こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。
「ドイツ」と聞いて日本人がよくイメージするのは、ビールに車、サッカー、大柄なドイツ人男性・・・ドイツと聞いて浮かんでくるものの多くは、どこか男性的なものではないでしょうか。
ドイツに住むようになって、「ドイツには女性らしさという概念があるのだろうか?」と考えるようになりました。ドイツ社会では、どうも「女性らしさ」や「女子力」のステイタスが低いように感じるのです。
「女性らしく」ない?ドイツ人女性
ドイツに住んでいると「ドイツには女性らしさ」という概念がないのだろうか」と思うことがあります。というのも、私の日本人的感覚からして「女性らしい」ドイツ人女性を見かけることが少ないからです。
日本ではパステルカラーや花柄、シフォンなどのふんわりした素材などフェミニンな要素を取り入れた女性ファッションをよく目にしますし、日常的にスカートを履く女性も多いです。
でもドイツでは、若い女性もジーンズやスキニーパンツに、黒やグレー、カーキといった暗い色のトップス、足元はスニーカーかヒールのないブーツといったコーディネートが主流。
おしゃれな都会に行けば違うのかもしれませんが、少なくとも私が住んでいるような地方都市ではファッションにおける男女差はあまり見受けられません。
しかも、ドイツでは日常的にメイクをしない、もしくはごく簡単に済ませる女性が多く、「女磨き」「女子力」と頑張る女性が多い日本とは大違いなのです。(関連:「ドイツと日本の女性のファッションは激しく違う」)
振る舞いも堂々としているドイツ人女性
日本人女性とドイツ人女性の違いは、なにもファッションやメイクなど表面的なことに限った話ではありません。雰囲気や身のこなしも日本人女性とドイツ人女性では大きく違います。
日本では優しげでやわらかな雰囲気をまとい、身のこなしも控えめな女性が多いですが、ドイツ人女性は、雰囲気も身のこなしも非常に堂々としていて、私にはやや男性的に感じられます。
背が高く、骨格もがっしりした人が多いので余計そう感じるのだと思いますが、まだティーンエイジャーの若い女性(というか少女)でさえキャピキャピした感じはあまりなく、貫禄さえ感じることが少なくありません。
それは、ドイツ人女性が少女のうちから「かわいい」よりも「かっこいい」や「大人っぽい」を目指すことと関係しているのでしょう。
ドイツに「女性らしさ」という概念が存在しないとは言いませんが、日本とドイツでは社会における「女性らしさ」という概念の存在感や重要性がまったく違うように感じるのです。
「女性らしい」?日本人女性
日本での「女性らしさ」の定義は、優しさ、気配り、大人しさ、控えめであること、従順さ、美しさなどでしょうか。
こういう考えは現代では廃れてきた感もありますが、やはり今でも日本社会にずっしりと根を下ろしている気がします。ドイツと比べると、日本は社会における「女らしさ」の概念の存在感と重要性がとても高いと感じます。
意識しているかどうかは別として、私たち日本人は幼い頃から無意識のうちに自分が「男であること」「女であること」を自覚させられ、自分の性別に基づいた振る舞いを要求されることが多いです。
小学校のランドセルの色もそうですし、制服があれば普通男子はズボンで女子はスカートです。そう考えると、日本人女性がスカートをよく履くのも制服で日常的にスカートを履いていた影響があるのではと思えてきます。
ドイツ人のダーリンに「ドイツにおける女性らしさって何?」と聞いてみたら、「女性らしさの概念自体は日本と大差はないと思うけど、ドイツの女性は女性らしさを気にしない人が多い」という答えでした。
「自分は日本の女性らしさが好きだから、ドイツに染まらないで」とも言われましたね・・・
ドイツでは「女子力=非モテ!?」
個人の好みや「女子力」という言葉自体に関する拒否感など、もろもろあるとは思いますが、日本では一応「女子力が高い=モテる」が常識です。(私自身、実は「女子力」という言葉が好きではありませんが、ここではあえて使っています)
でも、ドイツではむしろ逆。ドイツでは、流行を追いかけるような人はむしろ「ダサい」とか「中身がない」などと思われる傾向にあります。
また、バッチリメイクをして「女性らしい」ファッションで着飾っているような女性は、男性から「金遣いが荒い」とか「中身がない」などとマイナスのイメージを持たれてしまうことすらあります。
もちろん好みは人それぞれですが、ドイツではフェミニンに着飾って外見を磨く女性よりも、自然体で活動的な女性のほうが異性にも好かれやすい傾向にあります。
ドイツでは、日本でいう「女子力アップ」がモテにつながらないどころか、下手をすると逆効果になってしまうことがあるので、ドイツ人女性がカジュアルなファッションで堂々と振る舞う(男性に媚びない)のは、当然といえる気がします。
ドイツ人女性が大切にするのは「自分らしさ」
「女性らしさ」のステイタスが高い日本と、「女性らしさ」のステイタスが低いドイツ。比べてみると、「正反対」といってもいいくらいの違いがあります。
それは文化の違いであって、どちらが優れているとか劣っているとかいう問題ではありません。ひとついえることは、ほとんどのドイツ人女性が大切にするのは「女性らしさ」よりも「自分らしさ」だということです。
私自身、大切なのは表面的な「女性らしさ」うんぬんではなく、女性であることの前に「一人の人間」として自分らしく輝いていることだと考えています。
目には見えにくいけれども、ドイツにはドイツなりの「女性らしさ」の形があり、さらには「男らしさ」や「女らしさ」すら超えた個人主義の文化があるのだと思います。だからドイツでは日本ほど「女性らしさ」という概念の存在感と重要性が高くないのでしょう。
おわりに
ドイツ人女性の「自分らしさ」を大切にする考えに共感する一方で、私には「女性という性別に備わった魅力を高めること自体は素敵なことだ」という考えもあります。
「女性らしさ」というのは、特に男性からの目線でつくられた概念ですし、性別に応じて役割を固定化することには賛成しません。「女は男に従うべき」とか、「男は女を養うべき」といった旧来の考えにも反対ですが、一人の女性として外見を磨いたりファッションを楽しんだりすることは純粋な喜びであると思うのです。
しかし、その喜びを封じ込めているのか、もともとないのかそれは定かではありませんが、日本でいう「女子力アップ」から距離を置くドイツ人女性のある意味ストイックな姿勢はなんだかすごいと思う今日この頃です。
ドイツの恋愛事情に興味のある方へ