日本での仕事を辞めてドイツに移住したはるぼぼ(@harubobo_nikki)です。
ドイツに来る前に5ヵ月間のアジア横断の旅をしましたが、やはり仕事を辞めて世界一周をしている日本人に何度も出会いました。今回は、「会社員」の肩書を失って海外移住や長期旅行をする人が直面する現実とチャンスについてお話ししたいと思います。
「お金が出ていくばかりで入ってこない」というストレス
私は、2015年11月にドイツに移住してから、ライターとしての活動を本格的にスタートしました。複数の日本の旅行サイトに寄稿して、原稿料をいただいています。
記事を書く仕事でまともな原稿料をいただけるようになったのは今年(2016年)に入ってからのこと。それまでは、800文字270円といった単価の低い仕事を下積みとしてやっていました。単価の低さゆえ、仕事を辞めてから半年ほどは月の収入が一万円にも届かないほどでした。稼ぐより出ていくほうが圧倒的に多いのです。
そうなることはわかっていたので、日本にいる間にある程度貯金をしてはいましたが、「稼いでないのにお金を遣う」ことに対して違和感と罪悪感と無能感が混ざったようなストレスを感じていました。
ドイツ人男性と結婚してドイツに移住し、旦那さんに生活費を出してもらっている日本人女性も、やはり同じことを言っていました。わかってはいても、収入がなくなると不安感や焦燥感を覚える人は多いようです。
「アウトプットがないとお金は入ってこない」という現実
会社員でなくなると、「自分が誰かにメリットや価値あるものを提供しないとお金は入ってこない」ということを身にしみて感じます。固定の月給でお給料をもらっている人は、極端な話、一時間デスクに向かっているだけで2000円、あるいはそれ以上のお金がもらえます。
日本人が真面目に働くことはもちろん私も知っているので、仕事をさぼっていると言いたいわけではありません。会社員だと、「一生懸命営業したけど結果的に売れなかった」とか、「一生懸命やったけど企画がボツになる」などといったことがあります。だからといって「成果を上げてないんだから、その仕事に費やした分給与マイナスするからね」なんて言われたりしません。
でも日本での会社員という立場を捨てて海外に来ると、基本的には純粋に自分自身の能力で勝負することになってしまいます。特に現地語ができないと、できる仕事も限られて圧倒的に不利な状況になります。
日本企業の駐在員として来た人か、特別なスキルがある人以外は、海外滞在を始めてしばらくはまともな収入がないことを覚悟する必要があります。
振り返ってみると、決まったお給料が保障される会社員という待遇はありがたいものだったなぁと思います。(関連:「会社員からフリーのトラベルライターになって感じるデメリット8つ」)
「職がない」のはある意味チャンスでもある
一方で、今までの仕事の延長ではなく、「純粋に自分が個人として何ができるか」に向き合うことは大きなチャンスでもあります。「自分は何で身を立てるのか」というのを真剣に考えると、本当に自分がやりたいことが見えてきますし、「個の力」を高めることはスキルや自信にもつながります。
私はドイツに来てから、ブログの運営や本格的なライター活動を始め、「文章を書くことで情報発信する」ことにチャレンジしています。「職がない」、「決まった収入がない」というのは心もとない状況ではありますが、それが私を本当に好きなことをやる方向に向かわせたのも事実です。
人間、一定の給与を保障された会社員という身分があると、先の見えないまったく新しい分野にチャレンジすることに尻込みしがちです。私の場合、海外移住のために日本での仕事を辞めたからこそ、何の未練もなく純粋にやりたいことにチャレンジできたのです。
本格的に「書く」仕事を始めてから、自分はやっぱり書くことが好きだと日々実感しています。はじめは日記感覚で始めたブログも、読んでくれる皆さんに、もっと価値ある情報やメッセージを発信したいと思うようになりました。
今はまだ、日本で会社員だった頃よりも収入ははるかに少ないですが、好きなことができている喜びをかみしめています。
【2017.2.23追記】
今もまだ日本で会社員をしていた頃より収入は少ないですが、それでもライターの仕事だけで食べていけるようにはなっています。やはり人生の流れには乗って正解ですね。(関連:「人生には流れがある!恐れず直感を信じて流れに乗ろう」)