世界で一番ごはん(食事)がおいしい国は日本だと思う3つの理由

4年ほど専業でトラベルライターをしていたこともあり、私はこれまで世界60ヵ国ほどを旅してきました。

グルメな国というイメージの強いフランスやイタリア、ベルギーにも行きましたし、日本人のあいだで「ごはんが美味しい」と評判の、タイやマレーシアにも1ヵ月ほど滞在したことがあります。

しかし、世界のさまざまな国を旅すればするほど思うこと・・・それは「世界一ごはん(食事)が美味しいのは日本ではないか」ということです。

お店による当たりはずれが少ない日本

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私が「日本は世界一ごはんが美味しいのでは」と思う理由に、お店による当たりはずれがきわめて少ないことが挙げられます。日本では、たまたま通りかかったお店にふらっと入っても、だいたい「すごく美味しい」か「美味しい」か、「まあまあ」ですよね。

「全然美味しくない」とかましてや「まずい」と感じることはほぼありません。そもそも、日本人は舌が肥えているので、日本人の思う「まあまあ」はすでにハイレベルだと思いますが・・・

日本ではどんなお店に入っても大きく外すことはあまりありませんが、海外ではそうはいきません。

たとえばドイツでは、美味しい食事にありつこうと思うとある程度店を選ぶ必要があります。ダーリンと食事場所を探していたとき、車でいくつかのレストランがある町を通りかかったのですが、ダーリンが「ここは美味しいお店が一つもないからダメ」と言うのです。

小さい町だったとはいえ、少なくとも5、6軒のレストランがあったと思います。それなのに「全部美味しくないって、どういうこと!?」と思いました。しかもそれを言ったのはあまり味にうるさくないドイツ人のダーリン。

正直言って、ダーリンが「この店は美味しい」と言っても、私はそうは思わないことが多々あります。それなのにダーリンがはっきり「美味しくない」という店がそんなにあるなんて…

意外なことに、美食の国というイメージの強いフランスでも、下調べをしなかった場合、「はずれ」に当たってしまうことが珍しくありません。

また、よく「ご飯がおいしい」と言われるマレーシアでも、案外当たりはずれがあります。もちろんすごく美味しいものもあるのですが、「これは美味しい!」と思うような店は結構限られています。「何これ、味がない…」と思うこともしばしば。

定評のあるお店に行けば確かに美味しいのですが、地元の人でにぎわっている屋台でも美味しいとは限らないというのが私の印象です。(単に「味覚の違い」と言ってしまえばそれまでですが…)

どんな国の料理でも美味しい日本

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「日本は世界一ごはんが美味しいのでは」と思うもう一つの理由が、どんな国の料理も美味しいということです。私が今まで行った日本以外の国で、最も店による当たりはずれが少ないと感じたのはタイです。

タイには1ヵ月ほど滞在しましたが、通りがかりのお店にふらっと入っても、どこもそれなりに美味しくて、大きくはずすということはありませんでした。

しかし、そんなタイにも弱点が・・・タイでは、タイ料理や東南アジア料理はどこでも美味しく食べられますが、西洋料理や日本料理など、その他の地域の料理は場所を選びます。たとえば、「美味しいイタリアンが食べたい」と思ったら、日本並みの金額を払わないとなかなか美味しい食事にはありつけません。

また、欧米人観光客が多いので、西洋料理はそれなりに充実していますが、インド料理の店などはあまりありません。特別探さなくても普通に食べられる料理のバリエーションが結構限られるんですね

ひるがえって日本では、日本食が美味しいのは当たり前にしても、イタリアン、フレンチ、インド料理、ベトナム料理、トルコ料理…何を食べても美味しいです。私が日本人だからそう感じるというのもあるかもしれませんが、「こんなにどんな料理も美味しく食べられる国が他にあるのだろうか」と思っています。

実際、ドイツ人のダーリンはイタリアにも行ったことがあるのに「自分が今まで食べた一番美味しいピザは日本で食べたピザだ」と言いますし、過去にドイツで食べたインド料理が美味しくなかったらしく、「インド料理は好きじゃない」と言っていたのに、「一回ぐらい試そうよ」と言って日本でインド料理を食べてみたらたちまち好きになりました。

インド料理に関しては、個人的には日本のほうが本国インドよりも美味しいのではないかと思います。インドで食べるカレーは、店によっては油が大量に浮いていることがあって、私の場合すぐ胃がもたれてしまいます。

ひょっとしたらインド人は油が浮いたカレーを美味しいと感じるのかもしれませんが、私は、日本のインドカレーのほうが平均的に美味しい(日本人の口に合いやすい)と感じています。

東京はミシュランで世界一の美食都市

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これまで述べてきたことは、あくまでもいち日本人、そして私という個人の主観にすぎません。私が日本人だから日本の食事が美味しく感じるという要素は確かにあるでしょう。

しかし、2015年版のミシュランガイドで、東京が世界最多の星の数を獲得。最新の2017年版でも、東京は世界一のグルメ都市の座を維持しています。「ミシュランの評価がどのくらいその国や都市の食のレベルを表しているのか」について、議論の余地はあるかもしれませんが、プライドの高いフランス人がパリよりも東京に多くの星を与えているという事実には一定の意味があるのではないでしょうか。

しかも、2013年に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されましたね。四季折々の食材を使って作られる、目にも美味しい伝統的な日本料理は日本が世界に誇れるもののひとつだと思います。

おわりに

日本人にとって食へのこだわりはあまりにも日常的すぎて案外自覚していませんが、日本人ほど味や食事の内容(一品だけでは寂しいなど)にこだわる国民はそうはいないのではないでしょうか。

私の食事への感覚は、おそらく日本人としては平均的で、日本にいるときは自分が「味にうるさい」とか「食事にこだわる」と思ったことはありませんでした。でも、海外に出て「自分は食事にうるさい人間だったのだ」と気づいたのです。

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