こんにちは、はるぼぼ(@haruobo_nikki)です。
今回は海外旅行中に「命の次に大事なもの」といわれるパスポートのお話。日本に生まれて無条件に日本パスポートを取得できる日本人って、実はとってもラッキーなんです。
というのも、日本のパスポートは世界トップレベルの信用を誇るから。2018年には日本のパスポートがドイツを抜いて、世界最強に躍り出ました。
※本記事は2016年3月に公開した記事をもとに、2018年の最新ランキングを踏まえて大幅に加筆・修正したものです。
2018年の最強パスポートは日本&シンガポール
ビザなしで訪問できる国が多いパスポートを比較する、世界のパスポートランキング。
イギリスのコンサルティング会社「ヘンリー・アンド・パートナーズ」社が発表した2018年の最新ランキングによると、2008年のランキング開始以来、日本パスポートが初めて世界最強パスポートの座に輝きました。
日本パスポートと同率1位で首位に輝いたもうひとつの国が、東南アジアの富裕国シンガポール。日本パスポートとシンガポールパスポートの保持者は、ビザなしで189ヵ国を訪れることができます。
次いでドイツが188ヵ国で2位、デンマークやフィンランド、フランス、 イタリア 、スウェーデン 、スペイン 、韓国が187ヵ国で同率3位となっています。2015年から2017年まで、3年連続で世界最強パスポートの座を守っていたドイツパスポートは、2018年の日本とシンガポールパスポートの躍進により、2位に転落しました。
ちなみに、2017年の日本パスポートのランキングは、ビザなし渡航可能な国が172ヵ国で世界5位でした。こう聞くと、日本パスポートの価値が大幅に上がったように感じられます。
といっても、2018年のパスポートランキングの1位と2位を分けたのはわずか1ヵ国の差。はっきりいって5位くらいまではかなりの混戦模様で、ビザなし渡航が可能な国の数自体には大差ないというのが実情です。
パスポートの強さはランキングだけでは測れない
パスポートランキングの結果を発表しておいてこう言うのもなんですが、その国のパスポートの真の強さというのは、ビザなしで渡航できる国の数だけでは測れません。
というのも、そもそも「180ヵ国も旅行したいかどうか」という問題があります。私は仕事とプライベートで150ヵ国以上を訪れたというヨーロッパ人女性に会ったことがありますが、そんな人は例外中の例外。
旅行好きを自負する人でも、「世界180ヵ国に行きたい」という人はまれではないでしょうか。旅好きでこれまでに約60ヵ国を訪れたことがある私でも、これまでに行った国とこれから行ってみたい国を合わせても100ヵ国あるかどうかです。
つまり、現実問題としてより重要なのは、ビザなしで何ヵ国に渡航できるかよりも、「自分が行きたい国に渡航するためにビザ取得が必要か」、そして「ビザ取得が必要な場合はその条件(手続きの難易度や費用)」になってくるというわけです。
世界にはほとんどの国民にビザを課す国もありますが、一口に「ビザの取得が必要」といっても申請費用や手続きの手間・難易度は国籍(どの国のパスポートをもっているか)によって変わってきます。
アジアで威力を発揮する「ジャパンパスポート」
日本人が日本パスポートの恩恵を最も実感できるのは、やはりアジアです。
それは、日本と地理的・文化的に近く、日本に親しみをもってくれている国が多いという要素もありますが、なんといっても日本がアジア諸国に経済援助を続けてきたことが大きいでしょう。
私は2015年にドイツに移住する前「せっかく仕事も辞めたのだから」と、日本から直接ドイツに飛ぶのではなく、日本~ドイツ間を5ヵ月ほど旅してドイツにたどり着きました。
日本~ドイツ間ですから基本的にはアジア横断の旅です。そのアジアの旅で日本のパスポートの威力を実感することが何度もありました。
日本パスポート保有者は、ラオスビザ不要
東南アジアの小国・ラオスは、多くの国に対して入国時にビザ取得を義務づけていますが、日本人はビザ不要。
タイから陸路でラオス入りしたとき、ビザ申請カウンターにはラオス入国にビザが必要なドイツ人やフランス人、スペイン人などが行列をつくっていました。(※2015年8月時点)
ビザカウンターで待っているヨーロッパ人たちを尻目に、ビザなしでさらっと入国審査に進めるのはちょっとした快感でした(笑)
日本人がビザを免除されている最大の理由は、やはりラオスに対する日本政府の経済援助が理由でしょう。ラオスの首都ヴィエンチャンには、「この橋は日本の援助で造られました」などといった看板が多数あります。
日本パスポート保有者は、インドビザ格安
インドも大多数の国の国民に対してビザを課す国で、日本のパスポート保持者もインドに入国に際してはビザが必要です。ところが、日本人(日本パスポート保持者)の場合はインドビザの申請費用が格安なのです。
インドビザの申請費用は、国籍(パスポート発行国)によってかなりの差があります。インドの旅の最初の一週間はドイツ人のダーリンも一緒だったので、日本で一緒にインドビザを申請しました。
日本人の私のビザ申請費用は1890円と、それほど負担になる金額ではありませんでしたが、ドイツ人のダーリンは9000円くらいかかっていました。母国(ドイツ)の外で申請したということで、手数料が2000~3000円上乗せされていましたが、それを抜きにしてもけっこうな費用です。(※2015年5月時点)
日本人のビザ費用が安いのは、やはり経済援助に加え、インドの人々が日本や日本人を尊敬してくれているからでしょうか。歴代のインドの首脳に親日派が多いことも関係しているのかもしれません。
「インド=親日」のイメージはあまりないかもしれませんが、行ってみた私としては相当な親日国だと感じました。
日本パスポート保持者は、ウズベキスタンビザ格安
中央アジアの国・ウズベキスタンもほとんどの国からの旅行者に対してビザを課している国です。例に漏れず日本人もビザの取得が必要ですが、やはり特別価格。
私はタイでウズベキスタンのビザを申請しましたが、費用は600バーツ(約2300円)。日本で申請すると3000円くらいです。(※2015年6月時点)
ウズベキスタンビザは国籍やビザの期間、タイプ(1回だけ入国できるシングルか、一旦ウズベキスタンを出国して再度入国できるマルティプルか)によって費用が異なり、条件しだいでは100US$、200US$くらいかかることもあるようです。
私がウズベキスタンで会ったカナダ人男性は、インビテーションレターの費用も含め、ウズベキスタンビザの取得に100US$くらいかかったと言っていました。
国によってはインビテーションレターを発行してもらわないとビザが下りないようですが、日本人はレターも不要なので比較的簡単にビザが取得できます。
「ウズベキスタンってどこ?」と思われた方もいるかもしれませんが、中央アジアの国で、日本人とわかると歓迎してくれることも多く、現地での日本のイメージはとてもいいようです。
[memo title=”MEMO”]【2018.07.24追記】2018年2月から、日本国籍者(日本パスポート保持者)は、30日以内の滞在であればウズベキスタンビザが不要になりました!日本パスポートのメリットはさらに拡大中です。[/memo]
「日本に生まれる」という幸運
2018年に世界最強パスポートに輝いた日本のパスポート。さらに上記の3つの事例から、日本パスポートにはランキングだけでは測れないメリットも大きいということを感じていただけたのではないでしょうか。
ほかにも、「ビザは必要だけれど、事前申請不要で空港で簡単にアライバルビザが取得できる」など、日本人の入国を優遇している国はたくさんあります。
日本人に生まれるということは、経済力の面からも、日本のパスポートの強さからも、とても旅がしやすい立場に恵まれるということ。
「どこに行くのにもビザが必要で大変」と言っている中国人や、目と鼻の先のギリシャの島に行くのにもビザが必要なトルコ人などを見て、信頼度の高いパスポートを当たり前に持てることがいかに幸運かを実感しました。
こんな幸運に恵まれながら世界を旅しないなんて損!そう思いませんか?