50ヵ国以上旅して初!モロッコで盗難に遭ってわかった6つのこと

  • 2017年10月7日
  • 2021年8月21日
  • travel

こんにちは、はるぼぼ(@harubobo_nikki)です。

現在モロッコを旅行中なのですが、実は数日前盗難に遭いました。といっても、貴重品の入ったバッグにはかなり注意していたので、盗られたのは服など雑多なものが入ったバックパックの中身。

これまで50ヵ国以上を旅してきましたが、盗難被害に遭うのは初めて。盗難に遭ってしまったことにショックを受けましたが、本当に大切なものは無事だったのが不幸中の幸いでした。

モロッコのバスで盗難被害に遭う

証拠があるわけではないのですが、状況から考えて盗難被害にあったのはおそらくバスの車内。荷物をトランクに預けるのはなんだか不安だったので、すべてバスの車内に持ち込みました。今思えばこの判断が仇になったのかもしれません。とはいえ、トランクに預けていたらリュックごと盗まれていたという可能性もありますが・・・

私はパスポート、財布、カメラなどの貴重品が入ったバッグにはかなり注意を払っているので、そちらには誰も触れられないような状態にしていました。

ところが、バックパックの中身を盗る人なんていないだろうと思い込み、バックパックに関してはそれほど神経質になっていなかったのです。しかも、乗ったバスがあらかじめ聞いていた到着時刻より2時間も遅れ、6時間半の長旅になってしまったので、疲れ切って少しうとうとしてしまった時間がありました。

おそらく、その時に隣の席に座っていた人に足元に置いていたバックパックの中身を探られたのだと思います。被害に遭ったのは化粧ポーチ2つと、下着のポーチ、ヘアブラシ、薬の入った巾着、ヒートテック2枚など。バックパックの一番上にあったものをごっそり盗られたような感じです。

最初化粧ポーチがないことに気づいたときはホテルに置き忘れたのかと思いましたが、これだけのものをすべて忘れるなんてありえませんし、確実に荷造りしたことを覚えているものもあります。それで「盗まれたんだ!」と悟りました。ちなみにホテルに問い合わせたところ、忘れ物はなかったとの返答。

何だって盗まれる可能性がある

今回一番の反省点は、「私はバックパックの中に貴重品は絶対に入れない=ほかの人もバックパックに貴重品が入っているとは思わない=バックパックの中身は盗られないだろう」と無意識のうちに考えてしまっていたことです。

しかし、バックパックに貴重品が入っていると思う人がいたって不思議ではありませんし、もっといえば貴重品であろうがなかろうが、何だって盗まれる可能性があるのです。

特にモロッコのようにまだ発展途上でおまけに貧富の差が大きい国では、私たち日本人が見たら価値のないものでも、現地ではそれなりの価値をもつ場合があります。事実、モロッコの路上マーケットでは、薄汚れてボロボロの中古の服や靴などが普通に売られていることがあります。売る人がいるということは、買う人もいるということ。今回盗られたものだって十分売れるでしょう。

実際に盗難の被害に遭ってみて、そのあたりの想像力が欠如していたことに気づきました。何だったら盗られて、何だったら盗られないかなんて、自分で判断できることではありません。

盗難に遭ったという事実がショック

いざ盗難被害に遭うと、大したものを盗られたわけではなくても、盗難に遭ったという事実が意外とショックなのだということがわかりました。

過去に一度も盗難被害に遭ったことがなかったため「自分はちゃんと気を付けているから大丈夫なのだ」と思っていましたが、盗難に遭うことそうではないことが証明されてしまったのです。自分の意識や管理がまだまだ甘かったと突き付けられたような気分です。

自分と所持品を守るためには性悪説で行動すべき

自分の甘さが露呈したこと以上に、自分がこれっぽっちも疑っていない状況で物を盗まれたということがショックでした。あのバスでは3、4人が私の隣の席に座りましたが、私にはそのうち誰一人として盗みをはたらくような人には見えなかったからです。

みんな普通のいい人そうな人たちだったのに・・・最も怪しいのは私が居眠りをしてしまった時に隣に座っていたおばあさん。誰が犯人なのかはわかりませんが、ごく普通の善良な市民に見えた人が盗みを働いていたということに対し、「やっぱり見ず知らずの人のことはまず疑ってかからなければならないのか・・・」という暗澹たる気持ちになりました。

私も含め、性善説に基づいて行動してもあまり問題のないことが多い日本で生まれ育った日本人は、性悪説に基づいて行動するのが苦手なような気がします。でも、特に海外に出たら自分と自分の所持品を守るためには、悲しくても性悪説で行動すべきなんですよね。

貴重品でなくてもなくなると色々面倒くさい

貴重品でないとはいえ、旅行に持ってきている以上は旅に必要なもの。パスポートや財布、カメラ、パソコンを盗られるのとは比べ物にならないとはいえ、いざなくなると結構困ります。たとえば、今回私は化粧道具の入ったポーチを丸ごと盗られたので、翌日化粧品一式を買いに走りました。

日本ならドラッグストアやコンビニなど、化粧品ぐらいどこでも手に入りますが、モロッコにはそんなものはありません。(私の見た限りでは)

化粧品専門店をネットで探し、グーグルマップを頼って店を訪ねたのですが、あるはずの場所にないということが2度続き、3度目は実際の店の場所とグーグルマップの位置が大幅に違い、思いのほか遠くまで歩かなければならないという状況になりました。

海外ではちょっとしたものでも手に入れるのに一苦労することがあり、苦労したわりに日本に比べると質の劣るものしか手に入らないことも。化粧品はフランスブランドのイヴ・ロシェで買いましたが、日本と違ってにじまないのにお湯でするっと落ちるアイライナーやマスカラなんてないんですよね・・・(男性にはよくわからない話ですみません)

貴重品でなくても、実際になくなると相当面倒なことになるので、盗難に遭ってみて「自分の所持品は死守せねば」という熱意が増しました。「本当に大事なものを盗られる前に危機感を与えてくれてありがとう」という感じです。

モロッコではスプラトゥール以外の民営バスは避けるべき

ここでモロッコならではの話になりますが、モロッコのバスは国営のCTM、鉄道会社系列のスプラトゥール、その他の民営バスの3種類あります。

ガイドブックの情報から、CTMやスプラトゥールは車体がキレイでダイヤも比較的正確であることはわかっていたのですが、その日乗車した区間はスプラトゥールはそもそも運行しておらず、CTMは希望の時間がなかったため、やむなく民営バスを選びました。

それが災難のはじまりでした。9:30発、14:00着と確認してチケットを購入したのですが、実際に到着したのはほぼ16時。結局1時間半後のCTMのバスに乗っても到着は同じか、下手したらCTMの方が早かったのではないかと思います。スプラトゥール以外の民営バスは、バス停以外の場所でもあちこちで人を乗せたり降ろしたりするので、とても時間がかかるのです。

さらに、チケット売場では新しくてキレイなバスの写真が掲げられていたのですが、フタを開けてみたら古くてボロボロのバスでした。大げさではなくエンストしないか不安な気持ちで乗っていたので、無事到着したときは本当にほっとしました。

それもつかの間、夜になって盗難に遭っていたことに気づいたのです。短距離でも乗り降りする人がたくさんいて、乗客の入れ替わりが激しい民営バスはそのぶん盗難に遭うリスクも高いです。

自分の不注意がいけなかったとはいえ、「あんなバスに乗らなかったら多分盗難に遭わなかっただろうに・・・!」と民営バスを選んだことを悔やみました。

CTMやスプラトゥールでも盗難に遭うときは遭うようですし、民営バスでもCTMに引けを取らないクオリティのバスもあるようですが、外国人旅行者が事前にそれを判断するのは困難。

スプラトゥール以外の民営バスは当たりはずれが激しいので、モロッコでバスに乗るなら可能な限りCTMかスプラトゥールをおすすめします

それでもモロッコには圧倒的に親切な人が多い

盗難に遭ったことに気づいた夜、「なんとなくモロッコを旅するのがちょっと怖いな」という心境になりました。以前から「盗難と強盗や暴行などの身体に危害を加える犯罪はまったく別物」と考えていたにもかかわらずです。

でも、そんなもやもやを吹き飛ばしてくれたのはモロッコの人々でした。

モロッコって、困っている旅行者を見たら放っておけない、おせっかいなくらい親切な人が多いんです。きょろきょろしながら歩いていると、”Can I help you?”と声をかけてくれたり、言葉はなくとも明らかに話しかけられることを待っているような態勢に入ってくれたり。

ただ挨拶をしてくれるだけの人もたくさんいて、消防署の前を通ったら消防士さんたちが”Hola!(なぜかスペイン語)”と声をかけてくれたり・・・

そんなエピソードがここに書ききれないほどあって、モロッコを旅しているとたくさんの関心や好意、親切に囲まれていると感じることができます。

盗難には遭った後も、モロッコを旅することが楽しいと思えて、モロッコが好きだと思えていることがとても嬉しい。盗難に遭ったからこそ、純粋な厚意や人の温かさが心に染みる今日この頃です。

盗難に遭うという経験も、多分無駄ではないんでしょう。でもパスポートを盗られたりしたらシャレにならないので、みなさんも所持品の管理には十分ご注意を!