「カワイイ=子どもっぽい」、ドイツは「カワイイ」の不毛地帯?

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。

ドイツに住んでいる私が日本に一時帰国をすると、いつも思うことがあります。それは、「日本はカワイイの価値が高い国」だということ。

この点に関し、ドイツは日本の正反対といっても過言ではありません。

「カワイイ」であふれる日本

日本はカワイイものであふれている国です。女性のファッションはラブリー、フェミニン、スウィートな雰囲気のものが人気ですし、街を歩けばキャラクターだらけです。

世界的に有名なマンガやアニメのキャラクターだけでなく、企業や自治体、官公庁までオリジナルのキャラクターを作ってしまう始末。そんな現象は日本と、日本のポップカルチャーの影響力が強い台湾でしか見たことがありません。

日本の「カワイイ」の意味は実に多彩

日本の「カワイイ」という概念はとても独特です。ほかの言語には訳せない広い意味をもっているからこそ、海外でもそのまま「kawaii」が使われるのでしょう。

日本語の「カワイイ」をあえて英語に訳すとしたら”cute”が近いと思いますが、「カワイイ」には”cute”という言葉では表現しきれない多様な意味合いがあります。

子どもや小動物、女性や子供向け洋服から、街並み、食べ物、男性のファッション、さらにはおじいちゃんまで、日本ではさまざまなモノや人が「カワイイ」と形容されます。日本語の「カワイイ」は、とても一言では言い表せないのです。

日本人が多い海外の観光地で働く人が「こんにちは」や「ありがとう」以外で初めて覚える日本語は「カワイイ」なんじゃないかと思うくらい、日本人の女性は「カワイイ」を連発します。

それは、日本人女性が常に「カワイイ」ものをキャッチするアンテナを張り巡らせていること、そして、「カワイイ」が幅広く使える便利な言葉であることを表しているように思います。

ドイツは「カワイイ」の不毛地帯?

日本とは対照的に、ドイツは「カワイイ」の価値がきわめて低い国です。

一般的に、ヨーロッパでは(大人ならば)、「カワイイ」よりも「ビューティフル」や「セクシー」に価値を置きますが、それでも、ドイツの隣国・フランスには、日本人の私が「カワイイ」と表現できる服や雑貨、アクセサリー、食品などがたくさんあります。

でも、ドイツで「カワイイ」服やファッション雑貨、キャラクターなどを見かけることはあまりありません。子どもを除き、「カワイイ」と表現できるような服装をしている女性もほとんどいません。

ドイツでは、基本的に「カワイイ服」=「子ども服」であって、「カワイイ」は子どもっぽさの象徴と思われている傾向があります。

ヒラヒラしたスカートや、リボンのついたブラウスなどを着ているドイツ人女性を見かけることはほぼなく、そういうファッションは「移民のセンス」と思われていることもあります。

日本ならば大人がキャラクターグッズを持っていても、特に目立つものでなければ異様に思われることもありませんが、ドイツで、バッグにマスコットをぶら下げて歩くと、すごく子どもっぽいかオタクという印象になります。

ドイツでは「カワイイ」は市民権を得ておらず、非常に肩身が狭いのです。日本では「カワイイ」は、完全にポジティブな概念ですが、ドイツでは必ずしもそうではありませんし、ドイツ人にとっては日本人の思う「カワイイ」が理解不能だと感じることも多いはずです。

「カワイイ」の幅が狭いドイツ

ドイツにおける「カワイイ」の価値が低い理由として、ドイツ人が一般的にファッションにあまり頓着しないことが挙げられます。詳しくは、「ドイツ人女性のファッションの特徴8つ~日本人女性とこんなに違う~」に書きましたが、ドイツでは、ファッションにおける男女差があまりありません。おしゃれよりも機能性が重要なのです。

日本やフランスのように、ファッションへの関心が高い国なら、「大人カワイイ」や「シンプルカワイイ」、「レトロ可愛い」など、さまざまな「カワイイ」が発展したと思うのですが、ドイツにはそれがなく、ブリブリの服やキャラクターに象徴されるような子どもっぽいかわいらしさ以外の「カワイイ」が抜け落ちているのです。

ドイツでは「カワイイ」の幅が限定されているから、「カワイイ」=「子どもっぽい」という認識になるのではないでしょうか。

また、ドイツ人女性が男性に媚びることを嫌い、日本人女性のように、ファッションにおいて「男受け」をあまり意識しないことも大きな要因です。(日本人女性全員が男受けを意識するわけではありませんが)

日本では、無知や舌足らずな喋り方など、ある種女性の幼児性は歓迎されてきましたが、ドイツではそのような振る舞いはバカだと思われるだけです。むしろ、ドイツ人女性は早くから「大人っぽい」を目指します

大人の女性が「カワイイ」にあまり興味がないので、ドイツの「カワイイ文化」は子どもやオタクだけのものにとどまっているのでしょう。

女性が媚びずに自然体でいること自体は素敵ですが、「カワイイ」というのは一種の遊び心の象徴。「カワイイは正義」の日本で生まれ育った私には、ドイツ社会における「カワイイ不足」がつまらなく感じられることもあります。

おわりに

子どもっぽさや女性らしさを意味することもありますが、もっと広くとらえると日本の「カワイイ」とは、「親しみと愛着を呼び起こすすべてのものや人」を指すような気がします。

それは、「かわいげがある」という言葉にも表れていますよね。ファッションやキャラクターなど、表面的なものにとどまらない、日本の「カワイイ」は奥が深いのです。

日本とドイツの文化や習慣の違いが楽しくわかる