外国人大学院生の日本での「就活」~内々定までの道のりを振り返る~

昨年7月に書いた「【宣言】再びフリーランスに戻ります!~会社員⇒フリー⇒会社員⇒またフリーへ~」で、「夫の就職に伴い、来年3月までに引っ越すことが決まった」とお伝えしていましたが、よく考えたらダーリンの就活の話をまったく書いていませんでした…

そうなんです。ついに…大学院生のドイツ人ダーリンの就職が決まりました!!来年4月に、日本の資源会社に技術職として就職します。

外国人学生の日本での就活ってまだまだ情報が少ないですよね。そこで、今回のダーリンの日本での就活がどのように進展していったのかを、時系列でご紹介したいと思います。

9月~10月(大学院1年):ナビサイト登録

「外国人の就活」とは言っても、何から始めていいかわからなかったところもあり、日本人学生同様、まずはリクナビやマイナビといったナビサイトへの登録から始まりました。

ダーリン自身はあまり危機感のない状態でしたが、日本の「就活」を経験している私が「早く動かないとヤバイよ」と煽って登録させたような感じです(笑)

新卒で日本での就活を控えている外国人パートナーがいらっしゃる方は、「日本の就活って、大学4年(または大学院1年)の3月か4月にはほとんど終わるんだよ!早く動き出さないとヤバイよ!」と危機感を煽ったほうがいいと思います。

国によっては大学卒業後に就活が始まる国もあるので、まずは外国人パートナーに日本の就活事情を理解させないととんでもないことになるかもしれません…。

行きたい業界や就きたい職種が決まっていない学生であれば、最初は合同説明会などに参加して業界研究をするところですが、ダーリンの場合「地質のエンジニアになる」という太い軸が決まっていたので、合同説明会などには参加せず、「そういった仕事ができる会社はどこなのか」リサーチをしていました。

最近では外国人学生向けの採用サービスも増えていますので、私が「外国人学生向けのサービスに登録したら?」と勧めて、エージェントサービスにも登録させました。結果これはダーリンの就活には役に立たなかったため詳細は割愛しますが、文系の場合は利用価値が高いかもしれません。

10月~11月(大学院1年):学内説明会・短期インターン参加

ダーリン自身はそれほど危機感がない状態が続いていましたが、良かったのは、大学院に企業が出張説明会に来てくれたことです。

また別記事で詳しくお伝えしたいと思いますが、ダーリンが専攻していたのはけっこうニッチな分野で、同じ分野を研究している研究室は日本全体でも3つほどしかありません。

そのため、資源会社などが研究室に来て、ミニ説明会をやってくれたり、インターンシップへの案内をしてくれたりしたそうです。

その流れで、4社ほどの1~2日の短期インターンシップや見学会などに参加しました。現役社員との懇親会もあって、ダーリン自身も楽しく刺激になったようです。

このときに私が「すごい!」と思ったのがインターンシップの参加費を企業が負担してくれたことです。企業によっては交通費の一部補助というところもありましたが、福岡・東京間の往復の交通費と宿泊費の全額を負担してくれた企業も複数ありました。

文系学生なら最終面接でやっと交通費が出るというレベルですが、選考にすら進んでいない段階の短期インターンシップで企業が費用を負担してくれるんですよ!「理系の大学院生って優遇されてるんだな~」とつくづく思いました。

1~3月(大学院1年):エントリーシート(ES)提出

資源会社を中心に、一部の商社も含めて8社程度(すべて日本企業)にESを提出しました。文系だった私の感覚からすると少ないですね。

ESは当然すべて日本語なので、ここは私もかなり手伝いました。会社員としてフルタイムで働きながら就活を手伝うのはけっこう大変でしたが、せめてもの救いがすべてのESがオンライン提出だったことです。

今のES(特に大企業)はESをオンラインで受け付けているところがほとんどなので、日本語の文字が上手に書けなくてもES提出には支障ありません。(ダーリンは一応ちゃんと漢字も書けるのですが、手書きの文字はやや読みにくいのです)

この頃、私はちょうど以前勤めていた会社で新卒採用もやっていたため、会社でESを見ては家でもES…ESばかり見ている日々でした(笑)

新卒採用担当が家にいるなんて、ダーリン的にはめちゃめちゃラッキーでしたね。日本語ネイティブでも企業の採用担当が何を求めているか理解している人は少ないでしょうから。

これと並行して、ダーリンはSPIの本を購入して自分で対策をしていました。それも、私が「日本の就活ではSPIっていう試験を受けさせる会社が多いから、早めに問題集買って対策してね」と言っておいた成果です(笑)

SPIの問題も当然日本語なので、言語面でハンデのある外国人学生の場合、特に早めの対策が必要です。

2~5月(大学院1年~2年):面接

大学院1年生の2月から徐々に面接が始まりました。ところが途中でコロナショックが本格化し、当初第一志望だった企業の面接が何度も延期に…その企業は途中の面接はオンラインでやっても、最終面接はどうしても対面でやりたかったみたいです。

その第一志望の企業の選考が最終面接前で止まったまま、他社の選考が進み、その過程で別の会社がダーリンの中で急浮上。やっぱり接点が多い会社に対して心が動くみたいです…。

5月のゴールデンウィーク明けにその会社から内々定をもらい、当初第一志望だった企業は最終面接を受けることなく辞退しました。

最終面接を延期しまくった企業は、そうすることで結果的に学生が他社に流れてしまったことをとても後悔したでしょうね。

ちなみに、ES同様、面接に関しても私が想定質問を準備して受け答えのアドバイスをしたり、実際に模擬面接風のやりとりをしてみたりと、かなり手伝いました。理系の大学院生なので、あまり価値観や考え方を探る突っ込んだ質問はなく、学業に関する質問が比較的多かったようです。

外国人ダーリンの就活【総括】

外国人の就活、それも私がまったくわからない分野の理系就職ということもあり、不安もありましたし、コロナ禍での選考中断もありましたが、振り返ってみると「案外スムーズにいったな」というのが今の感想です。

その後、内定式などを経て、今ダーリンは4月からその会社で働くことをとても楽しみにしています。

ようやくダーリンが社会人として収入を得てくれることになって私もとても嬉しいし安心しています…!

外国人ながら、日本での就活が案外スムーズにいった勝因については、また次回お話したいと思います。