「フリーランストラベルライター」が正社員転職で意外に強かった4 つの理由

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。私はこの8月に、フリーランスのトラベルライターから正社員(事業会社の広報担当)に転職しました。

転職活動を始める前は、「フリーランスのトラベルライター」という肩書がマイナスに働くのではないかと懸念していましたが、むしろプラスに働いた場面もありました。

前回の「【実録】フリーランス旅行ライターから正社員への転職記」では、転職の道のりをお話しましたが、今回は「フリーランスのトラベルライター」という肩書がプラスに働いた場面があった、その理由をお伝えしたいと思います。

「自分で仕事を創り出せる」と思われる

「フリーランスのトラベルライター」という肩書がプラスに働いた理由のひとつが、「自分で仕事を創り出せる」と思われることです。

企業が最もいらない人材タイプの筆頭が、「指示待ち人間」、「自分で考えて動けない人」だと思います。その一方で、フリーランスとして仕事をするということは、自ら応募する、営業する、情報発信をするなどして、主体的に考えて行動するということ。

何らかの形で、自ら仕事を創り出さなければ収入が得られないのがフリーランスですから、「フリーランスとして一定期間活動し、食べていけるだけの収入を得てきた」ということ自体を評価してくれた会社(面接官)も存在しました。

フットワークが軽いと思われる

ベンチャー色の強い企業など、スピード感を大切にしている企業では、国内外のあちこちを旅していたという、フットワークの軽さも評価されました。「フットワークが軽い」というのは、「行動が早い」というプラスのイメージに結びつきます。

さらに、海外展開を行っている企業や海外展開を目指している企業では、専門的な知識があるわけでなくても、「世界の色々な国のことを知っている」ということ自体がプラスに働くこともありました。

私の場合、見た目が「おとなしい常識人」っぽいので、「実はフットワーク軽いんです」というギャップが功を奏したような気がします。

文章力が評価される

当然のことではありますが、プロのライターとして一定期間活動していれば、文章力は平均よりも高いはず。ライターとしての正社員就職を目指す場合はもちろん、ライター職でなくても、文章力が評価される場面があります。

例えば、私が現在行っている広報業務。プレスリリースはもちろん、コラムの執筆なども行うので、コミュニケーション能力や調整力に加え、文章力もかなり重要な要素です。一口に「広報」といっても、会社によって重視する要素は異なると想いますが、「ライター的要素」を重視する企業であれば、フリーランスライター出身者が活躍できる可能性も十分あります。

取材力が評価される

基本的に、フリーランスライターというのは「文章を書くこと」だけが仕事ではありません。「ライター」という名称から、書くことばかりがフォーカスされがちですが、トラベルライターという仕事においては、観光局やホテルなど、クライアントやパートナーから話を聞き、その魅力を引き出すような「取材力」も大切になってきます。

聞いた話をいかに伝わりやすく、魅力的に文章に起こせるかというのも取材力の要素ですが、本質に迫る「質問力」もとても大切。その能力があれば、営業やコンサルティングなどの業務にも生かせますよね。フリーランスライターの転職活動では、いかに「文章を書く」以外の能力があり、「文章を書く」以外の経験をしてきたかを伝えることが重要なのです。

フリーランスライターの転職面接では「文章力」を売りにしてはいけない

今回の転職活動では、最終的に文章力や構成力、表現力といった「ライター的要素」がダメ押しとなって採用が決まりました。しかし、フリーランスライターの転職面接では、「文章力」を売りにしてはいけません。

というのも、プロのライターとして文章を書くことで食べてきた以上、文章が書けるのは当たり前だから。たとえ文章力を問われる仕事であっても、文章力は職務経歴書で発揮すればいいのであって、面接でアピールすべき要素ではありません。

正社員として活躍するうえでは、対人折衝力や営業力、マネジメント能力など、文章力+αの能力があることをアピールするのが得策です。職務経歴書でどんな文章を書いてどんな実績を積んできたのかをPRするのはいいと思いますが、いくら面接で文章力をPRしても伝わりませんし、下手をすると「文章力だけの人」と思われかねません。

その企業や職種で求められる能力とは何かを考え、それとリンクする能力や経験があることを示すことができれば、未経験の仕事でも採用されるチャンスはあります。

「フリーランスライター」としての経験・スキルを評価してくれる人はいる

実際に、私は「広報職」としての実務経験はないものの、広い意味での広報活動は行ってきたことをアピールし、広報担当として採用されました。

「フリーランスライター」と言うと、微妙な反応をされることもあると思いますが(そういう場合は書類選考で落とされます)、前向きに転職活動に取り組んでいれば、会社員とは異なる経験やスキルを評価してくれる会社(人)は必ずいます。

特に、若い会社や勢いのある会社であれば、「面白そうな人だな」と興味を持ってくれることも少なくありません!転職した今は、社外の人と会う時、「転職前は旅行ライターをやってたんですよ~」と言うと興味を持ってくれて、相手の印象にも残りやすいので、そういう意味でもメリットを感じています。

なかには「社会性に問題があるからフリーランスをやっているのではないか」など、フリーランスに対して懐疑的な人もいますが、大切なのは、「フリーランスライター」という肩書に誇りと自信を持ち、そのうえで正社員転職という選択にも自信を持つこと。

何をしているにせよ、自分のやっていることを信じている人は強いんです!

まだまだ一部に「正社員のほうが偉い」とか、「フリーランスとフリーターって何が違うの?」みたいな変な価値観の人もいますが、自分の選択に自信を持っている人は、輝いて見えるはず。もしこれを読んでいる人のなかに、現在フリーランスライターをしていて、正社員転職を目指している人がいたら、自信を持って前向きに頑張ってほしいです。