少々唐突ですが、今日は外国発行のの運転免許証を使って日本で運転する方法について。
ドイツ人のダーリンが日本で運転するにあたり色々と調べていたら意外な事実が判明したので、せっかくなので得た情報をここでシェアしておきたいと思います。
外国の免許証を使って日本で運転する方法
外国の運転免許証を使って日本で運転するパターンとしては、おもに外国人が母国などのの免許証で運転するケースと、日本人が外国で取得した免許証で運転するケースがあると思います。
日本以外の国で発行された、外国の運転免許証を使って日本で運転する方法としては、次の2通りがあります。
1.ジュネーブ条約に基づく国際運転免許証で運転する
2.外国で発行されたその国の運転免許証とその日本語訳で運転する
現在、2の方法がとれるのは、エストニア、スイス、スロベニア、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾の8ヵ国で発行された運転免許証のみ。
他の国で発行された運転免許証を持っていたとしても、それが国際運転免許証でなければ日本では運転できないということになります。(詳細は警察庁ホームページで)
外国の運転免許証と翻訳で運転するには
ドイツ人のダーリンがとっている方法は、上記の「2」にあたるので、今回は国際運転免許証の説明は割愛して、外国発行の運転免許証とその日本語訳で運転する方法をご紹介したいと思います。
上記8ヵ国発行の運転免許証を持っていて、それをそのまま使って日本でも運転したいという場合。
上記8ヵ国から発行された運転免許証は、日本の運転免許証と同等とみなされるため、条件つきで日本でも有効です。ただし、当然外国語で記載されているため、運転免許証単体では運転できず、しかるべき機関から発行された日本語訳を取得し、運転時は運転免許証とともに携帯する必要があります。
ここでいうしかるべき機関とは、各国の大使館・領事館や、JAFなど。ダーリンは在日本ドイツ大使館で翻訳をしてもらいました。(翻訳費用は5000円ほどでした)
なお、すでに日本語訳を取得している場合でも、運転免許証を更新した場合など、運転免許証の内容が変わった場合には、再度翻訳が必要になります。
外国の免許で運転できるのは日本上陸から1年間
エストニア、スイス、スロベニア、ドイツ、フランス、ベルギー、モナコ、台湾発行の運転免許をもっている場合、日本語訳を取得するだけでそのまま日本でも運転できるなんて、手軽ですよね。
ただし、この方法での運転には、期間が定められていることに注意が必要です。
外国発行の運転免許証(国際免許証含む)を使って、日本国内で運転できるのは、日本上陸から1年間。「上陸」は「入国」と同じ意味ですが、日本の入国管理局などでは「上陸」という表現が使われます。
つまり、2018年9月に上陸してそのまま日本に居続けた場合、外国発行の運転免許証で運転できるのは、2019年9月までということになります。(実際には日付も計算に入れなければなりません)
「上陸から1年間」というルールは、「直近の日本入国日から1年間」を指すので、一度日本を出国して再度入国すれば、その時点からまた1年間にわたって外国の免許証で日本国内で運転することができます。
ただし、外国の運転免許証を使って日本で運転ができるのは、運転免許証の有効期限内であることが前提。当然のことながら、どの国で発行されたかに関係なく、運転免許証自体の有効期限が切れてしまったら、日本でも運転することはできません。
日本の居住者には異なるルールが適用される
さきほど、「上陸から1年間」というルールを説明した際に、一度日本を出国してまた戻ってくれば、その日からまた一年間、外国の運転免許を使って日本で運転できるというお話をしました。
それを踏まえると、年に一度日本を離れれば、運転免許証自体の有効期限が切れない限り、半永久的に日本で運転できることになりますよね?
日本の非居住者(日本に住民登録がない人)の場合、今のところはそうなっていますが、日本の居住者(日本に住民登録がある人)の場合、異なるルールが適用されます。
異なるルールとは、「日本を出国して再度入国しても、日本を離れていた期間が連続して3ヵ月に満たないと、新たな上陸とはみなさない」というもの。
つまり、日本を一度離れて外国に行ったとしても、その期間が3ヵ月に満たなければ、道路交通法上は「一旦日本を離れて再度入国した」ことにはならないということです。
住民登録をして、日本の居住者になってしまうと、年に一回、連続して3ヵ月以上日本を離れている期間をつくらないと、上陸から1年が経ったら、外国の運転免許証を使って日本で運転することはできなくなってしまうわけです。
日本の居住者になったら日本の免許取得が無難
「日本を出国して再度入国しても、日本を離れていた期間が3ヵ月に満たないと、新たな上陸とはみなさない」というルールは、もともと外国で運転免許を取得して、それを使って日本国内で運転する日本人が増えたため、その対策として日本独自のルールを設けた結果なのだそうです。
複数の国に拠点をもってそれぞれを行き来しているような人ならともかく、日本で住民登録をして、日本の居住者となれば、年に連続して3ヵ月以上日本を離れる人はそうそういないでしょう。
運転に制約が出てきてしまうと不便なので、日本の居住者になったら日本の免許証を取得するのが一番です。
といっても、新たに日本の教習所に通ってイチから免許を取得するのではなく、「外免切替」という手続きをとればオッケー。日本の運転免許証を取得しても、外国で発行されたもともとの運転免許証が失効するわけではありません。
ドイツ発行の運転免許証をもっている場合、免許証とその翻訳、日本の在留カード、日本の住民票があれば、技術試験や学科試験はなしで、視力検査のみで日本の運転免許証が発行できるそうです。
ただし、これは特例国にあたるドイツの場合で、ほかの国発行の免許証の場合はまた内容が変わってくるかもしれません。
おわりに
外国人のパートナーや友人が日本滞在中に運転したい、日本人であっても留学先など外国でとった運転免許を使って日本で運転したい、などさまざまなケースがあるかと思います。
今回ポイントになるのは、使用したい運転免許証の発行国が上記8ヵ国に入っているかどうかと、運転をする人が日本の居住者(日本に住民登録がある人)かどうか。
発行国が上記8ヵ国であれば、国際運転免許証を取得する必要がありますし、日本の居住者に対しては、運転できる期間に関し異なるルールが適用されます。
ご自身や知人が日本で運転したいという場合、このあたりをしっかり確認しておくと安心です。さらなる詳細を知りたいという場合は、警察庁ホームページを確認のうえ、関係機関にお問い合わせください。