ドイツ人ダーリンが、母国ドイツよりも日本を愛する理由って?

以前からこのブログを読んでくださっている人はご存じと思いますが、ドイツ人ダーリンは日本が大好き。

母国であるドイツよりも日本にいるほうがしっくりくるそうで、私たちは日本永住を前提に7月末にドイツから日本に引っ越してきました。

私からすると「なんだかんだいっても母国には愛着があるものではないか」と思うのですが、ダーリンはそうでもないようで・・・日本のどこがそんなにいいのか、その魅力を聞いてみました。

街が清潔

一般にドイツ人はきれい好きで、家の中をきれいにする(衛生面のみならず美的にも)ことにかけては、日本人をはるかに上回っていると思うのですが、公共の場所の清潔度を比較すると、総じて日本のほうが上です

もちろん個々の街によって差はありますが、ドイツでは大都市に行けば行くほど路上のポイ捨てや落書きが増え、街が汚くなる傾向にあります。

一方の日本は、一部お世辞にもきれいとはいえない街もありますが、総じて路上のゴミや落書きは少ないですね。

しかも、日本の街は公共のゴミ箱が圧倒的に少ない!それにもかかわらずこの清潔度を維持しているのは、ドイツ人のダーリンにとっては評価すべきことのようです。

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生活が便利

私自身ドイツに住んで実感しましたが、日本のほうが生活は便利です。(「より便利」=「ベター」「より幸せ」かどうかは個人の価値観しだいですが・・・)

ドイツでは、日曜・祝日はスーパーも含めてほとんどのお店が閉まるうえ、日本のコンビニに匹敵する利便性を誇る店も存在しません。

電車(ドイツ鉄道)の遅れは日常茶飯事ですし、宅配便だって「〇月〇日の〇時~〇時のあいだにお届けします」というメールがきても、その時間に遅れることはしょっちゅう。時間に遅れるどころか、まったく悪びれず翌日に届くことも多いです。

さらに、ドイツで専門医を受診しようとすれば、数ヵ月先まで予約がとれないことも・・・

このように、ドイツではなにかと障害が立ちはだかる場面でも、日本では何の問題もなくスムーズに事が進むこともしばしば。日本はストレス社会としての側面もありますが、生活の利便性という点から見ると、世界でもトップクラスではないでしょうか

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他人に配慮する文化

ドイツ人のダーリンが日本で快適に感じる要素として、「周囲に迷惑をかけないように」と他人に配慮する文化や、「空気を読む」文化があるようです

私のこれまでの経験からみると、ドイツ人はヨーロッパ人のなかでは比較的「空気を読む」傾向がある気がしますが、やはり根底にあるのは個人主義。日本の「和を尊ぶ」文化とは異なります

ダーリンはドイツ人にしてはかなり控えめな性格の持ち主で、見ていてじれったくなることもあるほど。基本的に主張することが得意ではないので、ドイツでは損をすることが多いんですね。

でも、日本にいればことさら主張しなくても周囲がある程度気にかけてくれるので、居心地が良いようです

ダーリンに限らず、日本が好きというヨーロッパ人は、男女問わず知的で控えめな傾向にあると感じます。このあたりは日本を好きな理由にもよりますが、「日本文化に興味がある」とか「日本人が好き」という人の場合、そうした傾向が顕著です。

食事がおいしい

日本人女性と付き合ったり結婚したりしているヨーロッパ人男性のなかには、「日本食が苦手」という人もいますが、ダーリンは日本の食事が大好き。

日本料理のみならず、中国、タイ、ベトナム、インドなどさまざまなアジア料理が口に合い、ヨーロッパ料理よりもアジア料理のほうが好きなのです。

以前、「一生ドイツ料理が食べられない人生と、一生日本料理が食べられない人生、どっちを選ぶ?」と聞いたら、迷わず「一生ドイツ料理が食べられない人生」を選びました

「自分が生まれ育った地域の料理よりも、遠く離れた世界の料理のほうが口に合う」というのは私からすれば不思議なのですが、ほとんどなんでも「おいしい」と食べてくれるので助かっています。

日本の食事はおいしいうえ、日本はヨーロッパに比べると外食が割安なので、外食の楽しみも増えました

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自然が豊か

日本人は意外と気づいていないかもしれませんが、日本の自然は本当に豊かで多彩環境保護の意識が高いこともあって、ドイツでも各地で美しい自然風景が見られますが、バリエーションでいえば日本の勝ちです

ドイツは北の一部が海に面しているだけですが、日本は島国なので周囲を海に囲まれていますし、起伏の多い地形なので山も多い。それに伴って、渓谷や滝などもあちこちで見られます。

国土が南北に長いので、北国の豪雪地帯から南国の亜熱帯まで、地域によって気候や雰囲気が大きく異なるのも特徴ですね。

日本の豊かで多彩な自然は、それこそ赤ちゃんの頃からアウトドアに親しんできたダーリンにとっては大きな魅力のようです。

ドイツでも富士山の存在はそれなりに知られているようですが、日本にビーチのイメージを持っている人は少なく、「日本に美しいビーチがある」というと驚かれることも少なくありません。「日本の多彩な自然の魅力をもっとPRしたら、日本を訪れるドイツ人観光客が増えるのでは」とひそかに思っています。

なんだか肌に合う

ここまでドイツ人のダーリンが日本を好きな理由を挙げてきましたが、やはり最終的にはこれじゃないでしょうか ― 「なんだか肌に合う」

ダーリンは日本に対して幻想を抱いて理想化しているわけではなく、日本や日本人のネガティブな部分も知ったうえで日本を愛しています。(今後長く日本に住めば、また色々と思うところも出てくるかもしれませんが)

結局、ダーリンの「日本が好き」という気持ちは、理屈で説明できる部分もありますが、もっと根本のところでダーリンの人柄と日本という国がマッチしているからではないかと思います

一般的には、生まれ育った母国に愛着や安心感を覚える人が多いものの、日本人でも「日本よりドイツのほうが居心地がいい」という人もいるくらいで、他国に「心のふるさと」が見つかる場合もあるんですよね

おわりに

前日ダーリンと二人で台湾に出かけたのですが、旅行を終えて飛行機が関空に到着したとき、ダーリンは「外はもう日本だね」と嬉しそうに発言しました。

「なぜそこまで!?」と思うことも多いのですが、パートナーが自分の母国を愛してくれるのは嬉しいこと。

私の目から見てもダーリンは日本の文化と相性がいいと思うので、これからもずっと日本で幸せに過ごしてほしいです。