1月後半が旅行続きで、だいぶ時間がたってしまったのですが、先月32歳の誕生日を迎えました。
ダーリンがまだ受験生ということもあって、大したことはしませんでしたが、年末年始ドイツに帰省していたダーリンが、誕生日プレゼントを用意してくれていました。
今回お話したいのは、「こんなプレゼントをもらったよ!」ということではなく、誕生日プレゼントがあるとわかったときの心の動き。ダーリンと初めて一緒に過ごした誕生日から4年。「ずいぶんと自分の考え方や価値観も変わったなぁ」と思ったのです。
4年前の誕生日事件
ダーリンと出会ってから、初めて迎えた4年前の誕生日。当時、恋人には何万円もする高価な誕生日プレゼントを贈るのが当たり前だと思っていた私は、ドイツ人のダーリンからも、アクセサリーなどの高価なプレゼントがもらえるものと期待していました。
しかし誕生日当日の朝、ダーリンがくれたプレゼントは本一冊。しかも、ドイツ生活の指南書『「あっそう」ドイツ・暮らしの説明書 』という実用品。すでにドイツに移住することが決まっていた私にとって役に立つものであったことは間違いないのですが、あまりにも実用的すぎてロマンがないと感じたのです。
「せっかくダーリンが用意してくれたのだから」と、喜んでみせようとしたものの、「せめて花束でもあれば・・・」など色々な思いが渦巻き、テンションガタ落ちなのが伝わってしまいました。
結局、ダーリンはその日私が仕事に行っているあいだに新たなプレゼントを買いに行ってくれて、夜にネックレスをプレゼントしてくれたのでした。
期待していなかったプレゼント
それから4年が経ち、2018年から2019年にかけての年末年始、ダーリンは一人でドイツに帰省していました。そしてドイツ帰省中に、私の誕生日プレゼントを用意してくれていたのです。今年もらったのは、ドイツブランドらしきネックレス。
しかし私は、今年の誕生日に、アクセサリーなどのそこそこ値の張るプレゼントがあることをまったく期待してはいませんでした。
「ドイツにいるあいだに何か買ってくれていたりして」と思わないでもありませんでしたが、ダーリンの用事の付き添いで行った福岡旅行を私の誕生日プレゼントにすると言ったダーリンの言葉を半分真に受けていたこともあり、「別になきゃないでもいいや」と思っていたのです。
我ながら、プレゼントに関して無頓着というか、鷹揚になったものです。
プレゼントがあることを自ら明かすダーリン
実は今回、誕生日プレゼントがあることは、誕生日当日より前に判明しました。ダーリンが私の誕生日の前日に「プレゼントはどのタイミングで渡せばいいのかなぁ」と言うのです。「それ、本人に聞く!?」・・・相変わらず、サプライズには縁のない人です。「だって、僕がぼぼの誕生日にプレゼントを用意しないはずがないでしょう」というのがダーリンの言い分。
しかもドイツから帰ってきてから、ダーリンは自分の机にアクセサリーボックスを置いていて、それを見た私は「?」と思っていたのでした。脇が甘いというかなんというか、隠しておいて驚かせようという気持ちがないみたいです。サプライズに無縁なところはダーリンの誠実さの表れであり、長所の裏返しであると思っていますが。
他人のものさしに支配されていた
今になって、改めて4年前の自分の言動を振り返ると、本当に悪いことをしたものだと思います。私の周囲では、たとえ学生でも恋人の誕生日に何万円もする誕生日プレゼントを贈り合うのが普通だったので、それを「当たり前」と感じてしまっていたのですが、まったく文化的背景の異なる相手に期待するのは酷というもの。
たまたま私の周りがそうだっただけで、日本人でも「若いうちから何万円もする誕生日プレゼントを彼氏・彼女に贈るなんてありえない」と思う人もいるかもしれませんね。
今も「特別なプレゼントを用意してくれたら嬉しいなぁ」という気持ちはあるのですが、それは、ないと不機嫌になったり、絶望的な気持ちになったりするような種類のものではなく、「なければないでいっか」「一緒にいてくれるだけでもありがたいし」と、思える程度のもの。
振り返ってみると、4年前の自分がいかに、周囲の人々(他者)の行動に基づく「当たり前」「常識」に支配されていたかがわかります。今の自分がそういうものから完全に開放されたとはいえませんが、当時に比べると、ずいぶんと柔軟に考えられるようになったように感じています。
一方的な期待をなくせばラクになれる
大切なパートナーである恋人や配偶者に「期待しない」というのは無理な相談ですし、期待のない関係は虚しいものですが、一方的な期待や過剰な期待を捨ててしまえば、自分自身もずっとラクになれます。
「一方的な期待や過剰な期待を捨てる」というのは、必ずしも「諦める」こととイコールではありません。
欲しいプレゼントがあるなど、相手に期待することがあれば「こんなプレゼントがもらえたら嬉しいな」と言葉にして伝えるのもあり。自分からリクエストするのはロマンに欠けると思うかもしれませんが、「何も言わなくても察してほしい」という一方的な期待は、良い結果を生まないことも多いものです。
おわりに
私たちは日本人とドイツ人のカップルなので、「これが普通」「これが当たり前」というスタンダードが存在しないというのもありますが、日本人同士であっても、本来カップル一組一組に自分たちだけのスタイルがあっていいもの。
他人のものさしを基準にするのではなく、2人にとって心地良い価値観を共有できれば、より良い関係を築いていけるのだと思います。