【実録】フリーランス旅行ライターから正社員への転職記

フリーランスライターから正社員転職して、早1ヵ月あまり。フリーランス時代と違って時間の融通がきかず、通勤にも時間をとられるので、何かと忙しい日々を送っています。

本日は、私の転職活動についてお話したいと思います。というのも、「転職」というのは、「正社員→正社員」が圧倒的に多いパターンで、「フリーランス→正社員」というのは珍しいケース。

現在フリーランスで正社員就職を目指している方はもちろん、フリーランス経験や転職経験のない方にとっても、読み物として面白いものになるのではないかと思いました。

正社員総合職→フリーランストラベルライター→正社員総合職

一口にフリーランスといっても色々ありますし、またフリーランスになる前に別のキャリアがあったかどうかによっても、事情が変わってきます。そこで、まずは前提としてこれまでの私の経歴を簡単にお伝えします。

四年制大学卒業後、大手百貨店に正社員総合職として6年勤務。その後ドイツ移住を機にフリーランスのトラベルライターに転身し、4年ほど活動してきました。現在は、福岡の企業で広報担当として働いています。現在勤めている会社も、雇用形態としては正社員総合職です。

3月転職決意、7月転職決定

正社員総合職からフリーランスになった私が、再び正社員就職を考え始めたのは、日本に帰国して福岡への定住が決まった2019年3月下旬ごろ。

日本帰国後もしばらくは、「これからもフリーランスとしてやっていけそう」と思ってしましたし、実際にそうするつもりだったのですが、「子どもができたらどうせ好きなときに旅行なんてできない」と気付き、フリーランスを続けるメリットが低いように感じ始め、唐突に正社員就職を考えるようになりました。

※正社員就職を決めた理由について、詳しくは「なりたい人必見!私がフリーランスのトラベルライターを辞めるワケ」で語っています。

その後、一時フリーランスを続けるかどうか迷ったり、なかなか希望の求人がなかったり、ゴールデンウィークやドイツ取材、トルコ旅行などをはさんだりしたため、最終的に今の会社に就職が決まったのは2019年7月のこと。

それほど「たくさんの企業に応募した」という感覚はないのですが、転職活動を中断している時期が長かったため、思った以上に長丁場になりました。

フリーランスライターから正社員への就職は厳しい?

正社員就職を決めた際、私が懸念したのは「フリーランスライターから正社員への道は厳しいのではないか」ということです。

「フリーランス」といっても色々ですが、専門的スキルのあるエンジニアやwebデザイナーならともかく、「ライター」というのは専門性が低いと思われがち(日本語の文章を書くこと自体は、日本人なら誰でもできるから)なうえ、しかも分野が旅行だったので、「社会の枠から外れた人」とみなされるのではないかと感じていました。

しかも、今回私が目指したのは「ライター」としての正社員就職ではなく、広報や人事など、新しい職種へのチャレンジです。未経験ということもあり、書類選考で落とされるのではないかと懸念していました。

必ずしもマイナスにならなかった「フリーランストラベルライター」という肩書

ところが、実際に転職活動を始めてみると、フリーランスのトラベルライターという経験が必ずしもマイナスに働かないことが判明。

「フリーランストラベルライター」という肩書だけを見れば、「よくわからないけどフラフラしていそう」「社会常識がなさそう」という印象をもたれかねません。

私の場合は、出身大学が語学系ではトップクラスの有名私大だったことと、総合職として大手百貨店に勤務し、本社での営業企画などを経験していたという、フリーランスのトラベルライターになる前の経歴がそういった懸念を払拭してくれたように思います。

それが功を奏してか、書類選考落ちは思ったよりも少なかったです。ただし、堅い社風の企業にとっては、「フリーランストラベルライター」という肩書はマイナスに働くのか、老舗の大手企業や一部上場企業の場合、書類選考で落とされることもありました。

そもそも私が転職活動をした福岡では、営業職やサービス職を除いて老舗の大手企業や一部上場企業の求人はほとんどないのですが・・・

正社員就職を目指すフリーランスライターにとっては、一部上場企業や老舗の大手企業よりも、マザーズ上場企業やベンチャー企業、中小企業あたりのほうが、うまくいく可能性が高いように思えます。ただし、営業職やサービス職の募集は非常に多いので、それらの職種なら、老舗や大手も目指せるかもしれません。

ちなみに、私の場合、転職サイト上のスカウトが多かったのは、営業職、サービス職(ホテルのフロントや高級時計の販売など)、広告プロデューサー、編集・校正、ライターなどの職種です。

希望の求人がない!可能性が狭まる地方転職

「フリーランストラベルライター」という肩書自体は、思ったほどマイナスにならなかったのですが、私が最も苦労した原因が、福岡の就職環境でした。

私が福岡で転職を始めて直面したのが、地方転職の可能性の狭さ。福岡は九州では随一の都会なので、求人がないということはないと思っていたのですが、私が希望していた広報や人事の求人は思いのほか少なかったのです。

第一希望は広報だったので、大手の転職サイトで検索してみるも、ヒットは0件!大学時代から東京に住んでいて、就活も東京で経験しているので、特に不自由を感じることはなかったのですが、地方就職って、こんなにもチャンスが限られるんですね・・・

福岡で多いのは、営業職やサービス職。本社に設置される管理部門の求人はもともと少ないうえ、実務経験がなければ応募不可という企業が多いんですよね。仕方なく選択肢を色々な職種に広げているうちに、途中、どんな仕事がしたいのかわからなくなってきました。

保険の営業や広告プロデューサーなどに選択肢を広げてみるも、「何か違う」という感覚が捨てきれず、やはり「広報を目指す」と改めて決意。

当初から複数の転職サイトに登録していましたが、「転職サイトでは公開されない未公開求人のなかに広報の募集があるかもしれない」と思い、複数のエージェントサービスにも登録しました。

最終的に就職が決まった現在の会社は、転職サイト「doda」の提携エージェントである「シンフォニード」という会社から紹介を受けたもの。自力では探せない求人もあるので、やはり転職エージェントは積極的に使ってみるものですね。

最終的に「文章力」が決め手に

今の会社に私が採用された理由はひとつではないと思いますが、最終的には「文章力」が決め手になりました。

広報担当に求めるものは会社によって色々だと思いますが、今の会社は社長がビジネス系webマガジンにコラムを寄稿している関係もあり、広報担当の採用にあたっては、コミュニケーション能力や対人折衝能力に加え、「文章力」をかなり重視していたようです。

一次面接を通過し、社長面接の終盤で、「実際にどれだけ書けるか見てみたいから宿題を出します」と言われ、与えられたテーマに沿ったコラムを書きました。

今まで私が携わってきた「旅行」という分野とはまったく違うので、「求めているものが書けるだろうか」という不安もありましたが、仮にもプロのライター。それで数年間食べてきたわけですから、ライターとしてのプライドを賭けたコラムを提出した結果、採用に。

広報担当でここまで文章力や構成力が重視されるケースは珍しいかもしれませんが、最終的にはライターとしての経験を生かすことができました。

フリーランスライターからの正社員転職で学んだこと

これまでの仕事との接点を生かす

現在、事業会社の広報担当として働いているわけですが、過去に「広報担当」としての勤務経験はありませんでした。

しかし、百貨店勤務時代には、社内広報的な活動をしたこともありますし、ホテルや観光局に取材をして旅行関連記事を書くトラベルライターとしての活動も、広い意味での「広報活動」です。だから、広報担当の面接では、「広報担当者としての勤務経験はないけれど、それにつながる活動をしてきた」ことをアピールしました。

一方、人材系の会社では、百貨店勤務時代の顧客折衝経験をアピールするなど、業種や職種によって、アピールする要素を変えました。たとえ異業種転職であっても、何らかの形で過去の職歴との接点が見つかることも多いので、応募する企業や職種に合わせて「接点を語れる」ことが大切だと実感しました。

やりたい仕事は徹底的に探す

今回、福岡というやりたい仕事の求人がほとんどない土地で転職活動をすることになり、何度「東京だったらもっとチャンスが多いのに」と思ったかわかりません。

でも、単にいくつかの転職サイトを検索しただけで希望の求人がないからといって、諦めてしまってはもったいない!転職エージェントが持っている未公開求人のなかに希望の求人があるかもしれないので、面倒ですがいくつもの転職サイトや転職エージェントに登録して、広くアンテナを張ることが大切です。

どうしても急いで転職しなければならない事情がない限り、途中で旅行でも挟みながら、時間をかけて転職活動をするのもありだと思います。

転職理由はポジティブに

正社員→正社員の転職でもたいてい転職理由は聞かれるものですが、フリーランス→正社員の転職となると、なおさら「なぜフリーランスから正社員に転職するのか」という点に興味を持たれます。

私の場合、「将来にわたって長く続けられる仕事がしたい」「組織で仲間とともに成長したい」「旅行ライターとしてやりきった感があるので、新たなフィールドに挑戦したい」など、ポジティブな転職理由がいくらでもあったので、面接官を納得させるのはまったく難しくありませんでした。

しかし、「フリーランスとしてやっていく自信がない」「仕事がなく経済的にやっていけない」など、転職動機がネガティブな人は要注意。たとえそのような現実があったとしても、あえてそれは語らず、正社員として何をしたいのか、どのように成長したいのか、どのように組織に貢献できるのかなど、あくまでも未来に向けて前向きな話ができるようにする必要があります。

おわりに

学生時代の「シューカツ」も大変でしたが、転職には就活とはまた違った大変さがありました。でも、日ごろ会う機会のない人と会って、する機会のない話をするところに、楽しさもありました。

日本では「一旦レールを外れると、元に戻れない」というイメージがありますが、最近ではそれも変わりつつあるのだと思います。「フリーランスの旅行ライター」なんていうと、「色モノ」っぽく見られるのではないかと思いましたが、予想以上に話を聞いてくれる企業が多く、自分しだいでいくらでもやり直しや方向転換は可能なのだと感じています。