運転免許に関するルールは国によってさまざま。
ドイツをはじめ先進国の免許をもつ人はとてもラッキーで、国際免許を持っていなくても、簡単な書類手続きだけで外国の免許証を日本の免許証に切り替えることができます。
今回は、ドイツ人のダーリンが、日本でドイツの運転免許を日本の免許に切り替えたエピソードをご紹介します。
ドイツ免許⇒日本免許の切り替えは書類手続きのみ
以前、「外国の免許証を使って日本で運転する方法~「上陸から1年間」ルールに注意!~」でドイツの免許を持っている場合、在日ドイツ大使館やJAFなどで発行された日本語訳があれば、そのままドイツの免許を使って日本でも運転ができるというお話をしました。
しかし、翻訳文だけで運転するのは限界があり、日本の居住者となった場合(日本で住民登録をして)、直近の上陸(日本入国)から一年以上が経つと、日本の免許を取得しなければなりません。
期限まではまだ余裕がありますが、早めに日本の免許がほしいということで、ドイツ人ダーリン、先日免許の切り替えに行ってきました。
ドイツの運転免許を日本の免許に切り替える手続きは簡単。ドイツの免許保持者は、交通知識や実技の試験を免除されているため、書類の手続きで済んでしまうのです。
※ドイツを含む26の国と地域が、知識及び実技の確認免除国に該当するため、下記の国と地域の運転免許を日本免許に切り替える場合、基本的に同様の手続きになります。
アイスランド、アイルランド、アメリカ(メリーランド州・ワシントン州・ハワイ州のみ)イギリス、イタリア 、オーストラリア、オーストリア、オランダ、カナダ、韓国、ギリシャ、スイス、スウェーデン、スペイン、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ、ニュージーランド、ノルウェー、ハンガリー、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、モナコ、ルクセンブルク、台湾
ドイツ免許⇒日本免許の切り替えに必要なもの
- 申請書(申請先の試験所で配布)
- 写真(縦3cm×横2.4cm)2枚
- 本籍(国籍)が記載の住民票の写し1通(コピーではありません)
- 有効な外国免許証(この場合はドイツの免許証)
- 外国免許証の翻訳文(大使館、領事館の領事又はJAF等で翻訳した正式なもの)
- 外国免許取得後、当該外国等に通算して3か月以上滞在していたことが確認できるもの(通常はパスポートで確認しますが、パスポートで確認できない場合は、法務省発行の出入(帰)国記録等)
- 眼鏡等(運転に必要な場合)
- 手数料(免許の種類によって異なり、今回の場合6000円程度)
- 失効したパスポートや免許証がある場合、それも持参
申請先と受付時間
外国免許の切り替え手続きができるのは、運転免許の試験場のみ。住所変更のように、警察署で行うことはできません。
しかも、申請の受付は平日の13時~13時30分というピンポイント。ダーリンは大学院生で講義がない日もあるので、比較的行きやすいですが、平日に仕事をしている人は大変ですね。
※私たちが住んでいる福岡の場合。地域によって異なる場合もあるので、管轄の試験場に確認してください。
外国に3か月以上滞在していた証明が鬼門だった
今回の必要書類のうち、ちょっと面倒くさそうなドイツの運転免許証の翻訳は、以前に東京のドイツ大使館で取得していたので、今回新たに取得する必要はありませんでした。
運転免許の試験場に必要書類を確認して、「なんだ、もう揃ってるじゃん」と安心したのもつかの間、問題が発生・・・ダーリンは日本に移住する直前にパスポートの切り替えを行っていて、新しいパスポートでは、3か月以上ドイツに滞在していることが証明できないのです。
ダーリンがドイツで運転免許を取得したのは2012年のことなので、それから5年以上はドイツに住んでいたわけですが、それを証明せよと言われると難しい。ドイツの場合、パスポートを切り替えると古いパスポートは回収されてしまうので、以前のパスポートも残っていません。
学位取得の証明書とアルバイト先の推薦状で対応
今回のダーリンのケースのように、パスポートでの証明が困難な場合、その国で働いていたことを示す就労証明書や、法務省発行の出入国記録等で代用するそうです。
私が電話で管轄の試験場に問い合わせたところ、「法務省に頼んだら出入国記録を出してくれますけど、2~3週間かかるみたいですねぇ」と言われ、「面倒だなぁ」と思っていたところ、ドイツの大学の学位取得証明書で対応できないかと思いつきました。
その旨を試験場の方に話したら、「原本があれば、申請を受理する方向で検討します。でも、学位取得の証明書では、ドイツにいた期間の証明にならないので、一年間は初心者マークをつけてもらうことになると思います」という微妙な返答。
「受理します」と断言できないのは理解できますし、「ダメなものはダメ」といわずに、融通をきかせてくれるのは、日本の役所のありがたいところですが、なぜ初心者マーク?
結局、学位取得証明書と日本の大学院を受験する際に取得した、大学時代のアルバイト先からの推薦状(勤務期間が記載されたもの)を、私の日本語訳とともに持参することに。日本語訳は別にしなくてもいいといわれたのですが、今回ダーリンを一人で申請に行かせたので、念には念を入れました。
即日日本の免許証をゲット!
管轄の試験場には英語がまともに話せる方がいないということだったので、若干心配しつつも、私は時間が取れなかったのでダーリン一人が申請に。運転免許の試験場は不便な場所にあるので、行くのに時間がかかるんですよね・・・
「何かあったら電話して」といっていたのですが、なにも問題はなかったようで、申請はあっさりできたようです。
私が電話で問い合わせた際は、コンタクト使用の有無や過去の交通違反歴などを聞かれるという話でしたが、なにも聞かれなかったとか。日本語が完璧でない外国人に色々聞くのが、面倒だったのでしょうか。謎です。
申請後その場で待って、日本の運転免許をその日のうちにゲット!申請に必要なものに写真があったので、その写真が免許証に載るのかと思いきや、免許証用の写真は改めてその場で撮ったようです。
ちなみに、今回学位取得の証明書で申請が受理されましたが、やはり最初の一年間は初心者マークを付けるよういわれたそうです。謎の措置・・・
勤務期間が記載されたアルバイト先からの書類もあったのですが、それでは不十分とみなされたんですかね。いずれにせよ、問題なく日本の免許証が取得できたのはよかったです。
ドイツの免許証はそのまま
ドイツの運転免許証を日本の免許証に切り替えたら、ドイツの免許証はどうなるのか、疑問に思う方もいるかもしれません。ダーリンもその点を気にしていました。
外国の運転免許証を日本の免許に切り替えた場合、外国の免許証はそのまま手元に残ります。ドイツに行けば、前と同じようにドイツの運転免許証をそのまま使えるわけですね。
その一方で、日本の運転免許証をドイツの免許証に切り替えた場合、一時回収され、一定期間ドイツの免許センターで保管後、在独日本大使館あてに郵送されることになっているとか。しかし、必ずしも郵送されてこないケースもあるそうで、日本帰国予定の方は、若干不安を感じる対応になっているようです。
おわりに
とにもかくにも、日本の免許証をゲットし、ドイツの免許証も残ってラッキー。レンタカー等も、色々説明することなくスムーズに借りられますし。
ダーリンは、さっそく翌日100均で初心者マークを買ってきていました(笑)。100均にそんなものがあるとは、私も知らなかったのですが、試験場の方に聞いたようです。