ドイツ人夫の両親が初来日、喜ばれた2週間の日本旅行プランの内容とは

しばらく記事の更新をご無沙汰してしまいましたが、それは日本に一時帰国して京都での結婚式&ダーリンの両親との日本旅行というイベントがあったから。

まだ写真が揃わないので結婚式については別記事で報告させていただくとして、今回はダーリンとダーリンの両親と4人で周った日本旅行の模様をお伝えしたいと思います。

ドイツ人ダーリンの両親が初来日!

今回、ドイツ人のダーリンの両親は日本初来日。ダーリンパパが飛行機が苦手ということもあって、日本はおろかアジアも初めてという状況でした。

ダーリンの両親は、日本のガイドブックを見れば「ここも面白そう」「ここもよさそう」と、色々と興味を惹かれる場所はあるようでしたが、「日本に行ったことがない以上、本当にどこがいいのかわからない」というモード。

自ら積極的にプランを考える雰囲気ではなく、ダーリンも「日本には面白い場所がたくさんありすぎてわからない」と言い出す始末。ダーリンに少し相談しつつも、結局は私がほとんど一人で計画立案&ホテル等の手配をすることになりました。

もともとダーリンは自分から音頭を取るタイプではないので、これは予想通りといえば予想通りですが、相手の興味や嗜好を踏まえたうえで、その人の旅行プランを立てるというのは案外大変。日本人とは感覚が違うことの多い外国人ならなおさらです。

国際恋愛・結婚をされている方、日本にパートナーの両親を招待するときは、ちょっと覚悟しておいたほうがいいかもしれませんよ!(パートナーの性格にもよりますが)

初めての日本旅行、2週間のプランはこうなった

今回、ダーリンとダーリンの両親の日本滞在期間は約2週間半。2週間半って、一般の日本人の感覚からするとかなり長いとは思いますが、ある程度スケジュールにゆとりを持って日本周遊を楽しむには案外短い期間です。

もともとは「九州に行こうか」「四国もいいかも」なんて、色々と考えていたのですが、プランを考えていたら思ったほど時間がないことに気づいて、結局関西だけに絞りました

ただし、ダーリンの「また東京が見たい」という意向もあり、まずはダーリンとダーリンの両親が東京に3泊して京都に移動、私は東京には行かず京都で合流することになりました。

そもそも今回ダーリンの両親が来日したのは、京都で挙げた私たちの結婚式に参列するため。それゆえ京都滞在はマストでした。

結婚式もあって毎日フルに観光に使えるわけではなかったので、まずは京都市内に6泊、その後京都府・綾部市の里山に2泊、天橋立エリアに2泊、兵庫県の城崎温泉に1泊、姫路に1泊、神戸に1泊し、最後は翌日のフライトが出る伊丹空港前のホテルに宿泊して、関西ツアーは全14泊の日程となりました。

初めての日本旅行プランのポイント

外国人のパートナーやその家族、あるいは外国人の友人などが来日することになり、どこを案内しようかなんて考えておられる方もいるかもしれません。そこで、今回私が組んだ日本旅行プランの3つのポイントをご紹介したいと思います。

ひとつは、日本がもつさまざまな要素を盛り込むこと

今回の関西旅行には、都市あり、田舎体験あり、山あり、海あり、城あり、温泉ありと、日本のさまざまな魅力に触れられるよう、異なる要素をいくつも盛り込みました。しかも、「都市」といっても、京都のような日本らしい歴史都市と、神戸のような西洋の香り漂う港町とではまったく雰囲気が違います。

ダーリンの両親は日本が初めてだったので、「まずは色々な要素を見てもらって、特に気に入った要素があれば、日本を再訪してそれを深堀りしてもらいたい」というのが私の思いでした。

2つ目は、忙しすぎない旅程にすること。ダーリンの両親は、普段南フランスやイタリアなどの田舎で2週間ほどずっと同じ場所に滞在して、ハイキングなどを楽しむという休暇スタイルをとっています。

そんな人たちには、日本式の詰め込みツアーは耐えられないはず。そこで、彼らの普段の旅行に比べると慌ただしいものの、ある程度ゆったりできる時間も確保できるようなスケジュールにしました。

3つ目は、自然に触れる機会を作ることです。自然好きな人が多いドイツ人の例に漏れず、ダーリンの両親もかなりのアウトドア派。旅先で一度もハイキングなどのアクティビティがないなんて考えられないようなので、自然に触れられる里山ステイを盛り込みました。

京都市内(6泊)

結婚式も含め、まずは京都市内に6泊。「6泊なんて長い!」と思われるかもしれませんが、京都には郊外も含めいくらでも行くところがあるので、6泊してもまだまだ行き足りないところがありました。

今回私たちが出かけたのは、清水寺や祇園周辺、金閣寺周辺、嵐山、貴船・鞍馬など。銀閣寺エリアや外国人観光客に大人気の伏見稲荷大社には行っていません。

ダーリンの両親が京都市内で特に気に入ったのは、貴船・鞍馬エリア。まずは鞍馬寺からスタートして、山を越えて貴船まで歩きました。

緑豊かな山の中に古刹が点在して、神秘的な雰囲気漂ううえ、観光客が少なくのびのびと過ごすことができたのがお気に入りの理由だと思います。

私は京都にはもう20回以上は行っていますが、近年は行くたびに観光客が増えていて、数年前にはあまり外国人観光客を見かけなかった郊外エリアにもどんどん外国人が進出してきていますが、貴船・鞍馬はまだまだ外国人観光客の姿がまばら自然の中を歩くのが好きな外国人を連れて行くにはおすすめのスポットです。

京都府・綾部市の里山(2泊)

京都市内を離れて向かったのは、京都府・綾部市の里山。日本の田舎での生活に触れてもらおうと「里山ゲストハウスクチュール」に滞在しました。

ご夫婦が経営するこのゲストハウスは、一棟借り切りも可能で、私たちは2日間、一軒家をまるごと借りて過ごしました

ゲストハウスのオーナーは、町おこしやゲストと地域を結びつけることに熱心な方で、単に宿を提供するだけでなく、オプショナルツアーや田舎ならではの体験に参加することもできます。近い将来、綾部で100の体験を整備しようと取り組んでいるのだとか。

ミツマタの群生地

ミツマタ(黄色い花)の群生地を見に行ったり、ダーリンの両親は渓谷をハイキングしたり、ダーリンと私はよもぎ餅作り体験をしたりと、ありがちな観光旅行とはひと味違う、ユニークな体験になりました。

ダーリンの両親にとっては、車で10~15分も走れば比較的大きな町(舞鶴)があるところに、こんな里山が広がっているのが驚きだったようです。

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京都府・天橋立エリア(2泊)

湖のように穏やかな伊根湾

さらに京都府を北上し、天橋立エリアに2泊しました。1日目は、海に浮かんでいるかのような舟屋群が並び「日本のヴェネツィア」とも呼ばれる伊根町に出かけました。

伊根は、私自身も行ってみたいと思っていた場所。京都市内は散々行きましたが、自分が行きたい場所を盛り込んでも罰は当たりませんよね。

エメラルドグリーンの伊根湾を囲むようにして、230軒ほどの舟屋が並ぶ伊根の風景は、期待を裏切らない素晴らしさ。特に海上タクシーを利用して、海から眺めた景色が最高でした。

思いのほか観光客が少なく、タイムスリップしたかのようなのんびりした雰囲気が味わえ、ダーリンの両親にとっても、特に印象深い場所のひとつになったようです。

「天橋立ビューランド」からの景色

2日目は、もちろん日本三景の天橋立観光。天気もよく、ガイドブックで見たような緑とブルーと白のコントラストが美しい風景に出会えました。

ちょっと想定外だったのは、ダーリンの両親が「天橋立を歩いたらどれぐらいの時間がかかるか」と言い出したこと。

私は天橋立は上からの風景を楽しむものだと思っていて、そこを歩くという発想はなかったのですが、ドイツ人は自然を見たら入っていく本能でもあるのでしょうか。

結局、普通に歩くには結構距離があるので、ダーリンの両親とは別行動にして、ダーリンの両親は一時間ほど海岸を歩きながら貝殻などを集め、ダーリンと私はレンタサイクルで走るという時間を過ごしました。

城崎温泉(1泊)

天橋立は京都府北部に位置するので、そのまま西へ移動して兵庫の名湯、城崎温泉へ。

実はドイツにも温泉はたくさんあり、温泉自体は珍しいものではないのですが、独特の情緒漂う日本の温泉町の風景は新鮮だったようで、ダーリンの両親は「とても素敵な町」と言っていました

城崎温泉に着いたとき、ダーリンの両親はけっこう疲れていたと思いますが、温泉町の風景を見てテンションが上がったらしいことは私にもわかりました。

ドイツでは温泉に行かない(ドイツの温泉は男女混浴が普通)ダーリンの両親にとって、見ず知らずの人と一緒にお風呂に入るのは抵抗があるかもと思い、無料貸切風呂のある温泉宿「泉翠」を選びました。

温泉だけでなく、浴衣を着るなどのダーリンの両親にとって新しい体験もできましたし、「疲れてきたタイミングで温泉でゆっくりできるのはいい」と喜んでもらえました

姫路(1泊)

旅も終盤に差し掛かり、そろそろ終点の伊丹空港に向けて南下する必要が。そこで、神戸に行く前に姫路に立ち寄って、国宝であり世界遺産でもある姫路城を観光することにしました。

しかし、誤算だったのは姫路城の混雑具合。私は以前に姫路城に行ったことがないのでピンときていなかったのですが、天守閣まで一時間待ちという盛況ぶりでした。

天気がよく、桜も満開だったので、おそらく一番混む時期だったのでしょうね。それでも平日だったのでまだましなほうだったとは思いますが。

あまりにも人が多くてゆっくり見られなかったのは残念でしたが、城の公園で花見をする日本人の姿は、ダーリンの両親には面白く映ったようです。

神戸(1泊)

今回の関西ツアーで事実上最後の滞在地となったのが、神戸。

私としては、「どうせ通り道だし、港町(海のない南ドイツに住んでいるドイツ人にとっては、海自体が非日常)だから、ダーリンの両親がまったく気に入らないということはないだろう」というくらいの気持ちでプランに入れたのですが、フタを開けてみると、神戸は私が驚くほどダーリンの両親に好評でした

個人的には神戸は好きな町ですが、「西洋の薫りがあるのでヨーロッパ人にはさほど新鮮ではないかもしれない」と思っていたのですが、海と山に挟まれているというところがとてもよかったそうです。

加えて、ダーリンママ曰く「京都よりも人にリラックスした雰囲気がある」と。確かに、桜で観光客の多いこの時期の京都中心部は、ちょっと余裕のない雰囲気があるかもしれません。

予想外だったのは、かつてのヨーロッパ人商人の屋敷などがある異人館エリアで、プチハイキングが始まったこと。森のようになっている場所を見て、ダーリンの両親が「ここをもっと奥まで歩く」と言うのです。距離的には大したことはありませんでしたが、疲れが溜まっていた私にはキツかったです(笑)

神戸には何度も行ってきますが、こんなところを歩くのは初めて…

私は森を歩くなんて想定しておらずフラットシューズだったのですが、ダーリンの両親は、毎日ジーンズにハイキングシューズ&バックパックという格好だったので、いつでもハイキングが始められちゃうんですよね。アウトドア派ドイツ人と行動をともにするときは、服装に油断してはならないということを学びました。

おわりに

結局、ちょっとくたびれながらも、「今までで最高の旅行だった」とダーリンの両親も満足してくれた今回の初来日。

予想通り気に入ってくれた場所もあれば、私が思った以上に気に入ってくれた場所もあり、短い期間ながら日本の色々な魅力を見せられたのではないかと感じています。

とはいっても、今回一緒に見た日本はまだまだごく一部。ダーリンの両親がまた喜んで日本に来てくれるといいなと思います。