こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。
「日本とドイツは似てる」って聞いたことありませんか?
私も日本にいた頃はなんとなくそう思っていました。でも、実際にドイツで暮らし始めてみると、似ているところよりも違うところのほうが多いような気がしてきたのです。
今回は日常生活から見えてきた日本とドイツの違いをお伝えしたいと思います。
1.衣食住の重点
これについてはそれぞれ個別記事も書いていますが、日本とドイツでは衣食住における重点がまったく違います。日本人は衣食つまりファッションと食事にこだわりますが、住まいについてはややおろそかで、来客があるときに慌てて掃除や片付けをするという人が少なくないと思います。
反対にドイツ人は、ファッションや食事には必要以上のお金やエネルギーを費やさない人が多数派です。
その一方で、くつろぐ空間としての住まいをとても大切にする人が多く、日頃からの整理整頓や掃除は当たり前。インテリア雑誌から抜け出してきたかのようなおうちも珍しくありません。
この対比はとても面白くて、世界的に衣食住すべてにまんべんなくエネルギーを注ぐ人たちというのはあまりおらず、必ずどこかに偏りが出てくるものなのではないかと感じています。
(関連:「ドイツ人女性のファッションの特徴8つ~日本人女性ととこんなに違う~」、「日本とドイツの食文化は悲劇的に違う」、「住まいに「執念」ともいえるほどの情熱とエネルギーを注ぐドイツ人」)
2.「レディーファースト」の有無
「欧米はレディーファースト」というのは日本でもほぼ常識ですね。といっても、ドイツで暮らすまではこの「レディーファースト」という概念が具体的にどういうものなのか、あまりピンときていませんでした。
私は小さなメディアの会社でタスクワーカー的に翻訳の仕事を請け負うことがありますが、その会社の社長と外出してオフィスに戻るとき、社長(男性)がビルのドアを開けて必ず女性スタッフを先に通してくれます。
買い物中、同じタイミングでレジに並ぼうとしたり、商品の棚に手を伸ばそうとしたりしたときは、相手が男性なら私に順番を譲ってくれることも多いです。さらに、レストランでコース料理を頼んだら先にサーブされるのは女性。
こういった日常の細かい場面で「なるほど、これがレディファーストなのか!」というのを実感しています。ドイツの男性はパートナーの女性をきめ細かくケアする人も多いので、ドイツは日本と比べ女性に優しい社会だと感じています。
3.消費への価値観
昔から質素倹約を美徳としてきたドイツ。環境意識が高いこともあってか、次々に新しいものを買っては捨てるという消費行動はあまり好まれません。
一般にドイツ人の生活水準は高いですが、「使えるものはまだ使う」、「必要のないものは買わない」といったモノを大切にする価値観や、無駄を嫌う合理主義から、それほど「消費」することへの関心が強くないと感じます。
それと比べると、やっぱり日本人は「消費好き」、「新しいもの好き」なのではないでしょうか。
ドイツの貿易依存度(GDPに対する貿易額の比率)は69.5%で世界83位、日本は32.66%で世界184位です(2014年度:出典:GLOBAL NOTE)
貿易依存度が低いということは、内需(国内消費)の割合が大きいということ。EUの一員で、しかも周辺国と陸続きになっていて貿易がしやすいドイツと島国の日本を単純比較することはできませんが、ドイツに比べ日本は国内消費が盛んだといえるのではないでしょうか。
内需が大きいことは経済にも貢献しているのでそれ自体は悪いことではありませんが。でも、ドイツ人の消費行動を見ていると、流行や宣伝に踊らされず、「本当に必要なもの」や「本当の意味で自分を豊かにしてくれるもの」を見極める目を持ちたいと思わせられます。
4.「カワイイ文化」の有無
近年「カワイイ(kawaii)」という言葉が一部海外でも使われるようになったりと、日本の「カワイイ文化」は独特のものがあります。
アニメや漫画、キャラクターグッズなどは大人にも人気がありますし、大人の女性でもレースやリボン、キュートな柄の洋服を身に着けるのは特別なことではありません。
ところがドイツでは、こういった日本的な「カワイイ」は基本的に「子どもっぽい」と見なされることが多いです。大人がキャラクターグッズを身に着けたり、レースやリボンのついたひらひらした服を着るのは一般的ではなく、そういったものは「子供向け」と思われている傾向にあります。
ドイツに限らずヨーロッパでは、女性でも「カワイイ」より「大人っぽい」や「カッコイイ」、あるいは「セクシー」(ドイツで目にすることはあまりないですが)が主流の価値観であり、目指す姿です。
ドイツでは、日本の「カワイイ」は一部のオタクや特別な「カワイイもの好き」な人以外にはあまり理解してもらえないかもしれません。
5.利便性をどこまで重視するか
ドイツも日本と同様、世界トップクラスの経済大国であり、ものづくり大国です。日本人は「ドイツも日本のように便利な近代社会だろう」と思いがちですが、実際はそうでもありません。
日曜日や祝日にはスーパーを含めたいていの店が閉まります。少なくとも私が暮らすエリアでは24時間・365日営業のお店なんてありえないので、いつでも買い物ができる日本とはほど遠いのが実情。日・祝は宅配便の配達もありません。
また、ドイチェバーン(ドイツ鉄道)の普通運賃は驚くほど高く(ローカル線に10分強乗って約500円)、日本に比べると本数も多くありません。
私の住むエリアでは一本逃すと次の電車まで一時間ほど空いてしまうこともありますし、遅延や運休も比較的多いのでなかなか電車で気軽に出かけようという気になりません・・・(これは住んでいるのが田舎だからという要素も大きいですが)
先日日本に一時帰国したときは「つくづく日本って便利な国だなぁ」と感じました。利便性だけを見れば世界一ではないでしょうか。郵便局に集荷依頼の電話をしたら15分ほどで取りに来てくれたのには心底驚きました。
ドイツでは荷物を送るときは郵便局まで持っていくのが普通ですし、「〇月〇日、〇時から〇時のあいだに配達します」というメールがきても遅れることはしょっちゅう。結局予定していた日には来なかったということも珍しくありません。
日本では当たり前のサービスでも、世界水準で見ると驚くべきことって結構あるんですよね。
「似ている」なんて言われるわりに、フタを開けてみると結構違うことがわかった日本とドイツ。
どちらがいい・悪いというのではなく、日本もドイツもそれぞれに違ういいところがあります。一人一人に個性があるように、国にもやっぱりそれぞれのキャラクターがあるのですね。
「日本人が見たドイツ」に興味がある方に
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滞在先にドイツ家庭へのホームステイも選ぶことができるので、ドイツ留学で集中的にドイツ語やドイツ文化も学びたい方にはいいかもしれません。
EF Education First / ドイツ留学プログラム案内
http://www.efjapan.co.jp/pg/ryugaku/germany/