コスパは最悪?国際結婚にまつわる9つのデメリットとリスク

「国際結婚は大変」とよく言います。

その一方で、「国際結婚はロマンティック」という憧れも先行していて、国際恋愛や国際結婚を勧めるインターネットの記事も増えているように思います。

しかし、現実的・具体的に国際結婚のデメリットが語られることはあまりありません。「言葉の壁」「文化の壁」など、非常にあいまいです。

私はドイツ人男性との恋愛・結婚を通して、国際結婚の具体的なデメリットが具体的にわかるようになりましたし、ほかの国際カップルと交流する機会も増え、国際カップルの苦労を見聞きする機会も得ました

私たち自身や、ほかの国際カップルのエピソードから、国際結婚にありがちな9つのデメリットとリスクをご紹介します。

国際結婚はお金がかかる

国際結婚はとにかくお金がかかります。国際カップルが同じ国でともに暮らす場合、少なくとも2人のうちどちらか一方は外国で暮らすことになります。

外国で暮らすにはビザの取得費用や更新費用、場合によってはその国の言語を習得したり、ビザ申請に必要な語学テストを受けたりするための費用もかかってきます

自国で住む家族のもとに帰省するための費用もバカになりません。例えば、現在ドイツに住む私たち夫婦が2人で日本に帰省するだけで、往復の航空運賃が最低でも13万円ほどかかってきます。

年に1回、相手の国に2人そろって帰省するだけで、それが数十年も積み重なれば何百万円という出費になるのです。

さらに、国際結婚は手続き自体にお金がかかることも珍しくありません。私たちの場合、書類の翻訳料や弁護士費用、ドイツでの婚姻の登録料など、一連の結婚手続きに10万円ほどかかりました。

結婚手続きは基本的に1回のみですが、日本人同士なら戸籍謄本等の取得費数百円~1000円強で済むわけで、その差は歴然としていますね。(※ドイツ人との婚姻費用はさまざまな条件によって異なるため、一律10万円かかるというわけではありません。)

最近流行りの「コスパ(コストパフォーマンス)」という観点から見れば、「国際結婚は非常にコスパが悪い」と言わざるを得ません。

言語習得に費やす時間とエネルギーが莫大

もともとパートナーの国の言語が話せる場合、互いの母国語ではないもののスムーズにコミュニケーションが図れる共通言語がある場合など、国際結婚をしても新たな言語習得が必要ないケースはもちろんあります。

しかし、私が現実世界やインターネット上で交流のある国際カップルを見ていると、付き合い始めた後に少なくともどちらか一方がパートナーの言語習得に努力しているケースが大半

私たち2人は、出会った当初から英語でコミュニケーションが取れていましたが、日本人がドイツの配偶者ビザを取得するためには、一定のドイツ語試験をクリアする必要があります。

つまり、日本人がドイツ人の配偶者としてドイツで暮らすためには、パートナーとのコミュニーケーションに必須でなかったとしても、原則最低限のドイツ語を習得しなければならないのです。(※ドイツの配偶者ビザの申請条件は居住地によって異なるため、ドイツ語試験の証明書が必要にならないケースもあるかもしれません。)

新しい言語を学ぶというのは自分の世界を広げるチャンスであり、前向きに取り組みたいところ。しかし、言語というのは一朝一夕で習得できるものではなく、長期間にわたる地道な努力を必要とします

もともとその言語に興味があった場合はいいですが、どうしてもその言語が好きになれなかったり、ほかに力を入れたいことがあったりする場合、言語習得に莫大な時間とエネルギーを割かなければならないことが苦痛に感じられるかもしれません。

国際結婚に対する偏見にさらされる

昔に比べると国際結婚はそう珍しいことではなくなったとはいえ、島国の日本には、まだまだ国際恋愛や国際結婚をする人への偏見が残っています

私自身、ドイツ人男性と結婚しているわけですが、知り合ったばかりの日本人にたまたまそんな話をすると、「ガイジン好き」「白人専門」のように思われることがあります

確かにそういう日本人女性もいるとは思いますが、私の場合、「国際結婚がしたい」なんてまったく思っていませんでしたし、特に白人男性が好きというわけでもありません。むしろ以前は、「外国人と付き合う」ということが現実問題としてイメージできませんでした。

ダーリンはドイツ人!でも私、外国人男性は苦手でした

このブログでも思いがけなくドイツ人ダーリンに出会い、結婚を決めるまでの過程を記してきましたが、ありのままを書いているにもかかわらず、「国際結婚なんて狙って努力しないとできるものじゃない。たまたま恋に落ちた相手がドイツ人だったなんて嘘だ。」というようなメッセージが届いたこともあります。

日本における国際結婚に対する偏見は、必ずしもネガティブなものばかりではありませんが、国際結婚をするということは、多かれ少なかれ偏見に直面する可能性大です

コミュニケーションコストが大きい

ほとんどの国際カップルは、異なる言語を母語としています。その場合、いくら共通言語があったとしても、ネイティブ同士の会話ほどスムーズにはいかないこともしばしば

私たちの場合、出会った当初はほぼ英語で会話していましたが、現在は将来設計を考えてできるだけ日本語を使用。日本語での会話が成立しない複雑な会話のときは英語を使うようになっています。

いずれにせよ、私たちが会話するときは、私たちのどちらか一方あるいは双方が母語ではない言語を使います

もう5年ほど日本語を勉強しているダーリンは、日本語の基本的な日常会話はできるようになりましたが、ちょっと複雑になるとついて行けないことも多いですし、ダーリンを相手に日本語を話すときは、できるだけ明瞭に発音するよう意識的・無意識手に気を付けています。

日本人相手であれば、早口で不明瞭に話しても通じることが多いですが、そうではないからです。

英語で話すときも、どちらか一方が知らない単語が出てくることがあり、常に説明不要でスムーズに会話できるというわけではありません。

日本語と英語というのは根本的に文章の構造が違うこともあって、私の場合、精神的・時間的に余裕がないときは英語で話すこと自体がストレスに感じることもあります。

これは、誰が悪いわけでもなく、共通の母語をもたない2人が会話するときは、多かれ少なかれ面倒やストレスがあるということです。もちろん、ある程度は慣れで解消できるものですが。

親戚・友達付き合いに苦労することも

外国人と結婚すると、親戚や友達との付き合い方が日本とは違って戸惑うことがあります。

例えば、日本ではカップルはそれぞれ独自した交友関係を築いているケースが多いですが、ヨーロッパでは恋人や配偶者を気軽に周囲の人に紹介しますし、友人の集まりはもちろんのこと、職場のイベントなどに連れていくことも珍しくありません

日本人の私からすれば「男同士で遊べばいいのに」と思うことも多いのですが、ヨーロッパはカップル社会が強いので、ヨーロッパ人をパートナーに持つと、自動的にパートナーの友達付き合いに組み入れられることになります

私の個人的な話でいえば、短時間の集まりは問題ないのですが、大晦日に「友達と山に集まって薪を切って、山小屋に泊まろう」と言われたときは「勘弁して~!」と思いました。

トルコ人男性と結婚し、イスタンブールに暮らす私の友人が、産後すぐに親戚が家に押しかけてきて正直辛かったというエピソードを教えてくれたこともあります。

【国際結婚】イスタンブール在住女子がトルコ生活で驚いたこと10選

実際のところ、こういった文化の違いをどう感じるかは人それぞれ。ヨーロッパ人のパートナーを持って、「パートナーの友人とわいわい付き合うのが楽しい」と感じる人もいるでしょう。

しかし、少なくともヨーロッパ人をパートナーに持つ日本人に限っていえば、「パートナーの親戚や友人との集まりが正直負担」という人が多いように思います

その最大の理由が言葉の壁。親戚や友人の集まりでは当然現地語での会話が主流になるので、現地語がよほど堪能でない限り、会話についていけないからです。ヨーロッパのパーティーなどは一旦始まると長いことが多いので尚更。

日本人と結婚した場合でも、「配偶者の家族との付き合いが重荷」という人は少なくないと思いますが、少なくとも「周囲の人が何を話しているかわからない」という状況にはほぼならないはずです。

周囲の会話が理解できず、内心ものすごく退屈しているのに、不機嫌な顔をするわけにもいかず、何時間も笑みを作り続ける・・・そんな経験がなかったとしても、想像しただけで疲れますね。

キャリア中断を余儀なくされる可能性も

国際結婚という選択をする場合、パートナーの国に移住することになる可能性も低くありません

その場合、日本での仕事を辞めざるを得なくなることが多く、順調に築いていたキャリアの中断を余儀なくされるケースが少なくありません

私の場合、ダーリンと出会う前から仕事を辞めて世界一周することを考えていたので、日本での仕事を辞めることに躊躇はありませんでしたが、パートナーの国に移住する人のなかには、断腸の思いで仕事を辞める人も少なくないと想像します。

もちろん、移住先でよりよい道を見出す可能性は十分ありますし、キャリアの中断が必ずしもマイナスになるわけではありません。

しかし、現実には移住→現地語習得→職探しといったプロセスを経なければならない人も多く、海外でのキャリアの再構築には時間がかかります

単純に生涯賃金で比較すると、日本でそのまま同じ仕事を続けるよりも、マイナスになる可能性が小さくないことを覚悟しておかなければなりません。

異国での生活が苦痛になるおそれも

これもパートナーの国に移住した場合の話になりますが、異国での生活というのは思っている以上にストレスになることがあります。

日本で当たり前のように食べていた食材がなかなか手に入らない、公共交通機関や宅配便が時間通りに来ない、日本の家族や友人と離れ離れになる・・・

ヨーロッパの暮らしは案外不便?ドイツ生活で困ること8選

パートナーの国に移住することで生活がどう変わるかは、移住する国にもよりますし、人それぞれですが、一つひとつは決定的な問題でなくても、さまざまなストレスが積み重なることにより、その国での生活に耐えられなくなる人もいます

パートナーのことは好きでも、相手の国に住むことは耐えられない。それがわかって、別れを選ぶカップルも残念ながらいます

「国際結婚で海外移住」なんていうと、ロマンティックだとか華やかなイメージを持たれがちですが、そう甘くはないのが現実。

移住先が欧米の先進国の場合、「(経済的な意味で)よりよい生活を求めてやってきた移民」という目で見られることもありますし、国や地域によっては人種差別を受けることもあります

海外移住にはもちろんメリットもありますが、乗り越えなければならない壁は、イメージしているより高いかもしれません。

食のミスマッチのリスクがある

一見小さな問題のようで侮れないのが、食のミスマッチです。

私たちの場合、運よくダーリンがほぼ何でも食べられ、しかも「ヨーロッパ料理よりも日本食含むアジア料理のほうが好き」という嗜好の持ち主なので、2人のあいだで食のミスマッチが問題になることはほぼありません。

しかし、世の国際カップルを見れば、「彼が日本食がダメなので、頑張って色んな料理を作っています」とか、「食の好みが合わないから、別々に食事を準備して別々に食べてるよ」、「家族のなかで私しかご飯を食べないから、米が減らない」なんていう例はいくらでもあります。

ともに幸せに暮らせているならそれでいいと思いますが、食は毎日のことなので、別々に食事を準備をするなんて、私は考えただけで面倒で「ひぇー!」と思ってしまいます。

日本人同士のカップルでも、食の好みがぴったり合うケースばかりではありませんが、国際結婚の場合、「あるジャンルの料理はまったく受け付けない」など、極端なギャップが生じる可能性があるのです

さらには、海外での日本食材の調達をめぐってトラブルになることも。

ドイツに暮らす日本人妻が高額な日本食材(ドイツで売っている日本の調味料などは日本の約3倍の値段になります)を買い続けることにドイツ人夫が耐えきれなくなり、その夫婦は離婚したという話も聞いたことがあります。

もちろん、離婚に至るにはそれ以外の要因もあったのでしょうが、食をめぐる問題が夫婦のあいだに大きな亀裂を生むリスクがあることは否めません

国際結婚で見過ごせない意外な大問題、それはズバリ「食」!

子どものバイリンガル教育が大変

私たち夫婦には子どもがいないので、実体験としてはわかりませんが、国際カップルの子どもの教育は大変です。

「日本人とドイツ人の両親のあいだに生まれれば、自然と日本語とドイツ語が身に付く」と思っている人もいますが、いくら吸収のいい子どもでも実際にはそう簡単にはいきません。

子どもは、自分が実際に暮らしている国の言語は比較的容易に身に付けますが、それ以外の言語は親が辛抱強く教え続けないとなかなか習得できないからです。

たとえば、父親がドイツ人で母親が日本人、ドイツ在住という状況で子どもに日本語を習得させたい場合、母親が教えたり、日本語を教える学校に通わせたりして、日本語習得を図ります。

ここで母親がドイツ語を流暢に話せてしまうと、子どもは「日本語ができなくでもママと会話できる」と思ってしまうので、「ママと話したい!」というモチベーションを抱かせるために、子どもとコミュニケーションをとるときはドイツ語を一切使わず、徹底して日本語で話しかけ続けたという例もあります

日本では、「ハーフの子どもはバイリンガルでいいな」と羨まれることも多いですが、その裏には親と子ども本人の努力があることを忘れてはいけないと思います

おわりに

私がここで言いたいのは、「国際結婚をしている私はこんなに大変な思いをしているんです」とか、「だから国際結婚はやめたほうがいいですよ」ということではありません。

一部で国際結婚に対する憧れが先行しているからこそ、現実にどういった問題に直面する可能性があるのかをお伝えしようと思いました。

もともと国際結婚に憧れていて、それを叶えた友人の一人も「国際結婚って思ったより大変。憧れだけじゃダメだねー!」と言っています。

私自身は、国際結婚を積極的に勧めようとも思いませんが、もちろん国際結婚反対派でもありません。結局は、国際結婚かどうかなんて関係なく、「この人しかいない」と思えるかどうか。

国際結婚には国際結婚ならではの大変さや面倒臭さがあるのは事実ですが、国際結婚ならではの喜びがあるのも事実ですし、なにより「この人しかいない」と思えるようなパートナーと一緒なら、苦労だって「有益な経験」と思えるようになりますから。

冒頭で、あえて「国際結婚はコスパが悪い」と言いましたが、最高のパートナーとともに歩む人生はお金では測れない価値があります。

そう思えたら、国際結婚のデメリットなんてなんのその。それを軽く吹き飛ばせるほどの幸せな2人になれるのではないでしょうか。