実は文章力じゃない!ライターにとって本当に大切なこととは?

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。一般的にライターといえば高い文章力が必要というイメージがあるかもしれません。

しかし、実際に自分がライターになってみると、ライターにとって本当に必要なものは文章力ではないと感じるようになりました。今日は、私が考える「ライターにとって本当に大切なこと」をご紹介したいと思います。

ライターにとって文章力はそれほど重要ではない

誤字脱字が多かったり、理解しにくかったり、読み手に余計なストレスを与えるような文章はプロとして論外。わかりやすくスムーズに読み進められる文章が書けることはライターにとって最低限の条件といえます。

ですが、読み手が惚れ惚れするような素晴らしい文章力が必要かというと必ずしもそうでもありません。

どんなジャンルについて書くかによって求められる能力は変わってきますが、私が書いている旅行という分野なら、「読む人が実際に情景をイメージしてワクワクできるような豊かな表現力があればなお良し」というところでしょう。

売れっ子小説家やコピーライターになるならば特別なセンスが必要かもしれませんが、旅行や美容、グルメ、人生論など一般的なライティングの分野においては特別な文章の才能は必要ないのです。ブログで情報発信をするブロガーも同じです。

逆に独特のセンスがありすぎると、その世界観を共有できない人には伝わらない文章になったり、難解すぎて読み手が敬遠する文章になってしまったりする恐れがあります。

伝えたいメッセージがあるかどうか

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私が思う、ライターにとって本当に大切なことの一つは、「そこに伝えたいメッセージがあるかどうか」です。

同じ旅行記事を書くにしても、「ここは人気の観光地だから紹介しておこう」という気持ちで書くのと、「素敵な場所だからもっとたくさんの人に知ってほしい!」と思って書くのとでは記事の臨場感が違ってくるはずです。想いのこもっていない文章に魂は宿りません

ブログだって同じです。日記のように単に自分の身に起こったこと、そしてその出来事に対し自分がどう感じたかを書くのと、その経験から得た教訓を読者と共有したり、問題提起をしたりするのとでは記事の深みがまるっきり違ってきます。

文章にのせるメッセージがなければ、単に事実の羅列に終わってしまい、読み手の心には響かないのです。

これは説明書やマニュアルの作成といったテクニカルライティングにはあまり必要のない要素ですが、何らかの形で人の心を動かすことを目指している文章にはとても大切な要素です。

人と違う視点、一歩踏み込んだ物の見方ができるかどうか

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人とは違うオリジナルな視点、あるいは他の人よりさらに一歩踏み込んだ物の見方・考え方ができることも、自分の文章を差別化するうえでとても重要です。それがなければ、いくらもっともなことを書いていても結局はありきたりになってしまうのです。

私がこれを感じたのは、寄稿している旅行サイト向けに、ポーランドの古都クラクフにあるユダヤ人地区についての記事を書いていたときでした。

インターネットで検索したところ、その地区を紹介する記事は他にいくつかあったのですが、基本的には「クラクフで最も面白いトレンドの発信地」という紹介の仕方でした。もちろんその記事を読んで「そこに行ってみたい!」と思う人はたくさんいるでしょうから、それはそれで素敵な紹介の仕方だと思います。

しかし、クラクフのユダヤ人地区は、ホロコーストによってユダヤ人が姿を消し一度荒廃したものの、近年になって再びトレンドやユダヤ文化の発信地として活気を取り戻しているエリア。

私としては「ユニークな流行の発信地」という一面だけを紹介することに違和感がありました。そこで、私がとったアプローチは「決して忘れられない重い歴史をとどめつつ、未来に向けて流行や独自の文化を発信する、クラクフとユダヤ人にとっての過去と未来が交錯するエリア」として紹介することでした。

単に「ユダヤ教独自の文化に触れられる面白いトレンドの発信地」として紹介したほうが万人受けはするかもしれません。しかし、それでは誰が見てもわかることを書いているにすぎず、この地区がもつ重層的な意味合いは伝わらないのです。

最初からすでにある記事との違いを出すことを強く意識して書いていたわけではないのですが、自分が感じたこの場所ならではの特性を伝えたいと思った結果、独自の視点を打ち出すことの重要性に気づいたのです。

自分だから書ける文章になっているか

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ここに挙げた2つのことを踏まえると、最終的には「自分だから書ける文章になっているか」ということに尽きます。

誰でも書けるような文章しか書けなければ、単価の安い記事を量産するライターで終わってしまい、「あなたに書いてほしい」と指名してもらえるようなライターにはなれません。

文章力は書く経験を積めば自然と向上するので、「自分はこの記事で何を伝えたいのか」を意識したり、物の見方や考え方を鍛えるほうがよほど重要ではないかと考えるようになりました。

正直言って、私のライターとしてのスキルはまだまだ向上の余地がありますし、自分の物の見方や考え方が特別優れているとはまったく思っていません。でも、読んでくれる方に対し誠実であること、私だから書ける記事を生み出すことは、ずっと心がけていきたいと思っています。

私が書いたものが何らかの形で読者にポジティブな影響を与えられるのだとしたら、それ以上嬉しいことはありません。

「自分だからできる仕事ができているか」― これを意識することの重要性は、ライターに限らずどんな仕事でも同じなのではないでしょうか。

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