ライター未経験の私が「食べていける旅行系webライター」になるまで

私はひょんなことからドイツ人のダーリンと出会ってドイツ移住を決め、日本での会社員の仕事を辞めることになりました。

次に何をするか考えたときに私がチャレンジしたいと思ったのが「書く」仕事。

文章で表現することが好きだという自覚がありましたし、以前の職場で文章を褒めていただいたことも一度や二度ではなかったからです。ダーリンも「君には絶対書く才能があるから挑戦したほうがいいよ!」と背中を押してくれました。

そして今では、トラベルライターとして複数のwebメディアに寄稿し、書くことだけで食べていけるwebライターになることができました。

日本ではwebやライター業とはまったく違う世界で会社員をしていて、ライター経験のなかった私がどうやってwebライターとして働くことができるようになったのか。その道のりをお話したいと思います。

webライターって?

はじめに、webライターについての予備知識を少し。「webライター」とは文字通り、インターネット上のコンテンツ(webサイト)向けに文章を作成する仕事です。

たいていのメディアは居住地に関係なく仕事をさせてくれますし、日本のメディア向けに記事を書く場合は日本から日本円で報酬が支払われるので、海外で仕事をする場合も原則就労ビザは不要。観光ビザで滞在できる範囲内であちこちの国を旅しながら執筆するといったことも可能です。

webライターはパソコン一台とネット環境さえあればできるので、海外在住者や長期旅行者にとっても有力な選択肢として注目されています。なかにはパソコンすら持たず、タブレットで執筆をしているという人もいるほど。

超低単価だった下積み時代

私が日本で勤めていた会社を退職したのが2015年6月のこと。ライターとしての仕事をスタートさせたのもほぼ同時期で、6月末には日本を離れ、日本~ドイツ間の5ヵ月間のアジア横断の旅に出ました。

ライター経験のない私がまずはじめに選んだ仕事は、「webライター」とネットで検索してヒットしたライター募集サイトを通しての仕事でした。800文字270円などといった、SEO対策用の超低単価の記事の執筆です。

脱毛、ボトックス、相続税、ダイエットなど先方から指定されたテーマに沿って、指定されたキーワードをいくつか入れて記事にするといった仕事がほとんどでした。

自分が書いた記事がどのwebサイトに掲載されるのかすらわからない(教えてもらえない)という状況で、楽しいとは言いづらいものでしたが、それを半年ほど続け、計100記事以上執筆しました。

初心者ライターにおすすめなのはザグーワークス

今振り返ってみれば、この下積みは非常にもったいなかったなと感じます。それは、この経験が役に立たなかったというわけではなく、クラウドワークスを利用していれば、ある程度仕事の内容も選べた上、単価ももっと上げられた可能性が高いと思うからです

私が未経験でwebライターをはじめるという人におすすめするとしたら、ザグーワークスというサイト。ここでは「プラチナライター」なる制度があり、テストに合格してプラチナライターになれば、文字単価1円以上の仕事が受注できます。(文字単価1円というのは初心者ライターにとっては高報酬といえる水準です)

今更言っても仕方のないことですが、もし過去に戻れるとしたら、私は以前受けていた下積みの仕事はせずにザグーワークスで案件を受注することを選びます。



旅行サイトへの寄稿

ドイツに到着して生活が落ち着いたこともあり、下積みを始めて半年ほど経ったころ、「次のステップを考えなければならない」と漠然と感じていました。

そのままその仕事を続けていても、より単価の高い記事やハイレベルな記事を書かせてもらえることはないだろうと感じていたからです。

そして、「せっかく海外で生活しているし、これまでの旅の経験もあるのだからそれを生かした仕事を探せばいいのでは」とふと思ったのです。そこでトラベルライターの募集をネットで探しました。

その時に見つけたのが、「TABIZINE」や「世界新聞」、「TABIPPO.NET」というWebサイト。それぞれに個性があるものの、いずれも旅をテーマにしたwebマガジンです。

今は寄稿先のwebサイトは当初と入れ替わっていますが、旅行サイトに寄稿をはじめたことで、以前の800文字270円などといった超低単価の仕事とは比べ物にならないレベルの原稿料が入ってくるようになりました。

まだまだ高収入といえる状況ではありませんが、書くことだけで食べていけるようになったことは大きなステップアップです。「自ら動く」ということの大切さを改めて実感しました。

参考までに、これまでになんらかの形で私が関わった旅行メディアをいくつか紹介しておきます。

TABIZINE

規模も大きい正統派系トラベルメディア。海外に限らず国内ネタも含めて広く扱っているので、必ずしも海外に強くなくても、お出かけやグルメが好きな方であれば寄稿できる可能性は十分あります。

http://tabizine.jp/

世界新聞

バックパッカー系のトラベルメディアでライターさんも個性派ぞろい。旅人が自身の体験にもとづいて、オリジナルな記事を書くことを大切にしているので、知識や文章力よりも旅の経験が重要になります。

2016年4月26日時点、「旅行ライター(報酬あり)募集中」とサイトには記載されていますが、最新情報は別途ご確認ください。比較的目立つようにライター紹介をしてくれるので、自分のブログをよりたくさんの人に知ってもらいたい方や、個人として自分をアピールしたいという方には価値ある場だと感じます。

http://sekaishinbun.net/

TABIPPO.NET

大学生が立ち上げた世界一周団体がもとになったメディアなので、編集部のメンバーも若く、独特の雰囲気があります。ライターが経験した旅のエピソードに加え、一般的な旅ネタや英語学習法など、比較的幅広い記事が掲載されています。

報酬については、「トラベルライター」と「スペシャリストライター(特殊な趣味や技能がある人限定)」で差があるようですが、こちらも詳細は差し控えます。

世界新聞同様、ライター紹介は比較的大きな扱いになっているので、ブログなどライターの個人メディアへの流入も見込めます。今勢いのあるトラベルメディアのひとつだといえるでしょう。

http://tabippo.net/

実際にWebライターになってみて

 

下積みとして書いていた単価の低い記事はライターの署名がないどころか、書いた本人にもどのサイトに掲載されたのかすらわからないという状況だったので、署名記事(ライター名が記載される記事)が書けるようになったときは大きな喜びを感じました。

どのメディアで書くべきかについては、何を重視するかによって変わってくるので一概には言えません。報酬、個人メディア(自分のブログなど)への流入、自由度(書きたいことが書けるかどうか)など重視するポイントによって相性のいいメディアが変わってきます。

一つのメディアだけで自分の希望をすべて満たすのが難しい場合は、私のように複数のメディアに寄稿し、それぞれ違う位置づけにするのもいいと思います。

いずれのメディアも、書いた記事にライターの名前が入り、サイト内で写真入りのプロフィール欄も設けられます。ブログなど自分のメディアへの流入を重視される方は、どのようにライター紹介がされているのか実際のサイトで確認してみることをおすすめします。

私が今後どのようにライター活動を発展させていくかについては、自分でも未知数の部分がありますが、目の前の仕事に精一杯取り組んでいくうちに見えてくるのではないかと思っています。

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