あなたは現在、ライターとしてハッピーに働けていますか?あるいは、ライターとしてハッピーに働いている未来を想像できますか?
コロナ禍で副業を始める人が増えたこともあり、クラウドソーシングをはじめ、世の中には低単価のライティング案件が溢れています。それを見て「フリーライターは稼げない」と絶望している方もいるかもしれません。
しかし、フリーライターはやり方によっては平均的な会社員以上の収入を得ることができる仕事です。時給300円ぐらいの下積みから始めて、現在では会社員時代の2倍の時給を得ている現役フリーライターの私が、「稼げるライターになる方法」をお伝えします。
簡単に自己紹介
この先を読み進めていただくにあたっては、私の経歴を知っていただいたほうがスムーズなので、まずは簡単に自己紹介をさせていただきます。
- フリーランスライター歴4年半
- 現在の執筆分野はおもに旅行とEC
- 2度の会社員経験を経てフリーランスに、現在フリーランス生活は2度目
私は大学卒業後、大手百貨店に入社し、接客販売や本社での営業企画を担当。5年ほど働いた後、ドイツ移住を機にフリーランスのトラベルライターに転向しました。
旅行分野専門のライターとして4年ほど活動した後、日本に帰国し、ネット広告系のベンチャーに入社。社長直下スタッフとして広報や人事などを担当します。その後、転居を機に2021年1月に再びフリーランスになり、現在に至ります。
ライターという仕事に絶望してほしくない
私が今回「稼ぐフリーライターになるための方法」について書いたのは、「フリーライターやライター志望者に、少しでも希望と自信を与えられたら」と思ったからです。
世の中には低単価のライティング案件が氾濫していて、ライター活動を始めてみたものの、稼げなくて消耗している人、ライターになりたい気持ちはあるけれど、それで生活していけるのか不安に思っている人が多いはずです。
実は、以前は私もそんな一人でした。ライター活動を始めた直後は超低単価だった上、執筆速度も遅かったため、ライターとしての初月の収入は3万円ほど。その後専業トラベルライターになって、「書く」ことだけで生活していけるようにはなりましたが、会社員時代の収入には及ばないまま…
「好きなことを仕事にして身を立てている」ことに対し、誇りや充実感はあったものの、日本を代表する大手企業で正社員として働き続けている大学時代の同級生を見ると、「『好き』を仕事にできてはいるけど、収入では圧倒的に負けてるよね…」と、複雑な気持ちがありました。
ところが、今ではそんな卑屈な気持ちは消え、「フリーランスライター」という自分の肩書に対し、誇りしかありません。また、「世の中ライディングの仕事なんていくらでもあるな」「ライターって案外稼げるな」とも感じています。
実際に、今の私の収入は通勤や長時間労働一切なしにもかかわらず、会社員時代を上回っています。時間単価(時給)で見ると、会社員時代はボーナス含め2600円程度だったのが、フリーライターの今は、5000円くらいになっているのです。
書くことが好きで、フリーランスという働き方を愛しているからこそ、「『思うように稼げない』という理由でフリーライターという仕事に絶望してほしくない」「いきいきと働きながら、一般の会社員と同等かそれ以上の収入を得るライター仲間が1人でも増えてほしい」― そんな思いから、これまでの私の経験も踏まえた「稼ぐライターになる方法」をシェアします。
「フリーライターは稼げない」という思いこみをなくす
稼ぐフリーライターになるためには、まず「フリーライター」は稼げないという思いこみをなくすことが肝心です。
「いきなり精神論?」と思われるかもしれませんが、自分自身の「思考」は想像以上に大切。世の中には「フリーライターは稼げない」というイメージがありますし、実際に低収入のまま何年もライター活動を続けている方も珍しくありません。
ですが、「「フリーライターは稼げない」って本当?収入のリアルな話~3分の1は年収200万円未満」でお伝えしたように、フリーライターでもやり方次第で効率良く稼ぐことはできるのです。ところが、「フリーライターは稼げない」と思っていると、それが呪縛になりますし、稼げないことに対する言い訳になってしまいます。
この際、現時点でフリーライターとして稼げているかどうかは関係ありません。今稼げているフリーライターも、稼げなかった下積み時代を経てきた人がほとんどです。
稼げるフリーライターになるための具体的なステップを実践する前に、まずは「フリーライターは稼げない」から「フリーライターは稼げる」に思考をシフトして、「自分は稼げるライターになる」と決めましょう。
ライティングスキルを上げる
すでに十分なライティングスキルがある方は読み飛ばしていただいて結構ですが、思うように仕事がとれない駆け出しライターの方は、ライティングスキルが足りていないケースが非常に多いです。
私自身、ときどき「色々なメディアに応募してもまったく採用されない」と新人ライターの方から相談を受けることがありますが、その方の文章を拝見すると、プロのライターとしての水準に至っていないことが多々あるのです。
文法的に間違っているわけではなくても、文章のテンポが悪かったり、読んで違和感を覚えるような変な敬語表現が入っていたり、単に事実を羅列しているだけで読んでいて面白くなかったり…。
色々なメディアに応募しているのにまったく採用されないという方は、文章力がプロの水準に達していない可能性が高いので、まずはライティングの本を読んだり、ライティング講座を受けたりして、ライティングスキルを上げることに注力してください。
ライティングスキルを上げるコツは、正しい理論やルールを知った上で、とにかく数(量)をこなすこと。インプットとアウトプットの両方を繰り返し行うことが肝心です。
正しい理論やルールがわかっていないまま闇雲に文章を書き続けても効率が悪いので、ライティングの本を読んだりライティング講座を受けたりして、理論やルールを習得した上で、数(量)をこなす練習をしましょう。
数(量)をこなすためには、個人ブログやnoteなどが有効。PV(ページビュー)数や「スキ(noteの機能)」を通して読者からの反応もわかりますし、書きたいテーマを自由に書けるので、文章を書く練習にはうってつけです。
稼げる分野のライティングを狙う
ネット全盛の今、フリーライターの執筆分野も多岐にわたります。ファッション、美容、食、スポーツ、芸能、旅行、マネー、IT、政治、経済…挙げればキリがありませんね。
ライティングにもさまざまな分野がありますが、フリーライターとして稼げる分野と稼げない分野は厳然として存在します(もちろんその分野でタレント級になれば別ですが、一部の例外は除いて一般論として話します)。
ざっくり言ってしまうと、ファッションや旅行など趣味寄りの分野よりも、マネーやITなどビジネス寄り、あるいは専門性の高い分野のほうが稼げる可能性が高いです。
趣味寄りの情報は個人ブログも含め、プロ・アマ問わず情報を発信している人が多いので、どうしても競争過多になり、単価が下がります。また、専門知識がなくても書ける場合が多いので、付加価値が低いとみなされ単価が低くなりがちです。
私がこれまでに手がけてきた分野を例に挙げると、旅行メディアの原稿料は記事1本2000~4000円程度とかなり低単価(クローズドの案件になると、旅行系でももっと高単価の仕事もありますが、広くライターを募集している旅行メディアの原稿料はこの程度です)。これだけで生活費を賄おうとすると、月に100本前後の記事を書かなければならないことになります。
一方、EC(Eコマース)などのビジネス分野になると、原稿料は1本1万5000~2万円程度に上がります。マネー系の記事もその分野の知識なしではライティングが難しい分野なので、安定的に需要があります。ファイナンシャルプランナーの資格を取って、「マネーの専門家」として執筆活動をしているライターも珍しくありません。
ほかにも、エンジニアリング、人事・労務、薬機法を考慮した美容のライティングなどは需要が高いようです。
もちろん、誰にでも好き・嫌いや得意・苦手はあります。まったく興味のない分野に無理して手を出す必要はありませんが、稼ぐライターになるためには「自分が興味を持てる範囲でどの分野が稼げるか」を見極めることも重要です。
好きなことにこだわりすぎない
「稼げる分野を選ぶことが重要」とは言っても、「どうしても旅行について書きたい」とか、どうしても「ファッションについて書きたい」など、人によっては譲れない思いがあるかもしれません。
私自身、大好きな旅を仕事にしたいと思い、トラベルライターになった経緯があります。ただし今は旅行分野専業ではなく、ECなどビジネス系分野のライティングとの兼業。
自分の大好きなことについて書くことがお金になるのは誰だって嬉しいですが、「好きなこと」が稼ぎにくい分野の場合、それだけをやり続けるとしんどくなってしまうこともあります。
そういう場合は、「(趣味として)一番好きなこと」だけにこだわりすぎないことも大事。「好きなこと」のライティングだけで生活費を賄おうとするのではなく、前述の稼げる分野のライティングも並行して行うことで、収入も上がり安定します。
すると、「好きなこと」のライティングにも心に余裕を持って向き合うことができるので、「好きなこと」に関するライティングだけをやっていたときよりも、楽しいライター生活を送れるようになるかもしれません。
個人ブログを持つ
フリーライターとして活動する上で、「自分のメディアを持つ」というのはとても大切です。個人ブログを開設する時間やエネルギーがない場合はnoteでもいいですが、できれば独自ドメインを取ってWordPressで個人ブログを開設するのが理想。
なぜ個人ブログが良いかというと、理由はおもに3つあります。
ひとつはPV(ページビュー)数やコメントなどで読者の反応がわかるからです。企業が運営するメディアへの寄稿とは違って、自分が好きなテーマを自由に書けるので、文章を書くトレーニングの場としては最適。
2つめの理由として、ブログ自体が実績になることが挙げられます。
初心者ライターの場合、最初は誰でも書けるような低単価のSEO記事(署名記事ではなく、ライター自身もいつどんなメディアに掲載されたかすらわからないことも多い)が中心になるので、実績作りに苦労する人が多いです。しかしメディアや編集者によっては個人ブログもライティングの実績として見てくれる場合もあり、ブログの実績で仕事を獲得できるチャンスがあるのです。
また、企業が運営するメディアに掲載されている記事は編集者の手が入っているため、「そのライターの本当のライティングスキルを知るために、個人ブログを見る」という編集者もいます。
3つ目の理由は、個人ブログが問い合わせや仕事の依頼を受けるプラットフォームとして機能することです。メディアに掲載されているライタープロフィールにブログのURLを貼っておけば、自分が書いた記事を読んだ方から仕事の依頼が入ることがあります(私も経験済みです)。
さらに、「ライターを採用する際には、実績やライティングスキルだけでなく人柄を知りたい」と考える編集者もいるため、個人ブログを通して自分の人柄や考え方を伝えることが仕事につながるケースもあります。
クラウドソーシングから早めに卒業する
今の時代、初心者ライターはまずクラウドソーシングに登録して仕事を探すケースが多いです。理由は簡単で、メディアに直接応募しようとすると実績を問われることが多いですが、クラウドソーシングなら初心者でもできる簡単な案件が多いからです。
コネも実績もない初心者ライターがクラウドソーシングで仕事を探すこと自体は否定しません。「クライアントからのオーダーに応えて文章を書く」練習の場としては悪くないですし、「文章を書くことでお金をもらう」というのがどういうことか、感覚がつかめるからです。
とはいえ、クラウドソーシングを長く使うことはおすすめしません。クラウドソーシングだけで頑張っていても、低単価ライターから脱出するのは難しいからです。
なかにはクラウドソーシングで地道に単価を上げて会社員と同等かそれ以上に稼いでいるライターさんもいますが、クラウドソーシングで単価を上げる努力をするよりも、クラウドソーシングの外で高単価の案件を獲得するほうがはるかにラク。
クラウドソーシングはとにかく競合ライターが多いため価格競争になりやすいですし、そもそも大手企業・大手メディアや有名企業・有名メディアのほとんどはクラウドソーシングを使ってライターを探すことはほぼないからです。
クラウドソーシングは「低価格で書いてくれるライターを探したい」企業や個人が利用しているケースが圧倒的に多いのが特徴。
一方、高い報酬を払ってくれる大手企業・大手メディアや有名企業・有名メディアは、「コストが高くても質が高くて信頼できるライターを探したい」と思っているので、クラウドソーシングを使わず自社のサイトでライターを募集したり、コネを使って紹介などでライターを探したりします。
今クラウドソーシングを使っているけどライターとしてステップアップしたいと考えている方は、その違いを覚えておいてください。
大多数とは違う方法で仕事を探す
クラウドソーシングの次のステップとして一般的なのが、「ライターを募集しているメディアに直接応募する」という方法です。
この試みが成功して書きたいメディアと直接契約ができれば、クラウドソーシングに比べて単価が上がる可能性が高くなります。また、署名記事の場合は、実績として今後の売りこみにも使えます。
ところが、「クラウドソーシングで仕事を探す」「ライターを募集しているメディアに応募する」という行動しかしないフリーライターは、「その他大勢」から抜け出せない可能性が高いのも事実。
「クラウドソーシングで仕事を探す」「ライターを募集しているメディアに応募する」という行動は、ライターを募集していないメディアに営業をかけるよりも精神的ハードルが低いし、ラクですよね。でも、みんながそう考えて同じ行動をすると、「クラウドソーシングで高単価の仕事を得る」「ライターを募集しているメディアに採用される」ことは困難になります。
ライターとしてスキルアップし、収入を上げていくためには、「クラウドソーシングで仕事を探す」「ライターを募集しているメディアに応募する」以外の行動も必要になってきます。
下記でいくつか「クラウドソーシングで仕事を探す」「ライターを募集しているメディアに応募する」以外のライターの仕事の探し方を挙げました。
フリーランスの世界というのは、実績がモノを言う一方で、行動した人が勝つ・情報を持っている人が勝つ世界でもあります。
色々な仕事の探し方がありますので、仕事がなくて困っている方は、とにかく行動してください。うまくいかなかったとしても失うものはありません!
ライターを募集していないメディアに営業をかける
書きたいメディアが具体的にあるのなら、ポートフォリオを添えて、編集部に直接コンタクトを取ってみましょう。サイト上でライター募集をしていなくても、実は新しいライターを必要としているケースもあるのでダメ元で。
メールを送った後に電話をかけてライター応募のメールを送ったことを伝えれば、読んでもらえる確率も上がります。
Wantedlyで探す
「Wantedly」は、多数のベンチャー企業が掲載している求人サイトで、業務委託ライターの募集も多いです。企業によってスタンスに違いはありますが、単にライターとしての実績だけを重視するというよりは、人柄も合わせて自社とのマッチングを見る企業が多いように思います。
単価が低め(それでもクラウドソーシングの平均よりははるかに高い)の案件も多いですが、うまくマッチングすれば、長期的にお付き合いできるクライアントが獲得できます。
制作会社・編集プロダクションに応募する
意外と盲点ですが、制作会社や編集プロダクションに応募するのも手です。制作会社や編集プロダクションでは、クライアント企業から依頼を受けたコンテンツを制作していて、常にさまざまな案件が動いています。
そのため、さまざまなメディアや企業に向けた執筆をすることができますし、うまくハマれば安定的かつ長期的に仕事をもらえる可能性が高くなります。「編集プロダクション ライター募集」「web制作会社 ライター求人」などのキーワードでネット検索してみてください。
SNSで探す
数あるSNSのなかで、個人的に最もライターの仕事探しとの相性が良いと感じているのが、Twitter。事実、私にもTwitterで観光情報を発信したことがきっかけで、長期のお付き合いに発展しているクライアントがいます。
Twitterでライティングの仕事を獲得するには、プロフィールやタイムラインにそれなりの工夫が必要。プロフィールで得意ジャンルや掲載メディアを見せるのはもちろん、「ライティングの仕事を受け付けています」とアピールすることも重要です。実績をまとめたポートフォリオや自分の代表作としてアピールしたい記事を固定ツイートで表示するのもいいですね。
現在私はあまり積極的に新しい依頼を募集していないので、私のTwitterアカウントは参考になりませんが(笑)、Twitterでライティングの仕事を獲得する方法について、もっと詳しく知りたい方は下記の記事をどうぞ。
実際にTwitter経由で仕事を獲得しているフリーランスの方が書かれているので、とても参考になると思います。
近年ではTwitterを利用して仕事を受発注している人が増えています。しかし仕事を継続的に受注している人もいれば、上手く…
ポートフォリオを作り込む
「SNSやブログ経由でライティングの仕事を獲得する」「書きたいメディアに応募する」際には、しっかりと作り込んだポートフォリオを用意しておくことも重要です。
私は下記のような構成からなるポートフォリオをワードで作ってPDF化。Googleドライブにアップロードし、書きたいメディアに応募する際にリンクを共有する形で提出しています。
- 簡単なプロフィール(顔写真付き)
- 受けられる仕事の内容
- これまでに執筆したメディア・クライアント一覧
- 執筆したメディアの簡単な紹介+自分が執筆した記事一覧へのリンク+特にアピールしたい記事数本とそのポイント(メディアごとに書く)
- 写真作例(写真撮影を含む案件もあるため)
- アピールポイント・仕事をする上で心がけていること
※ライティングをする際に意識していることだけでなく、「即レス・即対応」など、社会人として心がけていることなども書いています。
ライター募集ページから応募する場合、特段ポートフォリオの提出が求められないことも多いですが、これだけの情報を自ら提出することで、興味を持ってもらえる可能性が高まります。
個人ブログを運営しているのであれば、上記のような内容を固定ページで紹介して依頼を募ったり、そのページをTwitterの固定ツイートで共有したりしてもいいですね。
会社員として知識・スキル・実績・コネを得る
これはちょっとした変化球です。
冒頭の自己紹介でお伝えした通り、私は「会社員⇒フリーランスライター(旅行専業)⇒会社員⇒フリーランスライター(旅行・ECなど)」というキャリアをたどっています。フリーランスになった後、一度会社員に戻ってまたフリーランスに戻っているのが特徴的ですね。
一度会社員に戻ったときは「一度会社員に戻ることによって、その後フリーランスライターとしてキャリアアップする」ことを狙っていたわけではありませんでしたが、会社員に戻ってから得た新たな経験やコネクションが、フリーランスライターとしての私の価値を大きく高める結果となったのは間違いありません。
そこで、キャリアプラン上・ライフスタイル上、会社員として働ける方は、「フリーライターとしてステップアップするために、一時会社員として働く」のもアリ。
例えば私の場合、ネットにおけるダイレクトマーケティングを手がける会社で働いたので、その分野の知識が身に付きましたし、広報として働いたので、プレスリリースの代筆などもできるようになりました。しかも、以前働いていた会社から今も業務委託で仕事を受けており、現在の収入の柱のひとつになっています。
「このままフリーライターとして活動を続けても、スキルや収入が上がるイメージが持てない…」と悩んでいる方は、将来の自分の価値を高めるスキルや経験を得るため、会社員として修行することも検討してはいかがでしょうか。
クライアントにとって「便利」な存在になる
フリーライターとして、私は常にクライアントにとって「便利」な存在になることを心がけています。といっても、「都合のいい女」みたいなイメージではありません。
あくまでも、そのクライアントが自分を一人の人間として、一人の仕事人として尊重してくれることが前提であって、「上から目線の無茶な要求や悪条件を文句の一つも言わずに呑む」ということではないので、誤解なきよう…
クライアントにとって「便利」な存在とは、「○○さんって、いつも期待以上のアウトプットを出してくれるな~」とか、「〇〇さんって、急ぎの納期にも柔軟に対応してくれて助かるな~」とか、「ライティングだけじゃなく、写真撮影や企画・ディレクションも頼めて、一人で色々やってくれてありがたいな~」と思われる人のことです。
言い換えれば、単に「依頼された仕事を納期までに仕上げる」だけではなく、そこにプラスアルファの価値を加えられる人です。
ちょっとしたことで言えば、「即レス・即対応」も重要。私はクライアントからの連絡には可能な限り即返信していますし、明確な納期がある案件や急ぎの案件は優先的に対応します。
また、依頼に対してはすぐ対応できない場合でも「承知いたしました。〇月〇日までには対応します」と、すぐに一次回答を送るようにしています。「即レス・即対応」は社会人として基本的なことではありますが、意外とできていない人も多く、差が付くポイントです。
日頃のコミュニケーションも含め、常にクライアントの期待を上回ることができていれば、「ライターさんは他にもいるけど、つい〇〇さんに頼んじゃうんだよね~」「〇〇さんは信頼できるから安心して仕事が頼めるな~」という状況に。
クライアントから見て「仕事を依頼したいライター」になれば、自然と仕事の単価も上がっていきます。
スキルの掛け合わせで自分の価値を高める
ズバリ、フリーライターになるために特別なスキルや資格は必要ありません。ライターに文章力が必要なのは事実ですが、作家や詩人になるのとは違って、卓越した文章力が必要というわけではないからです。
分野によって求められる文章のスタイルは変わってきますが、特にwebライターに共通して求められる文章のスキルというのは、「わかりやすさ」と「テンポ」の良さです。そこに生まれ持ったセンスはあまり関係なく、トレーニングや経験でカバーできることがほとんどです。
何が言いたいかというと、極論を言えば、ある程度まともな文章を作れる人であれば(稼げるかどうかは別として)誰でもフリーライターになれてしまうということです。つまり、フリーライターは参入障壁が低いので、ライター間で競争が起きやすく、その結果仕事の単価が低くなりやすいんですね。
単価を上げるためには、当然のことながら他のライターと「差別化」することが重要です。ですが、ライターに必要と思われている「文章力」だけでその他大勢との差別化を図るのは困難です。
だからこそ、重要になってくるのが「スキルの掛け合わせ」です。「文章がめちゃくちゃ上手い」だけのフリーライターよりも、「文章力はそこそこだけど、取材やインタビュ―で相手の考えやキーワードを引き出すのが上手で、写真撮影もできて、記事やキャンペーンの企画立案もできる」フリーライターのほうが、クライアントにとっては価値が高いです。
文章を書いてお金をもらう以上、一定の文章力が求められるのは言うまでもありませんが、稼げるフリーライターになるためには、文章以外のスキルも磨いていくことが重要。
ひとつひとつが突出したレベルでなくても、複数のスキルを掛け合わせることで、クライアントにとって「かゆいところに手が届く」存在になれるのです。この点は、さきほどの「クライアントにとって便利な存在になる」とも通じる部分がありますね。
クライアントの立場に立ってみると、案件の内容に応じて複数のフリーランスに依頼するのはとても面倒。1人で色々なスキルを持っているライターがいれば、その人1人に依頼すれば事足りるので、クライアントに重宝されます。
フリーライターって意外と「総合力」がモノを言う仕事。私は2度会社員を経験していますが、会社員時代の経験すべてが今に生きていると感じます。
ひたすら文章力だけを磨くのではなく、文章力以外で武器になるスキルを伸ばしていったほうが近道になる場合もありますよ!
おわりに
フリーライターは決まった給与がないフリーランスゆえ、仕事がとれないと精神的に追い詰められますし、仕事がとれても低単価だとひたすら書き続けて消耗してしまいます。
しかし、人と違った行動を取ったり、ある程度専門的な知識を付けたり、複数のスキルを組み合わせて育てたりすることで、稼げるフリーライターになれる可能性は格段に高まります。
先日面談をした大手メディアの編集者の方は、「弊社の媒体方針に合った信頼できるライターさんを見つけるのはなかなか…ライターは常に募集しています!」とおっしゃっていました。クラウドソーシングでは低単価のライティング案件が取り合いになっている一方で、大手メディアがライター探しに困っている現状があるのです。
「ライター飽和の時代」などと言われてはいますが、それは誰でもできる案件をこなすライターの話であって、スキルと実績と人間力のあるライターはまだまだ求められています。
安定的に稼げるようになれば、スケジュールに融通が利き、ネット環境さえあれば世界中どこでも働けるフリーライターは最高の仕事。あなたも、近い将来「フリーライターって最高!」と言えるよう、行動や実績を積み重ねていってください。
ネット全盛の今、パソコン1台あればいつでもどこでも仕事ができるフリーライターが注目を浴びています。コロナ禍もあって、「フリーライターになって場所にとらわれず自由に働きたい」と考える人も増えていますね。ですが、「フリーライターは稼げな[…]
近年、「旅を仕事に」というフレーズを目にする機会が増えたような気がします。PC1台あれば世界中いつでもどこでも仕事ができる時代になったこともあり、それが決して夢物語ではなくなってきたことが大きいです。「旅を仕事に」を実現する[…]