イギリス、フランス、ドイツは危険!?ヨーロッパでテロのリスクが高い国・低い国

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。

昨年(2015年)からパリ、ブリュッセル、ニースなどヨーロッパでテロが相次いでいるほか、最近ではドイツでも電車内における乗客襲撃事件やミュンヘンの銃撃事件など、移民・難民による無差別犯罪が相次いでいます。

このような状況から「ヨーロッパに旅行しても大丈夫なのか」という疑問や不安を抱いている方も多いのではないかと思い、「テロ危険度マップ」からヨーロッパにおけるテロリスクの高い国と低い国をご紹介します。

ヨーロッパにおけるテロのリスク

テロリスクマップ

テロのリスクが高い国
イギリス、フランス、スペイン、ベルギー、ドイツ、トルコ、ロシア

テロのリスクが普通の国
オランダ、デンマーク、スウェーデン、イタリア、オーストリア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、ギリシャ、ウクライナ、キプロス

潜在的にテロのリスクがある国
アイルランド、ノルウェー、フィンランド、ポルトガル、クロアチア、セルビア、コソボ、アルバニア、マケドニア、ルーマニア、ブルガリア、スロヴァキア、ベラルーシ、ルクセンブルク、ジョージア(グルジア)、マルタ

テロのリスクが低い国
スイス、スロヴェニア、チェコ、ハンガリー、ポーランド、リトアニア、ラトビア、エストニア

※FCO(外務および英連邦省)によるヨーロッパテロ危険度マップから(参照:Mail Online

ヨーロッパにおけるテロのリスクが高い国々について

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ヨーロッパにおいてテロのリスクが高いとされたのは、イギリス、フランス、ドイツなどヨーロッパの中でも人口や経済規模が大きく、「移民大国」と呼ばれる国が中心。ヨーロッパにおいて、異なる文化や宗教的背景をもつ移民や難民の統合がうまくいっていないことを象徴しているかのようです。

Mail Onlineから、テロリスクが高いとされた国に対するコメントを一部抜粋・日本語訳してご紹介します(ただしイギリスを除く)。

フランス
従来からのイスラムテロ組織の脅威に加え、ISIS(イスラム国)に対するフランスの軍事介入により、フランス政府は警備を強化している。フランスに対する特定のテロ事件の注意喚起は出ていないものの、アメリカ国務省は「信頼できる情報によるとテロ組織がヨーロッパで引き続きテロを起こそうとしている」とフランス国民に警告している。

スペイン
スペインはISIS(イスラム国)の脅威、およびバスク地方の分離運動という2つの理由から、テロのリスクが高い国に分類されている。ただし、バスクのテロ組織ETAは近年沈静化してきており、2009年以降はテロ事件を起こしていない。

ベルギー
イギリス人はベルギーにおいて引き続き警戒し、混雑した場所を避けるように言われている。アメリカ国務省は国民に「ブリュッセルは4月にテロ攻撃を受けたが、なお厳重な警戒が必要だ」と呼びかけている。

ドイツ
FCO(外務および英連邦省)は、観光客が訪れる公共の場所を含め、ドイツにおける無差別テロの脅威が高くなっていると警鐘を鳴らしている。ドイツ政府は公共の場所での警備を強化しているが、アメリカ国務省は「すべてのヨーロッパの国々はテロ攻撃に対する脆弱性を秘めている」と注意を呼び掛けている。

トルコ
トルコでは多数のテロ組織が活動していて、イスタンブールのアタトゥルク国際空港で40人以上もの死者を出したテロは過去数か月に起こった数々のテロ事件のひとつにすぎない。

ロシア
ロシアはテロの脅威だけでなく暴動の点からもリスクのある旅行先である。テロ事件が最も頻繁に起こっているのはモスクワと北コーカサスである。

ヨーロッパ旅行は危険なのか?

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ここで「テロのリスクが高い」とされた国々への旅行は危険なのでしょうか?「テロのリスクが高い」と言われると条件反射的に危険なように思えてしまいますが、あくまでも「ヨーロッパのなかではテロの脅威が高い」ということ。

ヨーロッパは紛争地帯ではありませんから、まさに日々テロの脅威と隣り合わのイラクやパキスタン、アフガニスタンなどといった国とは危険度の次元が違います

ただし、トルコに関しては別に考える必要があると思います。というのもトルコはシリアと国境を接していますし、もともとクルド人問題など独自の国内問題を抱えています。さらには先日クーデター未遂が起こったように政治基盤も揺らいでいます。色々な意味で他のヨーロッパ諸国とは事情が違うので、トルコとフランスやドイツを同列に扱うことはできないと考えています。

そもそも、なぜヨーロッパのテロ危険度マップにトルコを入れたのか疑問に思いますが(ロシアも微妙ですね・・・)、トルコ南部のリゾート地がイギリス人に人気の旅先だからなのかもしれません。

トルコとロシアは別として、それ以外のヨーロッパの国々への旅行についてはどうか。たとえば「ドイツはテロリスクが高い」とされているから、ドイツへの旅行は危険なのでしょうか?

個人的には必ずしもそうは思いません。ヨーロッパのなかではテロのリスクが比較的高いとはいっても、実際にドイツに旅行をしてテロに巻き込まれる可能性は低いからです。

リスクは多角的にとらえることが重要

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「ヨーロッパのなかではテロリスクが高い」とされたからといって自動的に「じゃあその国は危ないんだ」と思い込むのではなく、リスクを多角的にとらえることが大切なのではないかと思います。

たとえば、自然災害が少ないドイツでは外に出ない限りほぼ危険はありませんが、日本では家にいても地震という脅威がいつ襲ってくるともわかりません。考えようによっては、テロよりもどんな状況でも起こりうる地震のほうが恐いような気もします。

そう考えるとイギリスやフランス、ドイツなどヨーロッパのなかでテロのリスクが高いとされている国を旅行することが必ずしも危険とはいえないというのが現時点での私の考えです。

とはいえ、実際にテロに巻き込まれる可能性は低いとはゼロではない以上、「ヨーロッパは安全だから旅行すべき」とも言えません。それを見て大丈夫と判断してヨーロッパを旅行した方が万が一テロ被害に遭っても責任を取れないからです。

テロが恐くて旅行を楽しめないかもしれないと思う方は、テロのリスクが低い地域や国に変更するのもひとつの手です。(207年9月12日「いま安全なのはどこ?ヨーロッパでテロのリスクが低く、治安の良い国7選」を作成しました。)

テロリスクが高いとされているヨーロッパの国を旅行するもしないも最終的には個人の判断ですが、漠然とした恐怖心に踊らされるのではなく、リスクというものを総合的に見て冷静な判断を下したいものですね。