私たちは日独夫婦。以前は2人でドイツに住んでいたこともありましたが、今は日本で暮らしています。
今回は、外国人パートナーが日本に滞在するための配偶者ビザ(在留資格認定証明書)のお話。
申請から2ヵ月半、ようやくドイツ人ダーリンの在留資格認定証明書がおりました。いわゆる「配偶者ビザ」を取得するための申請が許可されたということです。
私がフリーランス、ダーリンが学生という状況で、経済面が危ぶまれるのではないかとも思われましたが、無事申請が許可され、日本永住に向けて一歩前進です。
日本の配偶者ビザ申請に必要なもの
外国人配偶者が日本で暮らすための在留資格認定証明書交付申請(いわゆる配偶者ビザ)の申請に必要なものは下記の通り。
「在留資格認定証明書交付申請」は長ったらしいうえ、あまり一般的な用語ではないので、今後はよく使われる「配偶者ビザ」と呼びたいと思います。
下記の必要書類を揃えたうえで、日本の入国管理局で手続きを行います。現在海外在住の方の場合、条件によっては日本大使館で手続きができることもあるそう。詳細は在住国の日本大使館に確認してみてください。
- 在留資格認定証明書交付申請書 1通
- 写真(縦4cm×横3cm) 1葉
- 配偶者(日本人)の戸籍謄本(全部事項証明書) 1通
- 申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書 1通
- 配偶者(日本人)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの) 各1通
- 配偶者(日本人)の身元保証書 1通
- 配偶者(日本人)の世帯全員の記載のある住民票の写し 1通
- 質問書 1通
- スナップ写真(夫婦で写っており,容姿がはっきり確認できるもの)2~3葉
- 392円切手(簡易書留用)を貼付した返信用封筒
詳細は法務省ホームページにて。
入国管理局に電話で問い合わせるのが吉
なんらかの理由で上記の必要書類の一部が用意できない場合や、私たちのように外国人配偶者が学生など、一般的にあまり想定されていないイレギュラーな状況にあるときなど、申請になんらかの不安があるときには、まずは管轄の入国管理局に電話で問い合わせてみることをおすすめします。
それぞれの夫婦の状況により、提出すべき書類が異なってくる場合があるので、勝手に自己判断するよりは、最初に入国管理局に確認をとるほうが簡単ですし確実だからです。
私の場合、「夫が学生でドイツの両親から経済援助を受ける」旨を伝えたら、「それではドイツのご両親の所得または預金額が証明できる書類を提出してください」といわれました。
本来であれば日本人配偶者(私)の所得の証明が求められるところですが、私たちのケースの場合、ダーリンの両親の経済力のほうが重要と判断されたようです。
入国管理局に電話したときにいわれたのは、「ホームページに記載しているのは、必ず提出してほしい書類であって、それ以外のものを提出してはいけないということではないんです。ほかに申請上有利になりそうな書類があれば、追加で提出していただくといいですよ。」ということでした。
プラスの材料は積極的に出したほうが、申請が通りやすくなるんですね。
経済状況を説明する追加書類を提出
一般的に、日本で配偶者ビザの申請が不許可になるパターンは大きく分けて「偽装結婚の疑いがある」「日本での生活を営んでいるだけの経済力がない」「過去に犯罪等の問題行為を起こしている」の3つ。
私たちの場合、あとの2つはまったく問題ないものの、私はフリーランス、ダーリンは学生ということで、経済力が不安視される可能性があると考えました。
そこで、上記の必要書類に加え、追加で私たちの経済状況を説明する追加書類を提出することに。その追加書類には、次のようなことを記載しました。
- 夫婦の現状の生活について
今どこでどのように暮らしているのか、概要を説明。 - 夫への本国からの経済援助について
ダーリンがドイツにいる実の両親からの経済援助を中心に生計を立てる旨を説明。 - 妻の仕事と収入について
私はフリーランスであるものの収入はあり、どのような仕事をしているのかを説明。 - 夫婦の預貯金について
夫婦の預金額を提示し、なんらかの事情で急にまとまったお金が必要になっても対応できる旨を説明。 - 過去の生計維持について
ドイツでも2人で暮らしていた経緯があり、その際も経済的トラブルがなかった旨を説明。 - 日本での今後の生計維持と将来設計について
上記の書類に加え、さらにダーリンの両親の収入を証明する書類は、私たち夫婦の口座残高を証明する書類などを提出しました。
入国管理局の疑問に先回りすべし
上記の追加書類を提出しなかったらどうだったのか、それはわかりません。実際のところは、ダーリンがドイツという信頼のおける国出身であることもかなり貢献しているのではないかという気がします。
追加書類がなくても配偶者ビザの申請が許可された可能性はありますが、一度申請して却下されて再申請なんてことになれば、相当な時間がかかるので、最初に申請する時点でできるだけの準備をしておくのがベストです。
配偶者ビザの申請にあたっては、入国管理局で懸念されそうなポイントに対し、疑問に先回りして「これこれこういう理由で、私たち夫婦は大丈夫です」という回答を用意しておくのがポイント。それを怠って申請が却下されても文句はいえません。
私たちの場合は「経済力」がポイントだと思ったので、経済力に関する疑問を徹底的に先回りして解決しました。正直、「個人でここまでやる人はあまりいないんじゃないか」と思ったほどです。
配偶者ビザ申請は自力でできる
ネットで配偶者ビザの情報を見ていると、「配偶者ビザ申請をサポートします」という行政書士事務所などのページが大量に出てきます。
そしてそういったページでは、「あなたは当てはまっていませんか?こんなケースはビザ申請が不許可になる可能性があります」と、不安をあおるような文言がたくさん踊っているんですよね。
私もそういったページを見て若干不安になりましたが、彼らの目的はビジネス。潜在ユーザーの不安をあおることで、より多くの顧客をつかまえることが目的なので、そこに書いてあることを真に受ける必要はありません。
もちろん、参考になる情報もたくさんあるのですが、そこに書かれている情報を参考にすることと、その事務所に依頼することはまた別問題です。
今回、私が配偶者ビザ申請を経験して感じたのは、基本的には「配偶者ビザ申請は自力でできる」ということ。私たちのように入国管理局で懸念されそうなポイントがあったとしても、個人でちゃんとその疑問を解消するような書類を揃えて出せばいいわけです。
自分でもできることを行政書士事務所に依頼して、多額のお金を払うなんてもったいないですよね。もちろん、私たちよりもずっと厳しいケースもあるでしょうから、そういう場合は事務所も使いようかとは思いますが。
いずれにせよ、「自分たちが真実の結婚(偽装結婚)ではなく、経済的にも社会的にも日本での生活を維持していける」ことをちゃんと説明できる夫婦であれば、まずは個人で申請する方向で考えればいいのではないかと思います。
私の場合は、最初に入国管理局に問い合わせて「夫が学生で、本国ドイツの両親から経済支援を受ける」旨を話したとき、応対してくれた職員の方は、「あっ、そうなんですかぁ~」という感じで、「その条件でビザ発行は厳しいなぁ」と考えている風ではまったくありませんでした。それもあって、「書類さえちゃんと作ればなんとかなる」という印象を抱いたのです。
自分たちのケースが入国管理局にどのような印象を与えるか、不安な場合はまず電話して状況を話してみればなんとなくつかめるかもしれません。
おわりに
日本の配偶者ビザ申請は、準備しなければならない書類が多く、なかなか面倒です。ですが、「難しい」というわけではありません。
「夫婦の年収が○○円未満の場合は却下」といった一律した基準もないようですし、最終的には全体的な「心証」で決まるのではないかというのが私の印象。
だからこそ、懸念材料がある場合などは追加資料を用意するなどして、入国審査官の疑問を先回りして解消できれば、許可されるケースが多いのではないかと思っています。
ちなみに、家に届いた「在留資格認定証明書」を持って入国管理局に行ったら、即日在留カードが交付されました。実はこれ、本来のルールとは異なるイレギュラー対応なのですが、すんなりとことが運んだのでその模様はまた後日。