で」と言っても、それは無理なんだそうです。地域によってはできる場合もあるのかもしれませんが、少なくとも私たちが住んでいる場所では、荷物が少ない場合航空便以外の選択肢がありません。

ということは、段ボール1個を送るにも結構なコストがかかるということ

日本国内の引っ越しなら、整理しきれないものがあればまとめて段ボールに入れて「とりあえず新居に持っていて、後でなんとかしよう!」ができるのですが、ドイツから日本に送るとなると、そうもいきません

ということで、徹底的に断捨離をして、できるだけ荷物を少なくすることにも神経を遣うことに。

「できるだけ荷物を少なく」という前提でパッキングするのは、「段ボール1個、2個増えてもいいや」という気持ちでパッキングするのとは、まったくプレッシャーが違うもんですね

しかもドイツでは、専用の場所に捨てに行かなければならないものが少なくありません。古い服やバッグ、靴などは専用の寄付ボックスに持っていきますし、ガラスなども専用のボックスに捨てにいきます。

そうした専用のボックスは、家のすぐ近くにあるとは限らず、最寄りのボックスまで歩くと15分ぐらいかかることも。日本と違って、必ずしも家の前や家のすぐ近くでゴミを捨てられないというのも、面倒な点のひとつです

おわりに

ちなみに、ドイツにおける引っ越しは業者を使わずにできるだけ自分たちで済ませるのがポピュラー。理由は、引っ越し業者を使うととても高くつくから。

そのため、誰かが引っ越しをするとなると何人か友達が集まって、みんなでわいわいと引っ越しをする光景がよく見られます。

今回私たちがアパートからダーリンの実家に引っ越す際にもダーリンの友達数人が手伝ってくれました。ドイツは日本ほどさまざまなサービスが充実しているわけではないので、自分たちでできることは自分たちでするのが鉄則なのです

そして、日本へ送る荷物のパッキングは、まだ終わっておらず、整理しきれない雑多なモノたちをどうすべきか悩み中です・・・日本帰国までの残り数日、きれいに旅立てるようなんとか頑張ります。

はるぼぼ
ドイツのお部屋探しでは、大家さんが入居者を選ぶんです。