日本人には辛い?日本とドイツの食文化は悲劇的に違う

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。

「食文化」というと、「何をどんな風に食べるか」、あるいは「どこで食べるか(自炊が多いのか外食が多いのかなど)」のことだと思っていました。ドイツに来るまでは・・・

ドイツに住むようになって気づいたのは、「食に対するプライオリティの高さも食文化の大きな要素を占める」ということ。つまり、人々の食に対する意識や価値観も、その国の「食文化」の一部ではないかと思うのです。

世界トップクラスの美食大国・日本

日本は、日々の生活あるいは人生全般において食の位置づけが非常に高い国です。

日本人には多かれ少なかれ、「おいしいものを食べることは人生における喜びの一つであり、人生を豊かにする」という感覚があるように思います。

おいしいと評判のお店に行列を作ったり、食べログなどで評価の高い店を探して行ってみたり・・・外食に限らず、自宅でも世界各国のさまざまな料理を家で作って楽しむという人も少なくありませんし、家族で暮らしていれば毎日料理をする家庭がほとんどだと思います。

日本人の場合、特別な機会のみならず、普段の生活でも「できるだけおいしいものを食べたい」という飽くなき欲求があります。

日本人として日本で暮らしていると、それが当たり前なのであまり自覚しないものですが、日本人は世界的に見ても相当なグルメといえるでしょう。(関連:「世界で最もごはん(食事)が美味しい国は日本だと思う3つの理由」)

食の位置づけが低いドイツ

ひるがえってドイツは、相対的にみれば生活や人生において食の位置づけが低い国です。

もちろん個人差もあり、決してドイツにグルメな人が存在しないわけではありませんが、一般的にみればドイツ人には日本人ほど食への強いこだわりや情熱は感じられません。

特別な機会を除き、ドイツ人にとっての普段の食事は、「必要だから摂る」に近いような気がします。極端にいうと、とシャワ-を浴びるのとそう変わらないような・・・

そのため、よほど料理好きな人を除き、ドイツでは普段の食事は「手間がかからない」ことが前提になります。多くのドイツ人にとっては、平日にわざわざ手間をかけて料理をしておいしいものを食べるよりは、夜のリラックスタイムを確保したり、住空間を美しく保つことのほうが大切なのです。

食に手間をかけないかわりに、ドイツにはインテリア雑誌から飛び出してきたような、美しくおしゃれな家がたくさんあります。(関連:「ドイツ人は世界一キレイ好き?住まい(家)に絶大なエネルギーを注ぐドイツ人」)

ドイツでは「温かい食事は一日一回」が伝統

日本人からすると驚くべきことではありますが、ドイツではそもそも「温かい食事は一日一回」というのが伝統です。

昼食に調理された肉料理などの温かい食事を摂り、朝食はパンやフレーク、夕食はパンにハムとソーセージを挟んだサンドイッチなどで済ませるといった具合です。

もちろん、ドイツにおけるライフスタイルも多様化しつつあり、ドイツ人みんながそうしているというわけではありませんが、「夕食は冷たい食事で済ませる」のは古くからのドイツの習慣で、ドイツ語で夕食のことを「Abendbrot」(直訳すれば「夜のパン」の意味)と呼ぶこともあるくらいです。

ドイツの家庭料理は豪快

「温かい食事は一日一回」の伝統もあって、仕事をしている人であれば昼間出先で温かい食事を摂るので、平日はほとんど料理をしないという人もいます。

あるいは、普段の料理には手間をかけたくない人が多いので、温かい料理を作ったとしても一品だけ(+ジャガイモやザワークラウトなどの付け合わせ)ということが少なくありません

しかも、料理に使った鍋ごと食卓にどかっと置いて、みんなそれぞれ自分のプレート(大きなお皿一枚だけ)にとって食べるといった豪快かつ合理的なスタイルです。

日本みたいに、メインと副菜(場合によっては複数)と汁物が並び、それぞれキレイな器に盛りつけられるような繊細な食卓は、今考えれば夢のようです。

ドイツで料理が4種類も並んだらもうパーティです!でも料理が3、4種類並ぶなんていうのは、日本の一般家庭ではわりと頻繁に起こる出来事ですよね。日本の食事は食べるほうからすれば嬉しいですが、作ったり後片付けをしたりする人から見れば、本当に手間がかかって大変です。

料理の中身に関して言うと、保存食文化のドイツは、ストレートな味付けが多いです。日本人からすると「しょっぱい」と感じる料理が多いのが困りもの。加えて、見た目の美しさもそれほど重視されないので、ちょっと華やかさに欠ける印象です。

一方、四季折々の食材を幅広く、奥深く繊細に味付けし、目にも楽しい料理を作る日本。嗚呼・・・なんて対極的なんでしょう。

両者の違いが生む悲劇

日本とドイツでは、よく使う食材も調理法も違いますし、日常生活における食の位置づけ(重要度)も異なります。

日本とドイツの食文化は正反対といっても過言ではなく、この違いはドイツに暮らす日本人にとっては「悲劇的」ともいえるレベルです。

日本にいるときは、レストランは「自分で作るよりおいしい料理が食べられる場所」でした。

一方、ドイツにいる今は、レストランに行くより自分で作ったほうがおいしいものが食べられる可能性が高い(あくまでど自分基準です)うえ、もちろんお金もかからないので、ドイツに来てから外食するモチベーションがめっきり下がりました。

かといって、ドイツで日本の食材や調味料が思うように手に入るわけでもないので、私の場合、ドイツでは常に食への欲求不満を抱えて生きています(笑)

おわりに

なんだか、「ドイツの食べ物ってそんなにヒドイの!?」って思わせてしまったかもしれませんが、「ドイツの料理はおいしい」「ドイツ料理は好き」という日本人もたくさんいますし、私自身、ドイツでおいしいものに出会ったことがないわけではありません。

ただし、ドイツ流の食事を長期間続けるのは、多くの日本人にとって精神的にも肉体的にも辛いと思います。

また、ドイツで偶然おいしいレストランに当たる確率は日本よりはるかに低いので、ドイツに旅行に来ておいしいものを食べたいなら、おいしいお店をリサ-チして行くことをおすすめします(笑)

今のところ、私がドイツでおいしいと思うものはプレッツェルとフラムクーヘン(ドイツ南西部の名物で薄いピザのような料理)でしょうか。

ドイツの食文化に興味がある方へ