先日、ドイツ語のA1試験を受けたことをお伝えしました。結果は無事合格。A1といえど100点満点中98点という意外な好成績に驚いています。これでドイツの配偶者ビザが取得できる、はず・・・
ドイツ語のA1試験を受けるのは、私のようにドイツの配偶者ビザのためという方が多いのではないかと思います。今後A1試験を受けられる方の参考になればと思い、私が実践した勉強法をご紹介します。
ドイツ語A1試験の概要については「異文化体験!ドイツの配偶者ビザ取得に必要なドイツ語A1試験を受けてきた」にて。
語学学校は必要?通学か独学か
まず、ドイツ語のA1試験に合格するために、語学学校に通う必要があるかどうかです。結論からいえば、特に学校に通う必要はありません。私は突然A1試験を受けなければならない状況になったため、語学学校に通う時間はなく、自力で勉強しました。
ただし、独学で確実に合格しようと思えば、ドイツ人あるいはドイツ語ができる人のサポートがあったほうがいいです。というのも、A1試験は短い作文やスピーキングもあり、一人だと自分が作った文章が正しいのかどうか判断ができないからです。
ドイツ人のパートナーがいる方はパートナーに助けてもらうといいですし、そうでなくてもタンデムパートナー(言語交換パートナー)を見つける、オンラインでレッスンを受けるといった方法があります。
語学学校に通うと、学習に対する強制力が働く、友達ができるといったメリットがありますが、お金がかかる、時間を拘束される、自分の学習ペースに合わない場合があるといったデメリットもあります。
自力で勉強する自身のない方や友達を作りたい方、どうしてもドイツ語ができる人からのサポートが得られない方などは語学学校に通ってもいいと思いますが、そうでなければその必要はありません。
ドイツ語A1試験対策に使った教材
私がA1試験対策に使った教材はこの2冊。「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」と「Prufungstraining Daf: Start Deutsch 1」。いずれもドイツの書店ではたいてい売っていますし、日本ではアマゾンで購入可能です。
どんな試験にもいえることですが、試験の合格を目指すなら、その試験に対応した教材を選ぶことが大切。いうまでもないことですが、私は「試験」と名の付くものを受けるのが久しぶりすぎて、それに気づくのに少し時間がかかりました・・・
「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」はテキスト兼ワークブックになっていて、アウトプットをしながら学習できるのが特徴です。日常生活に根ざした実践的な内容なので、これを使ってみて、「テストに関係なくもっと早くこういう勉強をすればよかったなぁ」と思いました。
「Prufungstraining Daf: Start Deutsch 1」は、模擬問題集です。実際のA1試験と同じスタイルで出題されるので、A1試験の傾向を理解して、試験問題に慣れるのにぴったりです。
どんな試験でも、その試験がどんなものかわかっているのといないのとでは、大違い。模擬問題集で試験問題のパターンに慣れておくと、気持ちに余裕を持って試験に臨むことができます。
まずは日本語教材でドイツ語の基礎の基礎をおさえる
上記の2冊は、独学でA1試験の合格を目指すうえで、とてもおすすめです。でも、ドイツ語学習自体をこれから始めるとしたら、いきなり「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」に手をつけることはすすめられません。
テキストの中身がすべてドイツ語なので、ドイツ語の知識がゼロの状態でこのテキストを開くとちんぷんかんぷんでしょうし、文法的な説明も十分とはいえません。
少なくとも、超基本の単語や主語に使われる人称代名詞や基本的な冠詞、おもな動詞の現在活用などは日本語の教材で学んでから、「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」に取り掛かることをおすすめします。ひとつステップが増えるように感じられるかもしれませんが、結局そのほうが近道です。
私はドイツ語の文法学習用に「本気で学ぶドイツ語」、単語学習用に「キクタン」を使いました。
「本気で学ぶドイツ語」は、基礎から上級までドイツ語の文法を網羅している良書。もっと親しみやすい見た目の教材もありますが、タイトル通り「本気で学ぶ」ならやっぱりこれだと思います。ドイツ人のダーリンも「この本はいいと思う」と太鼓判。
ドイツ語A1試験合格に必要な勉強期間
多少のドイツ語の知識があるかどうか、ドイツ語学習だけに集中できるのか、仕事など他に多くの時間を割かなければならないことがあるのかどうかによって違いますが、ドイツ語の知識がゼロの状態で、仕事などをしながら勉強する場合は6か月程度は見ておいたほうがいいと思います。
最低限のドイツ語の知識があって、すぐに「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」から始められる場合は、仕事などをしながら4ヵ月程度でしょうか。もちろん、これらはその人の学習スピードにもよって異なるので、あくまでも目安です。
私の場合、A1試験を受けなければならないことが判明したのが、5月のはじめ。実際に試験を受けたのが7月下旬です。しかし、そのあいだに2週間と3週間の取材旅行が入っていたので、正味の勉強期間は1ヵ月半程度でした。
仕事をしながら「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」を3週間で、「Prufungstraining Daf: Start Deutsch 1」を1週間で終わらせ、試験までの余った時間を「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」の復習に充てました。
もともとある程度のドイツ語の知識があったとはいえ、一日あたり「Begegnungen Deutsch als Fremdsprache A1+: Integriertes Kurs- und Arbeitsbuch」を10ページ以上こなすのはけっこう大変でした。もちろん、早めに勉強を始めればそんな羽目にならずに済みます・・・
ドイツ語A1試験は対策すれば絶対合格できる
ドイツ語A1試験の合格ラインは60パーセント。基礎とはいえ、読解、筆記、リスニング、スピーキングというある程度の総合力が問われるうえ、出題されうる単語の範囲も案外広いので最初は戸惑うかもしれませんが、今回ご紹介した2冊にきちんと取り組めば、心配はいりません。
これから試験を受けられる方は安心して頑張ってください。ちなみに、ドイツで試験を受ける場合、2、3ヵ月先まで満席なんていうことも珍しくないので、早めの予約をおすすめします。
※なお、ドイツの配偶者ビザ取得のために100パーセントA1試験の合格証が必要とは限りません。最近はA1試験の合格証を求められるケースが多くなってきていますが、地域によってはなくても大丈夫な場合もあるかもしれませんので、詳細は管轄の外国人局に問い合わせてみてください。