「我が強い」。この表現は日本ではあまりポジティブな意味合いを持たないことが多いように思います。それが女性であれば特に。
私は日本人女性にしては我が強いほうかもしれませんが、そんなのヨーロッパに来たら埋もれるレベルです。
女性の主張を拒否する日本人男性
もちろん全員がそうではありませんが、日本人男性は女性が主張することを好まない人が多いように感じます。
それが批判的な意見であったりするとなおさら嫌がる人が多くなります。
ダーリンと出会う前の話ですが、とある日本人男性とデートしていて浅草の競馬場の近くを通りかかったときの話です。
「競馬で儲からないのはここにいる人たちを見ればわかる。でも何で本人たちは気付かないんだろう。」というようなことを言ったら見事に引かれました。
それまでは私のことをとても気に入ってくれていたようでしたが、私のその発言がもとで関係は途切れました。
その人は女性に対して、お人形のようなかわいらしさと癒しだけを求めていたのだと思います。
女性も当たり前に主張するヨーロッパ
ダーリンに同じ場面で同じことを言ったとしたら、おそらく「客が損するようにできてるから競馬がビジネスとして成り立ってるのに、競馬で儲けようとするなんて馬鹿げてる」というような返答が返ってくると思います。
ダーリンと一緒にいてありがたいのは、私がドイツの難民政策など、何かに対する意見を言ったらそれを正面から受け止めてくれることです。
だから私も心おきなく自分の意見が言えます。
ヨーロッパ人男性は、女性も批判を含めて自分の意見を表明することが当たり前と考えているようで、よほど極端な意見や人間性を疑われるようなことを言わない限り、引かれることはありません。
ヨーロッパでは「意見を言わない=意見がない=バカ」と受け止められかねないところがあるので、女性だからといって主張を控えるようなことはありません。
男性も、女性に対しある程度自立や「手ごたえ」を求めているように感じます。
女性の主張に対する反応で男の器が見える
もちろん、日本人男性でも女性の主張に対して引くことなくまともに返してくれたり、むしろ面白がってくれる人もいます。
重要なのは意見に賛同してくれることではなく、こちらの意見を受け止めたうえでその人の意見を返してくれるということです。
日本人男性で女性の主張を受け止められる人というのは、たいていその人自身が輝いている人です。
向上心があって前向きな人は、女性にも手ごたえを求めますし、かわいいだけのお人形には興味がありません。
女性の主張に対してどんな反応をするかである程度その男性の「器」や女性観が伺えるように感じています。
もちろん日本とヨーロッパでは文化が違うので、日本人がヨーロッパ人のようにガンガン自己主張するようになればいいと思っているわけではありません。
日本人女性らしいマイルドな主張はもっと受け入れられてもいいのではないかと思うのです。
互いに刺激し合うのが本当のパートナーでは?
私は決して「だから日本人男性よりヨーロッパ男性がいい」のだと言いたいわけではありません。
ただ、いまだに女性が主張や批判をすること自体に拒否反応を示す男性が多いのは気になります。
男性が優越感を得るために女性に対して自分より下位であることを求める。
そして女性はそれに迎合して天然やバカキャラを演じる。
この場合男性だけでなく、男性の好みに迎合する女性側にも責任がありますが、なんだか悲しい関係だと思いませんか?
そんな関係がお互いのためになるとは思えません。
私はどの国であろうが、男女がともに成長できる関係が健全なパートナーシップであると思っています。
お互いに尊敬し合い、刺激し合う、それが私が大切にしたいパートナシップのかたちです。