在住者があえて語る、ドイツの嫌なところ・困るところ7つ

前回の記事で、「在住者が語る、ドイツのいいところ・好きなところ7つ」をご紹介しました。

「住めば都」とはいっても、ドイツに対して、「ここはちょっとな~」「ここはどうしても好きになれないな~」と思うところがあるのも事実です。

そこで今回は、個人の視点を通してにはなりますが、「ドイツに住んで思う、ドイツの嫌なところ、困ること7つ」をあえてご紹介します。

ドイツの食事が合わない

ドイツでは一般的な「冷たい食事」。私は温かいものが食べたいです…

これまでにも何度かお話してきましたが、残念ながら、ドイツの食事は私にはまったく合いません。ドイツ流の味付けは、私にとってはしょっぱすぎると感じることが多いですし、肉、チーズ、クリーム、バター、パンなど、私の体質には合わない食材を多用するので、ドイツ料理を食べるとすぐに胃が重くなってしまいます。

もちろん、味や食材の好み、体質は人によって違うので、日本人でもドイツの料理が好きだという人、おいしく食べられるという人はいます。だた、私が知っているドイツ在住日本人に限っていえば、「食事に困る、ドイツの食事が合わない」という人が圧倒的多数です。

ドイツ料理は、短期の旅行に楽しむくらいなら良くても、長期間食べ続けるのは日本人にとってつらいものがありますね。

ドイツ人のダーリンもドイツ料理よりアジア料理(日本食含む)のほうが好きなので、私たちの普段の食卓は、ドイツにいながらにしてほとんどアジアです。

冬が寒くて暗くて長すぎる

ドイツでは、一年の半分が冬と言っても過言ではありません。11月中旬、あるいは早ければ10月中旬から日本人の感覚でいう「冬」のような寒さになります。そして、5月や6月くらいまで寒さが続くことがあります。(もちろん、徐々に暖かくはなっていくのですが、冬のような寒さがぶり返すときがあります。)

年によっても違いますが、去年(2016年)の場合は、安定的に暖かくなったのは6月に入ってからでした。いえ、6月でもまだ肌寒い日があった気がします。

寒いだけならまだいいですが、ドイツの冬はとっても暗いです。日本は冬でもすっきりとした青空が見えることが多いですが、ドイツでは夏以外で爽やかな青空が広がることはあまりありません。ドイツに住んでみて、「日差しがない」ということが、どれだけ人間にとってストレスになるのかということが身をもってわかりました。

「青い空が見たい!」「陽の光を浴びたい!」と叫びたくなることもしばしば。私たちが住んでいるバーデン=ヴュルテンベルク州のキャッチフレーズは”The Sunny Side of Germany”なのですが、ブラックジョークとしか思えません…

お役所との闘いがとにかく大変

日本じゃありえないことが起こる!ドイツ生活はお役所との闘い」でもご紹介しましたが、ドイツではとにかく役所の手続きなどが大変です。

電話をしても誰も出ない、メールを送っても2週間以上返信がないことはザラ。

特に外国人局は混んでいるので、ちょっとした用事でも数時間仕事になることを覚悟しなければなりません。17時まで開いているはずの窓口に15時に行ったら、「混んでいるから今日はもう閉まっている」と言われたこともあります。

今一番困っているのは、ダーリンとの結婚手続きにすでに9ヵ月もかかっていること。私が現在しばらくドイツを離れているのもそれが理由です。まったく埒が明かないので、昨年末に弁護士を雇いました。弁護士曰く、「もうすぐ結婚の許可が下りるはず」だそうですが…その通りになることを祈るばかりです。

日本人どうしの結婚と違い、国際結婚はパートナ―の国での自分の権利や地位に大きくかかわってくるので、切実です。

日祝にスーパーが閉まって不便

「ドイツでは日曜日にお店が閉まる」というのは、過去のドイツ旅行の経験から知っていました。もう7年ほど前になりますが、ドイツ旅行の最終日、ミュンヘンでおみやげを買おうと思っていたら、その日が日曜で何も買えなかったことは今でもはっきり覚えています。

ドイツで暮らし始めて、日曜・祝日はスーパーでさえも閉まると知って驚きました。大きな駅にはキヨスクのようなものがあったりしますが、ドイツには基本的にコンビニがないので、週末になると「まずい、買い物行かないと!」と焦ります。

ドイツはサービスが悪い

日本ほどサービスの良い国は海外にはそうはありませんが、それにしてもドイツはサービスが良くないと感じます。お店やレストランでも、「迅速なサービスを提供しよう」という意識は感じられず、「待たせておけばいい」という雰囲気ですし、愛想が悪かったり高圧的な態度をとるスタッフもいます。(もちろんフレンドリーなスタッフもいますよ!)

スイスに行ったときは、すぐ近くにある隣の国なのに「あれ、ドイツよりサービスがいい気がする」と思いました。それをダーリンに言ったら、「そりゃ、ドイツよりサービスが悪い国なんてあんまりないからね」との返答。

ダーリンのその意見はちょっと誇張のような気もしますが、ドイツでは自分が払った金額以上のサービスは期待できないと思っておいたほうがいいです。いえ、むしろドイツでは「サービス」はとても高額なので、日本のサービスに慣れていると、「金額に見合わない」と感じることも少なくないかもしれません。

ドイツ在住で作家の川口マーン恵美さんも、著書でドイツを「サービス不在の国」と称しています。

どこでもタバコを吸う人・平気でポイ捨てする人がいる

ドイツで外に出ると、ものすごく嫌なのがこれ。私は日本ですら「喫煙マナーが悪い」と思っていたのですが、ドイツに暮らし始めてから、「実は、日本の喫煙マナーはましだったんだ!」と知りました。

ドイツでは、飲食店など閉じた公共の施設は禁煙です。(飲食店は店内禁煙・テラスは喫煙OKの店が多い)そのため、日本のようにレストランやカフェの店内でタバコの煙にさらされることはないのですが、街に出るとあちこちでタバコを吸っている人がいます。

駅のホーム、トラムの停留所、路上…「禁煙」になっていない限り、周囲の迷惑など考えずにタバコを吸う人がそこらじゅうにいます

さらには平気でタバコをポイ捨てする人が多いので、ドイツの街なかはタバコの吸い殻だらけです。掃除もいいかげんなので、石畳にはタバコの吸い殻がめり込んだ状態でいつまでも放置されています…ただし、観光地として有名な街や、小さな街はそのようなことはありません。

町に落書きが多い

喫煙マナー同様、私がまったくもって理解不能なのが落書きの多さ。ヨーロッパのたいていの国では日本に比べ落書きが多いですが、いくらなんでも目に余ります。

不思議なのは、ドイツ人は古い街並みや景観をとても大切にするわりに、なぜ落書きを放置しておけるのかということ。歴史的建造物に落書きされていることも少なくないので、「落書きとタバコの吸い殻さえなければ、この町はもっとキレイなのに」と残念に思うこともあります。

「消しても消してもまた落書きをされるから」という理由で放置しているのかもしれませんが、落書きに対する罰則を強化するなどして、なんとか落書きを防ごうとはしないのかと、疑問に思います。ただし、落書きもタバコの吸い殻同様、観光地として有名な街や小さな街ではあまり見かけません。

おわりに

今回あえてドイツの嫌なところ、困るところを書いたのは、そのほうがドイツの実情を知りたい人・ドイツ移住を検討している人の参考になるのではと思ったからです。

完璧な人がいないのと同じように、完璧な国もありません。だから、いいところばかりというのはあり得なくて、負の部分や、自分が好きになれない部分があって当然です。

ダーリンの母国であり、浅からぬ縁をもつことになった以上、いいところだけでなく、「ここはちょっと…」と思う部分も含めて、ドイツという国とうまく付き合っていかないといけないと思っています。

はるぼぼ
ドイツのいいところを書いた記事もあわせてどうぞ。