自然志向、環境志向が強いドイツは世界有数のオーガニックコスメ先進国です。
日本ではオーガニックコスメはやや値段も高いですし、普通のドラッグストアではあまり手に入りませんが、ドイツではどのドラッグストアにもオーガニックコスメコーナーが設けられており、ハンドクリームやリップクリームといったちょっとしたものであれば、ごく普通のスーパーでも買うことができます。
ドイツで手に入る5つの主要なオーガニックコスメブランドと、おすすめの商品をあわせてご紹介しましょう。
アンネマリーボーリンド(Annemarie Borlind)
ドイツにおけるオーガニックコスメのパイオニア的存在が、1959年創業の「アンネマリーボーリンド(Annemarie Borlind)」。
ドイツ南西部・黒い森地方の町、カルフに本社を置いており、アンネマリーボーリンドの製品には黒い森の天然ミネラル水が使われています。
「食べられない化粧品はつくらない」をモットーに、安全性を重視しつつも結果が出る製品づくりにこだわっていて、「効果が実感できるオーガニックコスメ」として人気を集めています。
個人的にも、「アンネマリーボーリンドはドイツのオーガニックコスメの本命」と考えていて、特にスキンケアアイテムがおすすめです。
敏感肌向けの「ZZシリーズ」や乾燥肌向けの「ROSENTAUシリーズ」、アンチエイジングラインの「Absoluteシリーズ」など、肌タイプや悩みに合わせた幅広いラインナップが揃っているうえ、ベーシックアイテムにプラスして使える美容液などのスペシャルケアアイテムも充実しています。
私がおすすめしたいのは乳酸菌由来の複合成分が肌のコンディションを整えてくれる「ZZシリーズ」。これを使うと、揺らぎやすい敏感肌も徐々に安定してきます。
そして最近注目なのが、パソコンやスマートフォンから出るブルーライトをカットしながら、アンチエイジングケアもしてくれるというフェイスオイル「3 IN 1 GESICHTSÖL」。
ブルーライトが目に悪いというのはもはや常識ですが、肌老化の原因にもなるというのですから、放っておけません。
私もこのオイルの存在を知ってから使い始めました。ブルーライトによる老化の防止効果は短期間で実感できるようなものではありませんが、単純にフェイスオイルとしても使い心地が良く、気に入っています。
加えて、ビタミンの力がぎゅっと詰まった美容液「VITAMIN ENERGIZER」もおすすめ。これを使うと、目に見えて肌が元気になるような気がします。
ロゴナ(LOGONA)
「ロゴナ(LOGONA)」は、1978年からの歴史をもつドイツのオーガニックコスメブランド。さきほどのアンネマリーボーリンドと、次に紹介するラヴェーラとあわせて、ドイツのオーガニックコスメブランドのなかでも特に有名なもののひとつです。
なかでもロゴナはヘアケアアイテムの人気が高いブランドで、ドイツのオーガニックヘアケア市場ではナンバーワンのシェアを誇っています。
以前ご紹介したホホバのトリートメントは髪を内側からちゅるっと潤してくれる優秀アイテムで、私も愛用中。
ヘアケアのイメージが強いロゴナですが、スキンケアアイテムにも隠れた名品があります。なかでも私がおすすめしたいのは、プレストパウダー(FACE POWDER)。
もともと「色が合わなかったら・・・」という不安から、ドイツでベースメイクアイテムを買うのは避けていたのですが、ロゴナのプレストパウダーの「02 ミディアムベージュ(MEDIUM BEIGE)」は日本人としては平均的な肌色の私にぴったりでした。
ロゴナのプレストパウダーを気に入っているポイントは、適度なカバー力がありながらファンデーションのように重くならない自然な仕上がり。
毛穴をカバーするだけのルースパウダーでは物足りないけれど、ファンデーションは仕上がりがべったりしすぎる、肌への負担が心配という方にぴったりです。
ラヴェーラ(lavera)
日本でもオーガニックコスメ専門店などで見かける「ラヴェーラ(lavera)」は、1987年にドイツ北部で設立されたオーガニックコスメブランド。
「lavera」というブランド名は、ラテン語で「真実」を意味し、「すべての人にとって真実のオーガニック化粧品でありたい」という願いが込められています。
高品質な原料を使用し、人と自然への優しさにこだわったラヴェーラの製品は、すべてナチュラル・オーガニックコスメの国際認証「NATURE」を取得しています。
日本では限られたラインナップの商品しか手に入りませんが、ドイツではフェイスケアからボディケア、ヘアケア、メイクアップまで、ラヴェーラの商品がフルラインナップで手に入ります。
ラヴェーラの商品で特におすすめしたいのが、ハンドクリームやボディローションなどのボディケアアイテム。ラヴェーラはアンネマリーボーリンドやロゴナに比べると値段もずっと安く、ハンドクリームなら3ユーロ前後、リップクリームなら2ユーロ前後で買えるので、バラマキ土産にも最適です。
私が現在愛用しているのが、アロエベラやシアバター、アルガンオイル配合のハンドクリーム「SOS HILFE HANDBALSAM」。べたつなかいのにしっかりと内側から手肌を潤してくれます。
プリマヴェーラ(PRIMAVERA)
1986年創業の「プリマヴェーラ(PRIMAVERA)」は、ドイツの伝統的な植物療法や芳香療法を取り入れたオーガニックコスメブランド。
日本にも直営店はサロンはありますが、日本での知名度は高いとはいえず、知る人ぞ知るといった位置づけのブランドです。世界中から厳選した原料を各地の生産者から直接購入し、植物にストレスを与えないよう、種まきから蒸留、圧搾までを現地で行っています。
プリマヴェーラのスキンケアラインは、乾燥肌向けの「ネロリカシス」、混合肌向けの「セージグレープ」、ストレス肌向けの「カモミールボリッジ」、エイジングケアの「ローズザクロ」の4種類。
特筆すべきは、ネロリカシスの化粧水は、ドイツでは珍しくとろりとした質感の保湿化粧水だということです。ドイツでは、化粧水はあってもふき取り用で保湿用でないことも多く、ドイツで保湿のできる化粧水を探しているという方は一度試してみる価値があるのではないでしょうか。
プリマヴェーラがほかの主要なドイツのオーガニックコスメブランドと違うところは、精油やルームスプレーなどアロマテラピーグッズが充実していること。アロマ好きは要チェックです。
ヴェレダ(WELEDA)
日本でもよく知られている「ヴェレダ(WELEDA)」は、1921年にスイスで誕生した老舗のオーガニックコスメブランド。
スイスブランドでありながら、ドイツのオーガニックコスメの記事でヴェレダを取り上げる理由は、ドイツではヴェレダはきわめて身近な存在で値段も安いからです。
日本では少々お高いイメージのあるヴェレダですが、ドイツではわりと大衆的なブランドで、ドラッグストアはもちろんのこと一般のスーパーでも取り扱っているほど。
ドイツで製造されている商品も多く、たいていの商品は本国スイスよりもドイツのほうが安く手に入ります。例えばフェイスクリームならアイテムによって8~15ユーロ程度で売られています。
私が特におすすめしたいのが、リップクリーム「EVERON Lippenpflege」。こっくりとした使用感で保湿力の高いリップクリームは、ドイツで買えるリップクリームのなかでも特におすすめのもののひとつです。
最近は色つきのリップバームも発売され、こちらもおすすめ。一番色の濃いベリーレッドでもほんのり色づく程度で、口紅は苦手だけど手軽に血色をプラスしたいという人にぴったりです。
ドイツでのオーガニックコスメの値段は?
最後に、気になる値段のお話を。一言でいえば、ドイツにおけるオーガニックコスメの価格はとても安いです。
日本と違って、ドイツでは「オーガニック=ハイソ」ではなく、庶民にとっても十分選択肢になりうる身近な存在。それに加え、ドイツ人女性は化粧品の値段にシビアなことから、高い化粧品は売れません。
もちろん「オーガニックコスメ」と一口にいっても、ブランドやアイテムによって値段はまちまちですが、化粧水なら10~20ユーロ前後、フェイスクリームなら10~30ユーロ、美容液で15~50ユーロ程度が目安です。
今回ご紹介した5つのオーガニックコスメブランドはすべて正式に日本にも上陸していますが、ドイツでの販売価格は日本価格の2~3分の1ほど。ドイツはオーガニックコスメ・ナチュラルコスメ好きにとっては素晴らしい国なのです。
ドイツでは、日本に比べオーガニックコスメの敷居がずっと低く、気軽に試して色々比べられるのが嬉しいところ。ドイツを旅行予定の方は、スーツケースは大きめを準備したほうがいいかもしれませんね。
日本で買うなら「ベルコスメ」
今回ご紹介したオーガニックコスメを日本で購入したい場合、おすすめなのが海外コスメ通販サイトのベルコスメ。ロフトや各ブランドのオフィシャルサイトなどで買うよりも圧倒的に安いので、私も日本帰国後はときどきお世話になっています。
類似のサイトはほかにもありますが、ここが一番最安値である確率が高いように思います。一度この値段を見てしまうと、もう定価では買えません(笑)